参院本会議で6月15日、杉尾秀哉参院議員が登壇し、令和2年度(=2020年度)の「歳入・歳出決算4案」と、「国有財産増減、及び現在額・総計算書」に反対、「国有財産無償貸付状況・総計算書」と、内閣に対する「警告決議」に賛成の立場から討論しました。

 杉尾議員は、2020年度の決算は、歳入184.5兆円、歳出147.5兆円、翌年度繰越額30.7兆円、不用額3.8兆円と、いずれも過去最大、決算のプライマリーバランスは80.4兆円の赤字、国及び地方の長期債務残高は1165.7兆円となり、対GDP比で200%台に達したと指摘し、「にもかかわらず、野放図に繰り返される予算の無駄使いに、改めて強烈な危機感を表明する」と批判しました。

 反対理由として、中小企業庁による持続化給付金事業をあげ、「サービスデザイン推進協議会」からの再委託費率が99.8%となり、その結果、必要な所に必要な給付が迅速に行われない上に、不正受給による自主返還額は166億円。巨額詐欺事件に、経済産業省のキャリア官僚や、税の知識を悪用した東京国税局職員まで加担していた事実が判明するに至ったと批判しました。「アベノマスク」やCOCOAアプリについても言及しました。

 2020年度・21年度合わせた14兆6500億円もの巨額のコロナ予備費の使用についても、「戦略的な政府広報」や、「子供の居場所づくり」等不測の事態に対処する目的で使用されるべき予備費に相応しいとは思えないと批判しました。

 さらに、「地方創生臨時交付金でシャンパンタワーや、公用車購入」「予備費のうち11兆円が使途不明金になっている」という指摘を踏まえ、予備費等の予算の執行状況にかかる情報開示の在り方や、透明性の向上は、もはや待ったなしの課題と述べました。

 議会を軽視した予算編成と執行の在り方を、議会人として許していいのかと強く訴えました。