西村智奈美幹事長記者会見

2022年6月14日(火)16時00分~16時34分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/ehwrti07STE


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○第52回常任幹事会を開催

【幹事長】
 まず、きょうの常任幹事会の報告からいたします。本日は、この国会会期中の最後の常任幹事会ということになります。
 代表より、皆さんお聞きいただいていたかと思いますが、挨拶があり、その後、私のほうから何点か。
 一つは、カジノ問題対策本部を新たに設置いたします。和歌山で県議会が計画案を否決したこと、大阪で住民投票の実施を求める署名活動が行われて法定数を大幅に超える賛同署名が集まったこと等を踏まえまして、党としてできる行動を取っていこうということで、前例に倣い泉代表を本部長に設置いたしました。現在、対策本部会議と、政府への申入れを検討中でございます。
 二つ目、核兵器禁止条約締約国会議がウィーンで開催されるのに当たり、(各国)国会議員が参加しての国際会議が開かれるということで、ICANから要請がございまして、我が党として源馬謙太郎国際局長を派遣することにいたしました。
 次に、逢坂代表代行から、(広報)器材についての説明。
 小川政調会長から、政審についての説明。
 選対委員長から、統一選挙に向けた公認候補についての申請等々、自治体選挙の結果等の報告がございました。
 それから、協議・議決事項です。選対委員長から3点ございました。
 一つは、統一選挙における候補者の公認ということで、規約に基づきまして道府県議会それから政令市議会の公認申請がありまして、了承されました。
 また、参議院選挙に向けまして、本日5名の比例区候補者について公認を決定いたしました。お一人目が、河野麻美さん、新人です。お二人目が、木村正弘さん、新人です。3人目、澤邑啓子さん、新人です。4人目、菅原美香さん、新人です。5人目、田中勝一さん、新人です。以上の5名の方々は、主に我が党の公認候補がいない地域における地域型の比例候補として活動していただくということを目指して擁立いたします。
 きょうは、このほかに、参議院選挙における比例名簿の記載順番について確認がなされました。今回の比例名簿について、五十音順で掲載いたします。このことを確認いたしました。
 以上のような状況を踏まえまして、現在で参議院選挙における候補者擁立状況ですが、選挙区の公認候補者が31名、うち女性が16名、女性比率が51.6%。比例区の公認候補者が18名、うち女性が8名、女性比率が44.4%ということでございます。比例のほうがもうあと一息ということになりましたので、最終盤まで過半数を目指して努力していきたいと考えております。
 次に、私のほうから、きょうは常任幹事会、会期中最後ということでございますので、選挙期間中の決裁については代表に一任をいただきたいということで、了承されました。
 常任幹事会の報告は以上でございます。

○物価高対策について

【幹事長】
 私のほうから何点か申し上げたいと思います。
 一つは、代表からもございましたとおり、物価高の問題です。
 岸田総理は昨日の決算委員会で、現在の物価高については国民生活や企業活動に大きな影響を与えていると、将来に不安をもたらしているというふうに発言いたしました。日銀総裁のほうも、最近の急速な円安は経済にマイナスであり望ましくないというふうに発言いたしました。しかし、口頭でそういうふうにおっしゃっているのみで、必要な対策を講じているとは言えません。
 政府・日銀のこうした姿勢に対して、昨日発表された世論調査では、岸田内閣の物価高対策について64%が「評価しない」と、黒田総裁に対しては58%が「不適任」と回答しています。政府・日銀の物価高対策に対して国民は大きな不満を持っております。あす15日は年金の支給日ですが、ここでまた0.4%の減額という中での物価高ですので、より一層のことだと思います。我が党に寄せられるご意見でも、こういった声が大変多くなってきております。
 こうした民意の受皿になることが、野党第1党である立憲民主党の責務だと考えています。物価高と戦い、現在の政府・与党と真っ向から対峙する姿勢を示すことで、現政権と異なる選択肢を国民の皆様に示していきたいと考えております。

