泉健太代表記者会見

2022年10月7日(金)10時49分~11時37分

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/b8vaSqCbxdo


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○野田元首相への追悼演説依頼について

【代表】
 おはようございます。
 今ほど国対委員長からぶら下がりもあったと思いますが、先ほど自民党から野田元総理に対して(国会における安倍元首相の)追悼演説を依頼したいということでありました。まず、これは党にいただいた依頼ということですので、岡田幹事長、安住国対委員長と協議をして、そして、野田元総理に依頼をさせていただこうという結論に至りました。
 これは従来から私は言ってきたことでありますが、ご遺族の意向というのは特別な重みがあるということがまず一つです。ご遺族の意向があるのかどうか、これがまず一つということ。
 そして、自民党の総意であるのかということ。これも当然のことであろうと思います。いろいろと党内で紆余曲折あったものであり、本来であればもう時期的には済んでいる話というところもあったと思いますが、さまざまあってここに至る以上は自民党としてしっかり責任とけじめを持って今回依頼をしてきたものというふうに確認もし、受け止めもいたしましたので、立憲民主党として野田元総理にそのことを伝え、意向を伺ったということになります。
 野田元総理からは、党からの要請・依頼ということであればということで、謹んでお受けいたしますと、そういった答えがあったということをまずお伝えさせていただきたいと思います。

○国会開会(1) 代表質問を終えて

【代表】
 さて、代表質問を、改めて終えさせていただきました。そして、きょうは我が党の石垣議員も質問に立つわけですが、これまでの自民党の(旧)統一教会に対する対応の不十分さ。そして、被害者救済。こういったものについて我々も触れてまいりました。加えて、突如としてでありますが、寺田総務大臣の、どうやら資金的な疑惑が持ち上がってきているということで、このことについても石垣議員の質疑の中で触れさせていただくということになります。
 例えば、私は代表質問の中で、感染症法等改正案について、かつて、それ以前に立憲民主党が出しているものがあるにもかかわらず、それを否決して、同じようなものを政府・与党が出してくる、こういう古い国会をやめなければいけないということを言いましたが、同じようなことを岸田総理はまたやったというふうに思っています。これは国葬のルールを決めるということにおいて、私の質問のときには国会でお決めになることというふうに答弁しただけだったのですが、その次の上川陽子自民党議員の質問のときには、実際に整理をお示しした上で一定のルールを設けることを目指すと、そういう答弁を行ったわけです。これは本来であれば、先に質問している議員がいるわけですから、そこでしっかり答弁すべきことを答弁せずに、細かな与党議員への手柄を、答弁の前進を割り振るというか、こういうことも非常に小さいなと思いますし、これこそまさに古い国会の象徴であるというふうに思います。

○国会開会(2) 日本維新の会と追加2項目を合意

【代表】
 さて、維新とはきのう追加2項目を合意いたしました。
 この追加2項目の合意というのは、この北朝鮮の情勢を踏まえて、外交・安全保障、そして北朝鮮拉致問題の特別委員会、これの連合審査を行うということ。こういうことについて合意ができました。ぜひ、改めてですが、我々として、この合意を生かして、さらに政調同士の協議を進めていきたいと思っております。
 この連合審査については早速自民党から反応があって、やるということで動きがありましたので、まさにこうした野党第1党・第2党が連携して選択肢を示すというか考え方を示すことによって国会が前進していくということは非常によいことであると思っています。

