教育調査会中間報告「未来の学校、はじまります」をとりまとめました。

「未来の学校、はじまります」

4つの基本方針
 1.子どもたちの、子どもたちによる、子どもたちのための学校教育
 2.誰ひとり取り残さず、いつでも学ぶことができる多様な教育機会
 3.経済的状況にかかわらず、学び続けることのできる環境
 4.誇りとやりがいをもって、学校教育に携わる先生たち

4つの最重点政策

1.子どもたちが主役の新しい学びへ
 子どもたちが自律して考え、学ぶことができるように、ヒト・モノ・カネの権限を大胆に学校現場に委ね、ブラック校則の見直しや、自分たちのことは自分たちで決める「ルールメイキングプロジェクト」の推進等を通じて、自律型の学校づくりを目指します。国や社会の問題を自分の問題として捉え、自らの力で生き抜くための主権者教育を推進します。
 また、さらなる少人数学級を目指すとともに、地域の実情に合わせることができる弾力的な定数制度の実現で、教室の姿を変えます。

2.誰ひとり取り残さない、多様な教育機会の提供
 義務教育の途中段階で取り残されたままとなっている子ども、特別な支援が必要な子ども、不登校の子どもなどに対して、一人ひとりの理解度や状況に応じた多様な学ぶ機会を確保します。市町村立の小規模高校の設立や、フリースクールへの支援拡充、夜間中学の設置促進、オンライン学習等の積極的活用、周辺学校との連携強化を推進します。
 大学を活用した社会人の学び直しなど、生涯を通じての学び、リカレント教育を支援します。

3.高等教育授業料の無償化等による教育費の負担軽減
 国公立大学の授業料を無償化し、私立大学生や専門学校生に対しても国公立大学と同額程度の負担軽減を実施します。奨学金制度の拡充で学生の生活費等についても支援します。義務教育の学校給食を無償化します。

4.子どもたちとしっかり向き合える先生たちの職場環境の整備
 教職員定数の充実や、スタッフ職の増員、非常勤教職員の環境改善を推進し、教員が子どもとしっかりと向き合う時間を確保するとともに、教員不足に対応します。
 「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)を廃止し、さらに、部活動のあり方について地域社会への移行など抜本的な見直しを行い、教職員の長時間労働の実態を改善します。


さらなる必要政策
〇多様性を尊重し、自らの選択肢を見つけ、自ら選ぶことのできる学校
 性別や年齢や国籍、異なる価値観などを認め合う、多様性を尊重し、自ら人生の選択肢を見つけ、選ぶことのできる教育を推進します。多様な職業の可能性を早い段階から学習、体験することで、将来の職業を自らの意思で選択することができ、個性と能力を磨く機会が十分に得られる学校教育を目指します。


〇子どもの権利を守る「子どもコミッショナー」の設置
 いじめや虐待など子どもをめぐる問題が起きた場合に、子どもの権利を最優先に擁護し、客観的な第三者として調査権限と提言機能を備えた子どもの権利擁護のための独立機関、「子どもコミッショナー」を設置します。


〇大学入試偏重の教育ルールを変える
 大学入試のあり方を大胆に見直し、学級や学年の枠に縛られず、柔軟に教育を受けられる学校にします。また、これからの時代にあった能力を身につけるための学習指導要領や ICT 活用を含めたカリキュラム、飛び級制度の推進、担任制の見直しなど、もっと自由で弾力的な学校運営ができる制度をつくります。


○After GIGA スクールの保障
 GIGA スクール構想により1人1台端末環境が整備されたことを受け、健全な教育の情報化を目指し、ICT の支援員や通信環境の充実、機器更新時のフォロー、授業内容や教員養成課程の見直しを図ります。

教育調査会中間報告.pdf