○吉川議員の自民党離党について

【幹事長】
 次に、自民党の吉川赳衆議院議員に対して、自民党内からも議員辞職を求める声が上がっていると伺っております。
 岸田総理は吉川氏に対して、離党しても説明責任を果たすべきだと他人事のように評論しておりますが、昨年の総裁選のときでも吉川議員は岸田総理の支援をしていたというふうに伺っておりまして、こうした身近な議員であれば、総理自身が吉川氏に、まずは説明責任を果たすように説得すべきだと考えております。これは総理自身も問われる問題であると思っております。

○新型コロナ対策 感染症危機管理庁の設置について

【幹事長】
 次に、感染症対策についてです。
 昨日、自民党が論点整理、何か取りまとめをされて、これを受けて、あしたの会見でしょうか、総理が、ちょっと正式名称があれなのですが、健康管理庁と言われるものの創設ですとか、病床確保の強化策などの感染症対策を発表するという報道がございます。
 私たちのほうは、(新型)コロナ対応において司令塔機能の明確化が必要だと、ずっと、1年以上前から主張してまいりました。病床確保策の強化などについても同様でございます。しかし、この病床確保策についてはことしの通常国会で法案が出てくるかというところまでは来ていたのですが、参議院選挙対策の一環なのでしょうか、政府・与党が関連法の提出を見送ったということであります。そして、ここにもってきて、参院選を目前にした時期に、取ってつけたように健康管理庁という対策を公表するのは、ちょっと姑息ではないかと思います。
 この時期の発表が参議院選挙の対策ではないかと疑われます理由は、一つは、有識者会議での検討が余りにも時間が短いということですね。病床確保策についても、これは同じように議論されてきたのに見送られてきたわけで、やはり国民の命や暮らしよりも選挙対策が優先されるような政治であってはいけないと強く思います。

○第208回通常国会 閉会を迎えるに当たって

【幹事長】
 国会はあすで閉会となります。最後まで緊張感を持って取り組む必要がありますが、泉代表の下で初めて臨んだ通常国会、一定の成果を上げてきたと思います。
 代表が先ほど冒頭の挨拶でも述べましたが、我が党が今国会で提出した法案の数は54本ということになりました。また、政府提出法案について、賛成率が87%。今回は政府のほうも提出法案の数をだいぶ絞りましたので、こういう状況かなというふうには思っております。政府提出法案について、批判ばかりとか、何かいろいろ言われておりますが、その批判は全く当たらないと思います。
 こうした実績。それから、我が党が果たしてきた行政監視。こういった実績を丁寧に国民の皆さんに説明し、やはり今の国会の中で緊張感のある行政監視を行うためには野党第1党である私たち立憲民主党がこれからもしっかりと力を発揮していかなければいけない。そして、物価高と正面から戦う姿勢を示すことで参議院選挙を戦っていきたいと考えております。
 細田議長を初めとする、相次ぐ政治と金をめぐる問題。吉川議員のこともそうですが、そのほかにも枚挙にいとまがありませんが、権力、政府・与党のおごり、ゆがみの表れ以外の何物でもないというふうに思っております。
 今回の選挙で、何としてもそうした状況をパラダイム転換して、そして、本当に庶民の感覚、生活者の視点で、しっかりと緊張感のある政治を国民の皆さんが主権者として取り戻すことができるように、全力を尽くしていきたいと考えております。


■質疑

○吉川議員の自民党離党について

【毎日新聞・宮原記者】
 冒頭発言でもあった吉川赳議員の件だが、離党届が提出・受理され既に離党されているということで、ご本人の説明をということを岸田総理はおっしゃっているわけだが、そもそもきちんと事実関係の確認をしないまま離党届を受理したということ自体についてどのように思われるか伺いたい。

【幹事長】
 選挙までの時間の長さによって対応が違うというのは、非常に強く感じます。例えば、今回、世耕参議院幹事長などは割と早い段階から吉川議員に対して離党すべきだと言っておられたけれども、ほかに政治と金をめぐる問題ですとか、いろいろなスキャンダルの問題で、こんなに早い段階から離党すべきだと言ってこられたかどうか。幾つか考えてみますと、そういう事例ばかりだったのではないと思うのですね。ですので、ここはしっかりと説明責任を果たすということを自民党として求めるべきだったのではないかと思っております。

○参院選に向けた取組について(1)