○旧統一教会問題 細田衆院議長の「説明」について

【代表】
 そして、Jアラートのことですとか、日韓電話首脳会談ですとか、いろいろありますが、細田議長の件です。きょう午前ですか、細田議長が追加説明をするということでありますが、形式がやはり特殊でありまして、なぜかご本人の言葉でではなく伝言ゲームをするということで、まず、それで本当に国民が納得をするのかと。議運の委員長と筆頭理事に伝え、それを議運の委員長が(報道陣に)説明するということのようですが、ご本人しか知り得ないことを、どれだけ議運委員長に伝えることができるのか。これが問われていると思います。
 改めて、旧統一教会との接点、これを全て公開すること。当然いつからの接点なのかということもそこには含まれていると信じておりますが、いつからの接点かがわからないのに急にイベントだけ出てくるとか、あるいはメッセージを送ったものについては自民党が非公開だから自分も非公開だとか、そういうことになると接点の端緒がわからないということになるわけです。私たちが常に言っているのは、やはりどういう経緯で接点が生じ、そして、それこそが今後の再発防止につながる、真相究明につながると思っておりますので、その端緒というものをやはり説明していただきたいと。このように思います。
 そして、細田議長の場合は、細田派のトップでしたので、当然、他の議員に対してさまざまに差配をしたり、統一教会との関係について相談に乗ったり、こういうこともあったと思うのですね。そういったことについても公開をちゃんとされるつもりなのかどうかというのも問われると思います。自分自身の関係だけではない立場でしたし、まさに周辺からは、参議院選挙の応援の割りつけ、こういったものについても細田議長が関与していたのではないかと、このようにも言われておりますので、この点についてもやはり必要ではないかと思います。
 いずれにせよ、統一教会が記者会見をした際に、一方的にしゃべって質問を受けつけないなんていうのが当初ありましたが、それと同じようなことをまさか議長がするのではないでしょうねと。一方的に説明をして終わりではなく、やはりやりとりをいずれかの場所でつくっていくということが今後も求められると思います。
 私が議場で、後ろを向いて議長に問うたという話がありました。そういうことも含めて、議長自身も深刻に受け止められて、きょうのこの説明にも至っているのではないかというふうにも思いますし、ぜひしっかり真相を明らかにしていただきたいと、このように思っております。


■質疑

○追悼演説について(1)

【時事通信・木田記者】
 追悼演説の件でお尋ねしたい。当初、甘利幹事長の名前が挙がっており、その際には慣例に従って野党から行うべきだという意見もあったが、最終的に野党の議員である野田さんが行うことになった受け止めをお聞きしたいのと、最初は甘利さんにお願いする予定で、いろいろあって、このタイミングになって野田さんに打診があったということをどう受け止められているかお聞きしたい。

【代表】
 本当にこういうときにご遺族の皆様というのは心理的なご負担も多々あるわけであって、その意味では、やはり国会内のことでもありますので、さまざまな調整を行うのは、党の責任、自民党の責任というのは非常に重たいわけですよね。政府・自民党の責任が重たい。その役割をやはり果たしてこなかったというのが、これまでの経過・経緯だと思います。本来、追悼演説が何度も予定されていた日程が延期されるということも、あり得ない話だと思うのですね。ここまでは、そういった意味で、自民党、政府・与党の考え方なり進め方が二転三転している。これはご遺族の皆様にとってもよろしいことではなかったなと思います。
 ただ、私もここまでの記者会見等々で述べてきたように、やはり追悼演説というのは国会においては大きな一つの慣例になりますので、これはこれまでも一定の慣習を重んじてきたことがありますし、そこには常にご遺族のご意向というものも十分に伺った上で最終的には決めていくものだと考えていますので、そういった意味で、さまざまございましたが、ご遺族のご意向、そして自民党の総意ということが、ようやくでありますが示されましたので、それについて我々としては重く受け止めて対応させていただいたということです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 追加で伺いたい。代表は先日のぶら下がりで、野田元首相への打診についての質問を受けて、自民党が、政権が、延命のために利用するのであればそれは大きな間違いだと指摘された。今回受諾したということで、その懸念は払拭されたのか。理由も含めて教えていただきたい。

