衆院厚生労働委員会は8月19日に閉会中審査を行い、立憲民主党の3番手として阿部知子議員が質疑をしました。阿部議員は、新型コロナウイルス対策について、「ワクチン接種に前のめりになるのではなく、診療体制の充実をぜひお願いしたい」と求めました。


 阿部議員は、生育医療センターが新型コロナウイルスのオミクロン株とデルタ株の患者の状況を比較分析したデータを紹介。2歳から6歳の患者は、オミクロン株の方が38度以上の発熱が発生する率が高く、けいれんが増えていると指摘しました。加えてこの年齢層がワクチン接種対象者ではないことに触れ、「子どもの発熱に対処する体制を本当は第一にしっかりしてほしい」と強調しました。

 また、子どもの高熱とひきつけの原因が、新型コロナウイルス、インフルエンザ、RSウイルスまたは熱中症であると述べ、RSウイルスの検査についてゼロ歳児は保険適用となるが、1歳以上は保険適用とならず検査したくてもできないことを問題視。インフルエンザと新型コロナウイルスを同時に検査できる抗原キットにRSウイルスも加えることについての現在の状況を質問しました。加藤厚労大臣は「企業で供給に向けた準備をしている。厚労省は9月1日の保険適用に向けて準備を進めたい」と答弁しました。
 さらに阿部議員は、イスラエルで新型コロナウイルスワクチンを4回接種した患者のデータを示し、抗体が上がっていないことを指摘。「今、子どもたちにワクチンをしても、感染予防効果も非常に低い。発症予防効果も2カ月も経つと2、3割に落ちる」と述べ、あらためて診療体制を充実させることを強く求めました。