【フリーランス・宮崎記者】
 選挙の比例の公認に関して、徳島・高知合区のところは、順番は別として、自民の公認と国民民主党の公認という中で、きょうの常任幹事会で、徳島県連職員の女性の河野麻美さんと、高知県連職員の女性の菅原美香さんということだが、この経緯は、今まで合区のところに大きい政党が選挙区に立てられないので比例のほうに県連ごとに2人立てるというパターンは初めてなのかと思うのでちょっと関心があるが、基本はその組織を守りたいのか。それとも、そういったところでもしっかり比例の票を党として掘り起こして確実に野党第1党になりたいということが狙いなのか。どういった調整の段階があったのか。

【幹事長】
 公認候補のいないところで地域型の比例候補を立てようというのは、当初からの目標としてございました。そういった方も含めて比例の候補者は20人という中で調整をしてきた結果として、大変ありがたいことに、徳島県でお一人、高知県でお一人、2人の擁立をするということで県連から上がってまいりました。しかも、お二人とも女性であるということで、やはり今、黒田総裁の発言に一番怒っているのは、生活者、特に女性だと思うのですね。そういった声をより強く吸い上げ立憲民主党の活動につなげられるというふうに判断いたしまして、お二人を擁立するということになりました。

【フリーランス・宮崎記者】
 あくまでも、比例に関しては、立憲民主党として、全体第2位、野党第1党に議席数が必ずなるという決意は、泉代表、西村幹事長、さらには今の執行役員のメンバーではもう一丸となっているということか。

【幹事長】
 はい、そのとおりです。やはり私たち立憲民主党が野党第1党となることで、しっかりと自民党と対峙する。その力、それから覚悟、こういったものがあるのは立憲民主党以外にないと私は確信いたしております。

【フリーランス・宮崎記者】
 一点だけ確認だが、改選の議席の数だけで、野党第1党の議席を得たいと。今回の改選の比例50議席の中で、自民党に次ぐ議席数。非改選も入れて野党第1党とおっしゃっているのか。

【幹事長】
 いずれにしても衆議院と参議院で私たち立憲民主党が野党第1党であるということが、行政監視をしっかりと行い、税金の無駄遣いをさせない、そして、本当に安全・安心な暮らしをつくっていくためには、野党第1党を私たちがしっかりと確たるものとするということ以外ではあり得ないと思っていますので、その決意でこの参議院選挙を戦っていくということです。

【フリーランス・宮崎記者】
 最後に、ゆっくりお答えいただいて構わないが、野党第1党を目指すというのは、比例の50の中だけの議席だけの目標という、それだけで目標は立てていないということか。

【幹事長】
 どちらでも同じことではないかと思うのですが。何か違いがありますでしょうか。

【フリーランス・宮崎記者】
 覚悟があるということですね。

【幹事長】
 はい。

○「こども家庭庁」設置法案について

【NHK・坂井記者】
 「こども家庭庁」法案に関連して伺いたい。あすの参議院本会議で可決・成立する見通しとなっている。立憲民主党はこの法案に反対しているが、改めて今回政府の出している、子どもに関する政策、法案に関する評価について伺いたい。

【幹事長】
 一番は、箱を作って魂が入っていないということです。
 まず具体的な指摘としては、私たちが求めております「子どもコミッショナー」、この具体的な制度設計がないということ。
 それから、教育予算を増やすとか子育て予算を増やすというふうに総理はおっしゃっているのですが、いつまでに、どういう形で増やすのか。ここが明確になっていない。
 箱を作るからにはやはりダイナミックに政策そのものが変わっていかなければ意味がないと私は思っているのですが、そういうところからすると、箱だけ作って、以前いろいろなことはありましたが、本当の魂が入っていないというところですかね。そこがやはり一番の問題。具体的に言うと、やはり「子どもコミッショナー」、そして予算倍増、この道筋がない、期限もないということ。その点ではないかと思います。

○参院選に向けた取組について(2)

【朝日新聞・藤崎記者】
 何点か伺いたいが、一つ目が、比例だが、先ほど女性5割のところまで頑張るとおっしゃったが、いつぐらいまでそういう検討を続けられるお考えか伺いたい。

【幹事長】
 きょう、会期中の常任幹事会は最終日ということになりました。ですので、これ以降は代表に一任という形の中で決裁が行われるということになります。とはいえ、そんなに遅くはできないと思いますので、近日中にめどを立てたいと思います。