【代表】
 そのぶら下がりの前段で私が申し上げたこと。これは報じている社と報じていない社がありますが、ご遺族のご意向というのは重要な意味を持つということを冒頭に私は発言して、それを基本線として、その後の発言として私は今お話しいただいたようなことを言いました。ですから、やはりご遺族のご意向というのは重要な意味を持つと。まず、これが変わらぬ思いであります。
 そして、先ほどもお答えさせていただきましたが、本来であれば、この追悼演説が何度も延期されるということはあり得ない話です。あるいは、取り沙汰されていた、その演説を行う人物が替わるなんていうこともあり得ない。そこはやはり調整力が求められる。官邸なり自民党の調整力が問われる話であります。
 そういう中で、非常に重たい役割ですので、我々も、国葬で批判を浴びたから、それを和らげるために依頼をしてくるというようなことのみであれば、それは当然無礼であるというふうに考えていますので、そういうことでは私は受けられないというふうに考えておりました。しかしながら、改めて自民党からそういった申入れがございましたので、これは重く受け止めて、我々の中で協議させていただいて、受けるに当たったということです。

【朝日新聞・鬼原記者】
 関連で、一点だけ。代表も常々、安倍事務所と教団の関係というのはしっかり党として調査すべきだということもおっしゃっており、自民党の調査、点検の不十分さというのも指摘されている。今回、追悼演説を受けるに当たって、こういった自民党・政権の姿勢の変化がない中で受けられたというのは、そういう進展があってから判断してもよかったのかなと思うところもあるが、その点はいかがか。

【代表】
 追悼演説という国会での一つの節目を、私は、政局と絡めるというのはおかしいと思っています。追悼演説を政治利用すべきではない。これが基本的な考え方ですので、何かを条件にのむとかのまないではない。それは、やはりご遺族のご意向というものは条件にはなり得るけれども、政治的な何か取引ということに使うつもりはないということです。

○旧統一教会問題(1) 細田衆院議長の「説明」について

【東京新聞・我那覇記者】
 細田議長の関係でお尋ねしたい。この後になるが、対外的には本人の口からは語られないようだ。本人がなかなか姿を見せない背景として、理由として、どういうところ、何があるというふうに代表はお考えになるか。

【代表】
 何があるんでしょうね。聞かれてはまずいことがあるのか、明かせないことがあるのかと、やはり予想してしまいますよね。何も問題がないのであれば堂々と応じるべきだと思うのですが、なぜなんでしょうね。ちょっと私もそこはわかりかねるし、不可解です。議長が再三にわたり直接説明をする機会から逃れようとしているというのは不可解。怪しいなと思います。

【東京新聞・我那覇記者】
 関連で、もう一点お尋ねしたい。先日の代表質問で代表は、国会で説明するように求められていたが、改めて今後の対応をお聞きしたいのと、現時点で細田議長が議長の任に値するかどうか、お考えをお聞きしたい。

【代表】
 まず、11時半、どんなものが出てくるのか。そういうところが問われると思います。
 我々もそうですし、おそらく報道機関の皆さんもそうでしょうけれども、出てきたものに対してさまざま疑問が生じるのだと思います。その疑問に対してまた議長がどのようにお答えになられるのかというところで、岸田総理は真摯・謙虚・丁寧というふうにおっしゃいましたが、それが岸田総理だけの姿勢を指すのか、自民党自身の姿勢であるのか。自民党からある意味選ばれているというか議長になられている細田議長として、その真摯・謙虚・丁寧という姿勢を持っているかどうかが、まさにそのペーパーとその後の対応で問われると思います。
 それがなければ、さらに国民からの議長に対する評価というのは厳しいものになってくると思います。そういったものを踏まえて我々も対応していきたいと思います。

【読売新聞・北村記者】
 冒頭でもあったが、代表質問で細田議長に質問を投げかけたことについて、他党からは、ああいった場では不適切だとか、議長への敬意がないといった批判も出ている。それで議運の委員長から注意も受けられたと思うが、他党からのこういった声も含めて受け止めをお願いしたい。

