立憲民主党は5月20日、「被選挙権年齢引き下げ法案」と「立候補休暇法案」を衆院に提出しました。

■被選挙権を18歳からに引き下げ

 被選挙権年齢引き下げ法案(公職選挙法及び地方自治法の一部を改正する法律案)は、公職の被選挙権年齢を現在の25歳(一部は30歳)から18歳(一部は23歳)に引き下げるものです。この法案が成立すれば、各種の公職の被選挙権年齢は次のように引き下げられます。
 ・衆議院議員    25歳以上→18歳以上
 ・参議院議員    30歳以上→23歳以上
 ・都道府県議会議員 25歳以上→18歳以上
 ・都道府県知事   30歳以上→23歳以上
 ・市町村議会議員  25歳以上→18歳以上
 ・市町村長     25歳以上→18歳以上
 参議院議員や都道府県知事と他の公職に5歳差を設けている理由については、公職選挙法を所管する総務省に聞いても明快な説明はなく、今後の議論に委ねることにしたといいます。
 提出者は落合貴之、篠原孝、寺田学、青柳陽一郎、森山浩行の各衆議院議員。
 提出後の記者会見で落合議員は、「若者に参加意識を持ってもらうには、18歳の成年年齢に達したら『選挙に行きましょう』だけでなく、『問題意識を持っている人は選挙に出ましょう』と呼びかけていきたい」と話しました。山井議員は自身がスウェーデンに留学した際に高校3年生の女性の市議会議員に会って大変衝撃を受けたといい、「日本でもそういうことが実現してほしい」と願いを語りました。

■仕事を辞めなくても立候補可能に

 立候補休暇法案は、公職に立候補する労働者が選挙公示・告示の14日前から選挙当日の3日後までの休暇を取れるようにするもの。事業主はこの立候補休暇の申し出を拒むことができず、立候補休暇を申し出たことや取得したことを理由として解雇その他の不利益な取り扱いをしてはならないと定めています。
 これまでも労働基準法によって労働者が公職の選挙に立候補する際に必要な時間の休暇を請求することは認められていますが、不利益取り扱いの禁止が明確には定められていません。本法案は育児休業法などですでに定められている不利益取り扱いの禁止を明確にすることで、仕事を辞めなくても選挙に立候補できるようにするのがねらい。
 提出者は落合貴之、篠原孝、寺田学、徳永久志、森山浩行、山井和則、柚木道義の各衆議院議員。
 現在、都道府県議会や町村議会の選挙で無投票当選が増加傾向にあり、一部では定員割れの町村も出ているなど、議員のなり手不足が深刻化しているといわれている。柚木議員は、「やってみようかという人でも、仕事を辞めなくてはならないというカベがあってなかなか出られない。与野党を超えてぜひ実現したい」と法案成立への期待を強調しました。

被選挙権年齢引き下げ法案.pdf

立候補休暇法案.pdf