○歳費法改正見送りについて(1)

【朝日新聞・藤崎記者】
 国対の話ではあるが、今回、文通費が先送りになった。このことに関してどういうふうにご覧になっているか。

【幹事長】
 大変遺憾です。与野党で一つのテーブルに着き、共通のルールを話し合おうということで、協議が何度か行われたというふうに聞いております。しかし、結果としてできたのは日割りだけということで、これは私たちが当初から提案しておりました法案と比べても全く見劣りする内容です。私たちは、返納、使途の公開、もう一つ実は歳費の分割というのもあるのですが、どれ一つとして進んでこなかった。残された課題については。
 ただ、あしたまでぎりぎり会期はございますので、自民党の国対委員長がどういった返答を持って与野党の国対委員長会談に臨まれるかということは、一縷の望みを持ちつつ、あしたまでは待ち続けたいと思っております。

○衆院小選挙区「10増10減」について

【朝日新聞・藤崎記者】
 「10増10減」について伺いたい。16日に方針が出ると思うが、都市部が今回増えるということで、それは立憲としてはどういう意味合いがあるものなのか。党としてもしお考えがあればお願いしたい。

【幹事長】
 今の法律で言いますと「10増10減」はやはりやらなければいけないことだと思います。いろいろなその計算方法がある中で、今回採用されているアダムズ方式というのは、どちらかといえば地方に有利な計算方式だということですので、これを採用し、それに基づいての「10増10減」ですから、しかも、これは議員の身分に関わることであるがゆえに国会で議員立法として成立していますから、これはやはり自分たちできちんと守らなければいけない。
 他方で、人口の減少している地域における声をどうやって反映させるかというのは、それは今回の選挙制度とはまた別の問題として切り離して議論すべきではないかと思っております。

○歳費法改正見送りについて(2)

【中国新聞・山本記者】
 今、文通費の話が出たが、歳費の返還について伺いたい。選挙違反などで当選無効になった国会議員に歳費変換させる仕組みが、河井事件を機に、昨年より与野党で議論されてきた。立憲民主党も新法案を、与党は法改正案をこれまでに掲げられているが、今国会での実現は見られそうにない。与党は、与野党で調整を続けているという説明をしているが、立憲民主党としての現在の認識、また、必要性などについてもお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 うちが出している歳費の分割法案というのは任期による日割りなので、今、当選無効になった場合の歳費の返納ということですよね。それはまた別の法律で、我が党としてはおっしゃるように確かに検討してまいりました。
 それで、ちょっと衆議院と参議院でステージの違いがあるかもわかりませんが、衆議院のほうでは、我が党から他党に対して、こういう法案を作りましたということで折衝は行っていたのですが、検討がないままきょうに至っているという状況でございます。
 できるだけ早く取りまとめはしていきたいと考えております。

【中国新聞・山本記者】
 参院のほうで何か、与党側からお話が行っているというご認識はないか。

【幹事長】
 参議院のほうで。

【中国新聞・山本記者】
 与党側から、与党案について、立憲民主党さん、野党第1党に投げかけていると、きょう公明党山口代表の会見でおっしゃっていたが、その辺について、ボールが来ているという認識は。

【幹事長】
 ごめんなさい。ちょっとそれは後で確認させていただいてよろしいですか。我が党からは衆議院サイドで呼びかけたという話は伺っているのですが、ちょっと参議院でどういったことだったのかというのは、今、確認できませんので、後で確認いたします。

○核兵器禁止条約 国際会議への党派遣について

【中国新聞・山本記者】
 今出てきた中で、核兵器禁止条約の締約国会議について伺いたい。派遣される意義や、果たしてきた役割などについて、お考えをお願いしたい。

【幹事長】
 我が党は、核兵器禁止条約にはオブザーバーとして参加すべきと考えています。もとより核兵器というのは、その非人道性において、ほかの兵器とは比べ物にならないぐらい残虐な兵器であるということで、これは廃絶に向けて我が党としては先頭を切って、他党とも協力をしながら運動していきたいと考えております。
 そんな中で、国会議員の会議が開催されるということですので、政府・与党のほうは核禁条約については非常に後ろ向きですが、野党として、野党第1党として、我が党のスタンスをきちんと国際社会に向けて発信することで、核兵器の廃絶、使用禁止に向けて、先頭を切って頑張っていきたいと思っております。