【代表】
 国民の、やはり知りたいこと、聞きたいこと。これを聞くということで、私は、あのときのやりとりをご覧いただいてもわかると思いますが、別に乱暴な言葉で議長に問うたつもりはありませんし、敬意、そして礼を尽くして議長に問うたということであります。それが国民の声、国民の求める疑問であったと思いますから。
 それにやはり議長は、あの場であるかないかというのは議長のご判断。そして、議長自身はもちろんあの場でも議長の発言ということであればそれは不可能ではないことではあったと思いますから、それは議長のご判断として無言を貫かれたということであって、そして、その後、議長がこのようなきょう11時半からペーパーを出すということに至るということであって、やはりそれだけの厳しい世論、こういったものを私としてはしっかり受け止めていただきたかったということです。

○国会審議について(1)

【読売新聞・北村記者】
 別件で、臨時国会について。財務大臣の外遊が入ったことで、来週、通常であれば代表質問の翌週にというところの予算委員会が開かれないということで、開会早々にこうした空白期間がつくられることについて、代表としてはどのように受け止めているか。

【代表】
 これは我々野党も何も考えずに国会開会の要求をしているのではないのですね。やはり国民の経済、そして(新型)コロナの状況、さまざまな社会的状況ですとか外交日程も含めて国会の開会を要求しているわけでして、その意味で、この外交日程というのは以前からわかっていた話にもかかわらず、国会のこの代表質問が始まって翌週には予算委員会というのはもう当然視されている中で、こういう開会日程にしたこと自体が、今の自民党の混乱を象徴しているなと。そう思います。

○追悼演説について(2)

【NHK・矢島記者】
 話題戻って追悼演説だが、紆余曲折あったということだが、野田元総理がやられるということで、実際演説を書くのは野田さんかと思うが、代表としてその追悼演説の場というのがどういうものになったらいいか。その辺りの思いというか受け止めというか、お考えがあればお聞きしたい。

【代表】
 追悼演説というのは、これまでも厳粛な場であると思います。また、国会としての追悼演説でありますので、やはり国会におけるさまざまなやりとりも含めて、おそらく盛り込まれていくのかなというふうには思います。
 ただ、これは私が演説をさせていただくわけではありませんので、あくまでお願いをさせていただいた野田元総理がその中身を決めていかれるということになります。

【フリーランス・横田記者】
 野田元総理の追悼演説だが、旧統一教会の広告塔になって票の差配もしていた元締めのような安倍総理を追悼するということは、韓国教団への日本人の国富流出を容認して、安倍総理をたたえることにならないのか。政治的な利用を避けるとおっしゃったが、結果的に旧統一教会に利用されて、野党までが安倍さんを追悼したと、逆に政治利用される懸念についてはお考えにならなかったのか。

【代表】
 追悼をする。これが全てであります。
 具体的なその追悼演説の中身というのは野田元総理にこれからまたお考えになっていただくことになると思います。
 現職国会議員ということでもございます。そして元総理ということで、その方が亡くなられたということについて追悼するのは、私は当たり前のことであると思っておりますので、その中でどのような文章を書くかというのはまだ決まっているわけではございません。

【フリーランス・横田記者】
 亡くなった理由が、まさに統一教会の高額献金、家庭破壊、韓国教団への高額献金だということは明らかになりつつあるわけで、何でその調査を前提に演説を了承しなかったのか。今からでも遅くないから、追悼演説するのだったらまず調査が先決だと要求されることはないのか。そうしないと立民の支持を失うことになるのではないか。

【代表】
 追悼演説はそういうものではない、ということに尽きます。

○旧統一教会問題(2) 首相の姿勢について

【日本テレビ・江口記者】
 旧統一教会について、きのうの総理答弁について伺いたい。宗教法人法に基づいて宗教法人に報告を求める質問権というのがあると思うが、この質問権を使うかという問いに対して総理は、法令を確認しながら厳正に対応するという回答をされ、明確な姿勢というのが示されなかったと思う。野党ヒアリングでも消費者庁からは後ろ向きな回答がこれまであると思うが、総理のこの姿勢についてどうお考えか。

