【プロフィール】
もてき邦夫(もてき・くにお)参院選公認候補予定者(香川県)
生年月日:1986年9月25日
出身 群馬県安中市松井田町
経歴等 土庄町議、株式会社sonraku
学歴 高崎高校、京都大学法学部卒業
家族:妻、子ども2人(3歳、1歳)
ウェブサイト:https://mote-ki.theblog.me/
Twitter: https://twitter.com/motekikunio
Facebook: https://www.facebook.com/moteki9nio/
Instagram:https://www.instagram.com/moteki.kunio/

 「世のため人のためになるならば、アフリカでもどこでも行ってこい。群馬には戻って来なくていい」。そう父親に言われてきた、もてき邦夫候補予定者は、京都大学を出たのち大阪で就職し、月400時間のハードワークを経て石川県にある廃業予定の温泉旅館をV字回復させることに成功しました。そののち岡山、佐賀で地域を活性化するゲストハウス経営を学び、香川県の小豆島の隣にある豊島(てしま)でゲストハウス運営責任者の求人を見つけ移住しました。故郷から遠く離れた豊島に行き着き、家族を持ったもてきさんが、なぜ政治に関わることになったのか、これからどのようなことに取り組んでいくのか話を聞きました。

――町議になったきっかけを教えてください。
 父は、電気屋さんと町議会議員の二足のわらじを履いていました。私が子どもの時から町議をやっていて、大学生の時に落選し、良くも悪くも政治は身近。落選を見て、選挙に対する良いイメージはなく、あまり関わらない方が良いなと思っていました。ゲストハウスは、商売の面よりも地域を活性化し魅力を伝えるハブとなる面があります。ホテルだと食事やレジャーがそこだけで完結してしまいますが、ゲストハウスは宿に泊まってもらったうえで、食事は外で食べてもらい、外で観光をして街全体を楽しんでもらいます。人口760人ほどの地域の子どもの数が減り、活気がなくなり、耕作放棄地が増え、空き家が増え、どんどん衰退していくのを見ている中で、宿の経営=街づくりに関わり、地域を良くする、町全体を変えるには自分たちが頑張らないといけないと感じるようになり、その時に、前の土庄町議が引退するにあたり後継者がいないという話を聞きました。他の先輩方は「仕事も家族もある」と誰も出たがらず、特に人口の少ない地域で議員になるには親戚が多くないと難しい面がありました。当選するのに650から700票は必要ですが、豊島の有権者約500人の中、地元の人に応援してもらい、さらにSNSを使って隣の小豆島の子育て世代や若者にアプローチできれば当選ラインに乗れるかもしれないと考え、手をあげました。結果は、788票を得て13人中4番目で当選しました。

――町議になり難しかったことは何ですか。
 町議として他の自治体の好事例をさまざま調べて提案したのですが、行政の方がそのことを知らなかったり、与党議員が12人中9人いて、野党議員が言うことは黙殺される。是々非々ではなく即否決が慣例化していました。予算案も職員は与党議員には説明するけれど、野党議員にはない。他の自治体議員の話を聞くとそこまで露骨ではないと聞きます。当時の町長にたてつくと懲罰的な人事異動があり、町長が自己破産して税金を踏み倒しても議員はそれを追及しない。そうした状況の中で昨年12月24日に町長選挙があり、前町長含め保守4分裂となりました。私はその4人のどなたにも投票したくないと思い、そう考えている方々の受け皿をつくらないといけないという使命感のもと立候補しました。結果は、保守新人が約3800票、前町長が約1900票、私が1400票ほどで3番目でした。前町長は今年2月に官製談合で逮捕され6月に懲役2年執行猶予4年と有罪が確定しました。

――そこからなぜ参院の総支部長になったのでしょうか。
 小川さん(小川淳也政務調査会長)から電話をいただきました。1週間くらい家族と相談して考えて決断しました。町議選や町長選ほど迷いや反対はなかったです。
 
――ご自身の強みを教えてください。
 街づくりやマネジメントの部分でしょうか。インターネットを使って最新の情報を他の議員の先輩より多く集めやすい環境で政策提案させていただきました。子育て真っ最中なので、子育て世代に寄り添った目線で話ができます。60、70代の議員では若い世代や子育て世代の気持ちは分かりにくいと思いますし、話しやすさも全然違うと思います。

――取り組みたい政策課題は何ですか。
 一番は、子育てと教育無償化です。他の政党もようやく言うようになりましたが、これが今の日本の一番の課題です。出生数81万人で少子化に歯止めがかからない。20年前から分かっていたのに放置されてきました。特に私みたいに760人の島にいたら、人ひとりがいなくなるインパクトがすごく大きいです。一人あたりの1年間の消費は300万円と言われていますが、その消費がなくなっていく。子どもを大切にする社会を今一度作らないといけません。しかし、子育てにかかるお金はすごく高い。子ども一人大人に育てるのに1千万円かかるとなると、やっぱり2人、3人、4人と産みたくても産めない状況があります。「子育て世代だけ優遇するな」という話はあると思いますが、そこを増やせなかったら支える世代がいなくなってしまう。それこそ760人の島で400人近く高齢者がいますが、小学生20人、中学生10人とかになったら、ある段階において学校の統廃合をして、船で通学しないといけないとか、高齢者の福祉施設を維持するのが難しくなった時に学校がなくなった段階でその保護者と子ども世代が一気にいなくなる。今までの人口減少が緩やかだったのが、ガクンと下がるタイミングが来る。日本全国これから人口が減ってくると、廃村であったり公共施設を維持できない地域がどんどん出てくる。それでもインフラを維持するのか、1人とか2人しかいない地域に学校をずっと維持できるのか。そうした状況を理解いただくための努力がいま大事です。

――香川県で紹介したいものをお願いします。
 豊島はコメも野菜も果物も何でも育つ場所で、離島にしては珍しく水の多い島です。口に入るものが、だいたい島の誰かが作ってくれたもので完結するのは、すごい魅力です。オリーブオイルもすごく使いやすく、友人が無農薬で作ったものを使えたり、農薬を使っても安全な果物もあるし、若い人たちが連携して作っていて面白いです。香川はうどんがおいしいので有名ですが、島ではうどんよりもソーメンです。つゆをつけて食べる以外にもタイカレー風や担々麺風のアレンジもおいしいです。

――最後に一言お願いします。
 いま35歳で、自分を守ることを考えたら、国政に向けた活動をしない方がたぶん楽だと思います。でも、今の政治、社会があれだけ危険な方向に行こうとしている時に、どこかでみんなで食い止めないといけないと強く感じます。安全保障も大事です。しかし、それを優先しすぎるあまり、人々の安心な生活や暮らしがどうしてもないがしろにされてしまう。防衛費を倍増するお金があるならばもっとできることがあります。私自身が自覚ある有権者として与党の言いなりにはなりたくない、社会をもっと良くする良心の受け皿になりたいと覚悟してやっています。若い人や子育てをスタートして、今の政治に危機感を全く持っていない方々を自分自身の言葉で語り変えていきたいです。共鳴してくれる方は、ぜひより良い社会を一緒に作っていきましょう。