【コメント】ジェンダー・ギャップ指数2022の公表にあたり

ジェンダー平等推進本部長 徳永エリ

 世界経済フォーラム(WEF)は、本日、ジェンダー平等の度合いを示す「ジェンダー・ギャップ指数2022」を公表しました。日本の順位は146カ国中116位で、昨年3月の120位(156カ国中)より数字の上ではわずかに上昇しましたが、主要先進国では引き続き最下位となっています。

 WEFが指標とする「経済」「教育」「医療へのアクセス」「政治参加」の4分野のうち、わが国が特に立ち遅れているのは政治と経済の分野です。
 政治分野では、昨年の衆議院選挙の結果、女性比率がそれまでの9.9%から9.7%に後退するなど全体で139位(昨年147位)と低迷、経済分野も収入における男女格差が100位、管理職についている男女差で130位など、全体で121位(昨年117位)となっています。日本のジェンダー・ギャップの大きさは、長引くコロナ禍により多くの非正規労働女性が職を失ったこと、女性の家事・育児・介護の負担やDV被害が増大するなどのかたちで、より一層深刻になっています。

 日本政府は、「2020年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」との目標を掲げてきましたが、目標時期を「2020年代の可能な限り早期」に先送りしてしまいました。2018年、「候補者男女均等法」が制定されましたが理念法にとどまっており、クオータ制の導入には至っていません。「選択的夫婦別姓制度」についても野党提出の法案を与党は審議すらしようとしないのが現実です。

 こうした中で、光明も見えてきています。先の参議院通常選挙においては全体の女性候補者比率が33%、当選者比率は28%と過去最高になりました。立憲民主党は選挙前に「女性候補者比率50%」の目標を掲げ、公認の女性候補者比率51%、当選者比率53%と、国政におけるジェンダー平等推進をリードしてきました。秋以降の臨時国会でも、立憲民主党はクオータ制や選択的夫婦別姓法案をはじめとするジェンダー平等推進のための制度導入の議論をリードしていきます。

 男女格差を是正し、女性の経済的・社会的地位の向上を実現するために、すべての党において、ジェンダー・ギャップの改善を具体的に進めていくことを強く望みます。
 まずは来年のジェンダー・ギャップ指数ランキングで躍進し、さらに20-30年後には、「女性政治家」という言葉を知らないで済む世代が育っていることをめざして。