【代表】
 自民党に特に蔓延している空気感というか、自民党の中の認識が本当に世の中とずれているわけですよね。関係を絶つとさえ言えば、過去は全て言い逃れができる、責任を負わなくていいと、そう思っているのではないかと思うのですね。
 しかし、関係を絶てばよいのかではなく、では、関係を絶つと言ったほどの団体であるということを何をもって具体的に表現していくかというか示していくかということになろうと思います。関係を絶つというふうにまで言わなければいけないほどの団体であれば、過去が調査されて当然のことですし、その調査の結果、必要であれば措置が行われて当然であります。そういったことについて、今、確かに前向きのようには見えないですね。後ろ向きですよね。
 それが今の自民党の、そして政権の空気だと思いますが、これは甘いですよと。やはり被害者が具体的に出ている中で、その被害者の皆さんが再発を恐れていて、これ以上新たな被害者を増やさないでほしいと言っている中で、今の政府・与党の対応は余りに甘い。認識が甘いと。そう思います。

○追悼演説について(3)

【NHK・高橋記者】
 追悼演説の話で何度も申し訳ないが、先ほどの安住国対委員長のぶら下がりの中で、代表から、もう一度ご遺族の意向を確認していただきたいということがあったと。改めて、三者協議の中でも確認されたのはなぜだったのかと、岡田さんや安住さんからはどんな論点でその協議があったのか教えていただきたい。

【代表】
 中身はそうつぶさにということはございませんが、これは私自身も、改めてですが、安住国対委員長に、自民党から申入れがあったという際に、これがご遺族の意向ということであるのかということは当然確認いたしました。そういうことであるという確認が取れましたので、野田元総理に依頼するということに至ったということです。
 強いて言えば、3人で話し合った中で言いますと、やはり、その原稿ですね。この原稿というのは、その演説をする野田元総理が全てを当然情報として持ち得ているわけではないわけです。これはおそらく国葬の際の菅前総理や岸田総理の追悼の辞においても、全て一人で情報を集めてということではおそらくないと思いますので、そういったサポートは我々としてもしていかなければいけないなという話はいたしました。

○旧統一教会問題(3) 細田衆院議長の「説明」について

【「FACTA」・宮嶋記者】
 あの代表の見返り質問は、私は、エッジが立っていて、まさにこれは怒りのある種の表現だなと思ったぐらいだ。要は、三権の長として、高齢でもあるし、セクハラ疑惑もあったし、今回も国会開会前にちゃんと説明しない。こういう人たちに怒りを表現したら何か国会の変なとこから注意されるとか、やはり国会自体が習わしというか慣習というか老人支配というか、実際細田さんの姿を見ていてそう思う人が多いと思う。正直言ってそんな注意されるようなことではないと、私などは逆にそういうふうに思うが。何かこの国会自体が古めかしくて、先生は山本太郎さんとほぼ同世代だが、40代の若い先生方がもうどんどん大統領になっているような世界だが、何か老人支配を感じるが、そこはどうか。

【代表】
 感じますね。感じますよ。古いですよ、本当に古い。
 国民が求めていることに答えを出していく、それは国会全体がということも言えるわけですね。そのときに、一議員それぞれが問われることや、あるいは政府が問われること、当然議長も問われることはあるわけで、国民の本当に多くの皆様が、今、議長に対して疑問を持って、日々あの議場の中心に座っておられるその議長に対して疑問を持っているわけですから、当然お答えになるのが私は当たり前だと思います。
 それは本来であれば、議長ご自身が進んで説明をしていれば、あるいは、せめて他の議員のように、全てではありませんが、説明をしている議員のような説明もしていればよいのですが、それがもう、この代表質問のときに至るまで行われていないわけですよね。自ら機会を放棄し、あの場に至ったということだと私は思います。そして、議長は今も逃れることはできないと。説明責任を逃れることはできないと思います。
 そして、やはり今おっしゃっていただいたように、古い国会というのは随所に現れていると思います。野党の議員立法は審査しないとかですね。そして、聞くべきことを聞けないというものがあるのであれば、それは突破していかなければいけないと思います。

