立憲民主党は10月21日、「国民本位の新たな感染症対策を樹立するための感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び予防接種法の一部を改正する法律案」(国民本位の新たな感染症対策樹立法案)及び「新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の指定及び使用に関する特別措置法案」(日本版EUA法案)を、日本維新の会及び社会民主党と共同で衆議院に提出しました。立憲民主党からは、早稲田ゆき衆院議員・ネクスト厚生労働大臣、中島克仁衆院議員、野間健衆院議員が衆院事務総長への法案提出及び提出後の記者会見に参加しました。本法案は、西村智奈美代表代行、大西健介衆院議員・政務調査会長代理、吉田統彦衆院議員も提出者となっています。

 「国民本位の新たな感染症対策樹立法案」は、現下のコロナ禍や新たな感染症が発生した場合に、国民に偏見や誤解をできるだけ生じさせず、社会の分断を招くことのないよう情報を収集・整理・分析・公表し、対策を講ずる必要があること、また、新たな感染症への対策を講ずることは国の責任であると明確にする必要があること、といった課題を背景としています。

 具体的な内容は、感染症法の一部改正として(1)厚労大臣が後遺症に関する情報の収集・整理・分析・積極的な公表を行い、後遺症患者が科学的知見に基づく適切な医療を受けるために必要な措置を講ずること、(2)新型インフルエンザ等感染症等に係る医療提供体制を迅速かつ適確に構築する措置を講ずる医療機関に対して、措置実施による支出増・収入減を保険者等に負担させず政府が責任をもって補塡するため、必要な法制上及び財政上の措置を講ずることを定めるというものです。また、予防接種法の一部改正としては、厚労大臣が新型コロナワクチン接種についての有効性、安全性、副反応に関する情報を収集・整理・分析・積極的に公表することを定めています。

 さらに、国が速やかに、新型コロナに関する状況の変化を勘案し、新型コロナの新型インフルエンザ等感染症への位置付けの在り方について、他の感染症類型との比較等の観点から検討を加え、必要な見直しを行うこととしています。

 「日本版EUA法案」は、現行の薬事承認制度及び緊急承認制度の不足部分を補うことを目的としています。具体的には、(1)新型インフルエンザ等(新型コロナウイルス感染症を含む)の治療のため、一定の要件の下、使用価値を有すると認められる医薬品を指定し、医療保険の保険給付、副作用救済給付の対象とする制度の導入、(2)感染症に係る医薬品の生産体制の整備及び研究開発の推進に対する財政上の措置、(3)使用価値を有する医薬品について、厚労大臣が特に必要と認める場合に、学会の意見を参考にして、必要な条件及び期限を付して使用を認める制度の整備についての検討条項を定めています。

 法案提出後の記者会見で筆頭提出者である早稲田ネクスト厚生労働大臣は、「私たちは通常国会で感染症法の対案を出しています。これについての内容が閣法に盛り込まれている部分もありますが、施行時期が遅すぎます。第7波の教訓を活かせる体制を整えていかなければならないのに2年後ということで非常に遅くなっています」と今国会にようやく提出された政府案の問題点を指摘しました。その上で、迅速確実に医療につながる体制の構築、ワクチンの副反応等について国民に分かり易い形での情報公開、感染症法においては人権を制約するような場面も出てくるため、その時々の感染症の状況に基づいて国民生活への悪影響を防ぐために柔軟に感染症の類型を見直すことなどを法案に盛り込んだことを説明しました。

◆「国民本位の新たな感染症対策樹立法案」(通称)

【感染症法】概要.pdf

【感染症法】要綱.pdf

【感染症法】法案.pdf

【感染症法】新旧対照表.pdf

◆「日本版EUA法案」(通称)

【日本版EUA】要綱.pdf

【日本版EUA】法案.pdf

【日本版EUA説明資料】薬事承認手続の課題(ポンチ絵).pdf