○参院選に向けた取組について(3)

【新潟日報・山田記者】
 本日また女性候補の比率が新しく発表されたが、なかなか準備期間も短い中で、選挙の準備もなかなか大変な状態だと思うが、どのようにフォローされるのかということと、公示後の本期間中に、これだけ多くの女性候補がいる中で、初の女性幹事長として、どういうふうに応援に入っていきたいと思っていらっしゃるか伺いたい。

【幹事長】
 おっしゃるように、もう公示まで1週間となりましたので、急ピッチで準備を進めていかなければいけないと考えております。他方で、幸いにして、今回擁立する方々の多くは、県連などで仕事に携わっていたという方も多いので、そういう意味では準備もスムースにいけるのではないかと思っていますので、党本部としてもできる限りのバックアップをしていきたいと思っています。
 私も、選挙期間に入りましたら、特にやはり女性候補のところを中心に応援には行きたいと思っています。特に、先ほどの話の繰り返しになりますが、今の社会状況、円安・物価高、こういった状況からすると、生活者の皆さんから特に今の政治に対しての思いを投票していただきたい。こういう思いが非常に強いので、そのために私としても地域に行って訴えて支援をお願いしていきたいと思っています。

○防衛費に関する議論について

【共同通信・久納記者】
 防衛費に関して伺いたい。自民党の高市政調会長は12日のフジテレビ番組で、防衛費に関して、積み上げれば10兆円程度が必要になるとの認識を示した。この発言についての受け止めと、財源に国債を充てるという考えも示したが、この考え方についてどうお考えか。

【幹事長】
 積み上げれば10兆円になるという、その積み上げの中身を明確にしてもらう必要があると思っています。しかも、それは巨額の国費、国債で賄うということであれば、そのことも含めて国民の皆さんに説明して納得してもらう必要があると思います。
 10兆円と言うのですが、例えばその中に、この間も度々話題になってきたトイレットペーパーのお金が入っているのかとか、そういったことはやはり一つ一つ確認をしていかなければいけないと思っています。
 我が党としては、サイバーですとか電磁波、こういった新しい領域を含めて、着実に整備すべきところは整備しなければいけないという考え方ではありますが、他方で、岸田総理は子育てとか教育でも予算を増やすというふうに言っておられますね。社会保障費、黙っていたってもう毎年1兆円ずつ増加していっている中です。そういう国政上の重要な分野がほかにもある中で、具体的にその必要なものというのはこれなんですというふうな説明をやはりしていただいて、納得を得る、その必要はあると思います。

【共同通信・久納記者】
 防衛費の議論で、GDP比2%とか10兆円とか、数字が先行するような議論が続いているような印象だが、このことについてはどうお考えか。

【幹事長】
 この分野は数字ありきであってはいけないと私は思います。今でも既に、日本は防衛費そのものでいえば、「SIPRI」とか「ミリタリーバランス」とかいろいろ国際的なデータブックがありますが、世界的にいえば8位とか9位とか、そのくらいなわけですよね。それを2%にするということになれば、これは相当な額ということになります。その、言ってみれば数字ありきというのは、私は反対です。

○参院選に向けた取組について(4)

【福島民報・佐藤記者】
 参院選の1人区について伺いたい。福島選挙区のように立憲民主党主導で野党一本化が成立しているところと、全国では野党が競合しているところがあるが、今回の参院選で、野党共闘についての考え方というか進め方というか、幹事長のお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 32ある1人区、ここは与党のほうが候補者を一本化していますので、野党がばらばらであっては戦えないという考えです。ですので、候補者調整を行って、できるだけ与野党で1対1対峙できる形にできる選挙区をつくっていきたいと考えて、この間、候補者調整に取り組んでまいりました。地域事情等もいろいろございまして、残念ながら1対1にならなかったところもありますが、しかし、その中で、やはり我が党が最大限とにかく戦って1議席でも獲得すべく頑張っていくということが必要だと思っています。
 この32の1人区、本当にここが勝負の分かれ目になってくるかなというふうに、大変重く受けとめております。