○追悼演説について(4)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 野田元総理の弔辞というのは、実は自民党の議員の側からも、安倍さんのファンの人からも、野田さんに読んでほしいという声をだいぶ前から聞いている。やはり民主党政権で、人物でもあり、これだけのすばらしい演説力があって、国民も野田さんの弔辞を聞いてみたいと思う人は多いと僕は思う。そういう人物がいるというのはやはり立憲にとっては非常にいいことだと思うが、その辺のところをどうお考えになるか伺いたい。

【代表】
 よく、逸話、エピソードとして、我が国がこの議会制度を取り入れるときに、イギリスやドイツやヨーロッパ各国を使節団が訪問して、その中で、議会であれだけ激しく議論・討論をしていた両者が、議会を終えたらパブでお互いにビールを飲んでいる、杯を酌み交わしているという、そういう姿が民主主義なのだということのお話があると思います。
 当然、国会の中で、各党、考え方、基本政策、違うわけですが、そこにおいて激しい論戦を行うこと。そして一方では、全て我が国の国民として、この国をよくしたいと思って、それぞれの党に所属して主張しているということ。その中で、当然人間として必要な価値観、考え方というのは、私はあると思いますので、そういったことを特に野田元総理は兼ね備えておられる方だと思いますし、これはこれとして、人間性を高めるということでは、我々後輩の議員たちも学ばねばならないところ、そういうものもあると思います。

○国会審議について(2)

【時事通信・木田記者】
 臨時国会の関係だが、岸田総理は真摯に謙虚に丁寧にと言っているが、これまでの3日間の岸田さんの答弁ぶりをどう評価されているか。また、先ほどの読売さんの質問とも少し重複してしまうが、会期がなかなか決まらなかったり、財務大臣の外遊日程について政府・与党で情報共有ができていなかったのではないかという指摘もあるが、高木国対委員長を初め自民党国対の対応をどう評価されているか。

【代表】
 まず、真摯に謙虚に丁寧には、真摯に謙虚に丁寧に受け流す、真摯に謙虚に丁寧に押し黙る、そんな感じですよね。自民党からも「語る力」という言葉が出てきているようです。やはり「聞く力」だけで、それもあるのかどうかわかりませんが、「聞く力」だけで「語る力」がないという指摘があり、我々からすれば「語る力」だけでもだめで、「実行する力」。これが今、権力を持っている総理大臣には求められるわけですが、「語る力」と「実行する力」がない。これが今の岸田政権。
 これは国民に対してということもそうなのですが、今や党内に対してもガバナンスが利かなくなっている。山際大臣を放置する。細田議長に対しても特段何も動きはない。自民党が調査をしていないということもそうです。そして、高木国対委員長との連携不足。党内に対しても「語る力」や「行動する力」が落ちているがゆえに、今のさまざまな混乱が生じていると思います。

【時事通信・木田記者】
 高木国対委員長ら自民党国対の運営についてはどうお考えか。

【代表】
 今お話ししたように、岸田総理の「語る力」「行動する力」が弱いがゆえに、高木国対にも明確な指示が伝わらずに、そして、与野党交渉が滞り、今に至っているのではないかと思います。

○防衛力整備に関する議論について

【共同通信・久能記者】
 安保関連で伺いたい。北朝鮮の相次ぐミサイル発射を受け、自民党や公明党からは「反撃能力」を含む防衛力強化の議論が盛んになっている。現状の受け止めと、改めて「反撃能力」保有の是非について代表の考え方をお願いしたい。

