4月25日、障がい・難病プロジェクトチームを国会内で開き、障がい者に対する性的虐待について、関係団体と政府からヒアリングをしました。

 厚生労働省からは3月に公表された「令和2年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)」について説明がありました。
 藤原久美子 DPI女性障害者ネットワーク代表からは、2020年3月に北海道で起きた障がいのある女性に係わる0歳児遺棄事件について、(1)女性であり、障がい者である二重の困難があること(2)足し算ではなく掛け算の差別を受けることになる複合差別が背景にあること―ー等の説明がありました。
 また、まずは可視化が必要と考え、10年前にアンケートをまとめたが、(1)いまだにその困難は変わっていないこと(2)アンケートをとった35%が何等かの性被害を受けていること(3)DV相談支援センターにおける障がい者からの相談件数も過去最多になっていること(4)当事者の意思に反する異性介助も、人手不足等のためいまだ継続している実態――等についても説明がありました。
 参加議員が、北海道の事件の具体的な対策について厚労省に問いましたが、施設退所後の事件であり、ダイレクトに虐待にあたるともいいにくい、性教育や相談体制の話になるとの回答がありました。それに対して、早稲田ゆきPT座長は「このような事案がまた起きないように、厚労省としてもしっかり検証すべき」と強く要望しました。厚労省は、この指摘を省内でも共有し、必要なことをしたいと述べました。
 道下大樹PT事務局長は、「立憲民主党は、複合差別の解消に向けて当事者、現場の意見を、政策に反映していきたい」と述べました。