立憲民主党、社会民主党、日本共産党、れいわ新選組の野党4党は6月10日、「時限的消費税減税法案」(正式名称:消費税の減税その他の税制の見直しに関する法律案)を衆院に共同提出しました。
本法案は、2021年9月に市民連合と野党4党で合意された「衆議院総選挙における野党共通政策の提言」に基づいて共同提出したもので、現下の物価高騰による国民生活や国民経済への悪影響を緩和するとともに、税負担の公平性の確保、経済的格差の是正、経済の活性化等を図ることを目的としています。法案の概要は以下の通りです。
◎消費税の時限的な減税、インボイス制度の廃止
・令和5年4月1日以後、当分の間、消費税率を5%とする
・消費税のインボイス制度(適格請求書等保存方式)は廃止する
・上記の措置を講ずるに当たっては、地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことのないようにする
◎個人所得課税の累進性の強化
・個人所得課税については、最高税率の引上げ等により累進性を強化する
◎法人税改革
・法人税については、税制全体の見直しにより所得の高い法人に対し、その所得に見合う税負担を求める
・法人税に係る交際費等の損金不算入制度については、損金に算入することができる額を引き上げる
◎金融所得課税に関する検討
・金融所得課税の総合課税化について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講じる
筆頭提出者の小川淳也衆院議員(政務調査会長)は法案提出後の記者会見で、法案の趣旨と概要について説明した上で「野党にとって、法案を国会に提出するというのは最大の意思表示だ。各党が共通できる部分をきちんと法案化して正式に国会に提出したことには大変大きな意義があり、これを携えて選挙戦に臨む決意だ」と述べました。
各党協議に代表者として臨んだ末松義規衆院議員(財務金融部会長)も、「今回4党でまとまって法案を提出したということが一番の意義だ」と述べました。
落合貴之衆院議員(政務調査会副会長)は、「私も消費税減税に向けてこの何年か奔走してきた」とし、その意義について「今物価が上がっているが、消費税はその物価の中に含まれており、税率を5%下げると物価も5%近く下がることになる。大半の品目の物価を引き下げることができるのがこの消費税減税であり、今提出する意義があるものだ」と述べました。