【代表】
 これはまさに私の代表質問で触れさせていただいた論点です。「反撃能力」という、例えば紙一枚にイラストで書いたものというのは何かしらつくることはできると思いますよ。ただ、それを実際に防衛力として整備するということを、どこまで具体的に自民党や政府が考えてお話しになられているのかと。概念で済む話ではないということですよね。
 ですから、あのとき申し上げたのは、まず、相手の拠点を正確に叩くだけの当然ミサイルなりがなければいけないということ。また、その相手の拠点を正確に把握するための情報衛星通信システムがなければいけないということ。そして、仮に、叩けば、反撃すれば全て相手を沈黙させられるということには限りませんので、相手からの反撃に備えた防衛能力。これらを全て我々は備えねばならないというのが、このいわゆる敵基地攻撃能力、「反撃能力」だということだとしたときに、では、自民党の中で誰が、その総額は幾らだと、その整備に何年かかるという具体的な発言をしているのかと。聞いたことがないですね。聞いたことがない。
 ですから、「反撃能力」と言うのならば、文書に書くだけではなく、具体化をして国民に説明をしなければ、本当に絵空事になってしまう。そして、絵空事に巨額の防衛費を使うということになれば、それ以外の防衛力にひずみが生じる。もしかすると穴が生じてしまう可能性もあると思います。そして、例えば自衛隊員が相変わらず待遇が悪化するかもしれない。そういうことも含めたバランスが問われていると思いますので、いつまでも「反撃能力」という言葉でごまかさずに、そういったことを主張するのであれば具体的に国民に示すべきだということを訴えたいと思います。

【共同通信・久能記者】
 もう一点。岸田首相はきのうの代表質問で、年末に予定する安保3文書改定の閣議決定前に与野党党首間での議論を行う考えがあるという認識を示された。この首相の意向への評価と、実際にそういう場が設けられた場合には代表として参加されるか。お考えをお願いしたい。

【代表】
 まだ実際に問いかけを受けたわけでもありませんし、どんな形のものにするのかというのはわかりませんので、わかってからということになりますが、気をつけねばいけないのは、これもやったふりになってはいけないということですね。私たちは国民のための開かれた場である国会というものを多額のお金をかけて運営しているわけですから、議事録に残らない形ですとか、あるいは、実際の論点がやりとりがない形で、与野党党首のみで一度話をしたからそれでおしまいということだとすれば、それは国民にとっては全然わからない、明らかにならない話ですから、やはり基本は国会で議論をしていただくと。
 その国会で議論をするに当たって、総理が重要なことであるから各党党首に説明したいということであれば、それは一つの説明の機会として私は受ける用意というのはありますが、それで済むものではないということですね。

○首相長男の政務担当秘書官への起用について

【読売新聞・北村記者】
 岸田総理が、ご自身の長男を秘書官に起用されたということについて、批判も一部であるが、代表として懸念されているところがあればお願いしたい。

【代表】
 適材適所と言ったときに、今の官邸にご長男の能力がなければ官邸が回らないのかということですよね。おそらく、そう判断したからご長男を入れたということであれば、岸田総理、相当お疲れなんだろうなと。精神安定剤が、今、必要な状況としての、精神安定としての長男の官邸入りということではないのかなというふうに思います。具体的に外交や経済や少子化対策において何か力を発揮されるのか、具体的政策で役割が与えられているのか、そこはまだよくわかりませんので、その具体的役割というのはぜひ聞いてみたいなと思います。

○臨時国会における日本維新の会との共闘について

【北海道新聞・木村記者】
 日本維新の会との合意事項について2点伺いたい。きのう、両党の国対委員長の会談後、維新の遠藤委員長がぶら下がりに応じ、安住さんに対して共闘という言葉はやめようと申し上げた、共闘ではなく合意だという趣旨を述べられた。当初、臨時国会において6項目について共闘して、それにきのう2項目を新たに加えた形だと思うが、両党でちょっと見解の相違があるのかなと思う。こういった維新側の反応を踏まえて、共闘であるのかないのか、お考えをお願いしたいのが1点目。
 2点目として、馬場代表から、本会議での代表質問で、ちょっと定かではないが、立憲を念頭に置いたようにも感じる、他党との選挙協力を否定するような発言があった。今国会での連携が今後の選挙協力に発展する期待などを泉代表がお持ちであるか、お考えをあわせてお願いしたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 まず、共闘という言葉。これは既に国会冒頭で、6項目において、これは皆さんもわかっておられると思いますが、この臨時国会において国会内における共闘を行うということです。それ以上でもそれ以下でもないということは従来から変わっていませんので、それで6項目になったと。
 今回の追加2項目が、もう一回そのペーパーに共闘と書くか書かないか。私は、立憲民主党の側からそこに共闘という言葉を入れるんだという話を求めたとかいうのは聞いたことがないです。ですから、別にそのペーパー2項目に共闘という言葉をもう一回入れなければいけないという認識に私はありません。自然体として、6項目の共闘項目があって、加えて2項目が今回合意に至ったということであって、何かその言葉で争っていたかどうかということは私は感じていないです。
 それが一つと、他党との選挙協力。これは前回の記者会見でもお話ししましたが、そんなに元々私たちも、国会で協力をするということを書いた文書ですので、それ以上でもそれ以下でもないということ。
 一方で、その文書とは関係なく、私が代表質問で述べたのは、野党各党、良識ある政治家と協力・連携をして、今の政権がこれだけのていたらくですから、国民のために新しい政治を生み出していかなければいけないと。この考え方にいますので、そのために立憲民主党が礎となりたいと、そのように思っています。あらゆる勢力の皆さんと、政策的に一致が進んでいけば、それであれば共に政権を取ろうということに至る局面があれば、それは立憲民主党として礎となって、そういった枠組みづくりには力を入れていきたいと思います。

○国会審議について(3)

【フリーランス・小山記者】
 予算委員会はまだ先ということだが、このタイミングで今国会での取組について3点お伺いいしたい。一つ目が、党の公約には書かれていないが、経済対策、国民の生活の負担軽減において、国民健康保険の徴収額が大変高額であることにフォーカスする可能性はあるか。現在、年収の10%取られるということになっている。二つ目は、災害地域や農業の人手不足に、与党の、自民党のお得意の雇用の流動化を役立てていないことを私は不思議に思っているが、被災地に自衛隊または臨時作業員を向かわせるという発想は国会の中で出てきていないか。3点目だが、サンフランシスコ講和条約の3日後に国民を飢えさせないために制定された法律、種子法が、必要な審議もなく廃止されたことについての違憲確認訴訟、本日が最終弁論の日で、12月7日に結審が予定されている。まさに国葬の件と同じように、審議の軽視、農水委員会での有識者審議がなされなかったということ、この与党側の国民・国会に対する態度がこのようになれ合いになっていることについてどう思われるか伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 全てにお答えしたいところなのですが、私、森羅万象を今ここに用意しているわけではございませんので、また、間違えた発言をしてはいけませんので、また改めてこういったことについてはご回答させていただきたいと思います。

○旧統一教会問題(4) 被害者救済について

【フリーランス・横田記者】
 旧統一教会の被害を受けて、岸田総理が消費者契約の見直し検討を表明して、河野大臣に加速するように指示したと述べられているが、この期限について岸田総理は言っていないことについてどうお考えか。普通だったら臨時国会で何としても成立させるという決意表明が伴っていないとおかしいと思うが、その点はいかがか。もう一点、韓国視察に行くかどうか。韓国での直接献金が増えているということと、韓国教団本部からの返金がないと被害者救済にとても間に合わないとか、日本人妻が加害者責任を負って向こうに行っているということなので、その2点をお願いしたい。

【代表】
 おっしゃるとおり、今国会でというように、やはり政府の考え方、総理の考え方というのは示すべきだと思います。それが一つです。
 そして、視察に行くか行かないかというのは、これは党の(旧統一教会被害対策)本部のほうで考えることだと思いますので、そこの本部の状況を見ていきたいと思います。