衆院本会議で11月8日、「FATF勧告対応法案(正式名称:国際的な不正資金等の移動等に対処するための国際連合安全保障理事会決議第千二百六十七号等を踏まえ我が国が実施する国際テロリストの財産の凍結等に関する特別措置法等の一部を改正する法律案)」について会派を代表して、中谷一馬衆院議員が質問しました。

 中谷議員は、日本が、世界的にマネーロンダリングに甘い国という烙印を押されることは、デメリットが多いと指摘し、「社会的法益の保護に必要な施策を講じることは急務」と強調しました。

 組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法に基づくマネロン事犯の検挙件数が令和2年は600件、令和3年は632件と過去最高を更新したことについて、国家公安委員長に見解を問いました。谷国務大臣は「関係省庁が緊密に連携し精力的に強化に取り組んでいる」と述べました。

 次に、第4次対日相互審査報告書への対応について、中谷議員は、「第5次審査では、通常フォローアップ国を目指すという考えを持っているか」を確認しました。谷大臣は「相応の評価が得られると期待している。今後も取り組んでいく」と述べました。

 また、報告書においては、40の勧告の中で唯一、NPOのテロ資金供与への悪用防止を求める事項が「不履行(NC)」とされたことを指摘したところ、谷大臣は、NPOの悪用防止策について「改善する」と述べました。

 北朝鮮のミサイル発射に関連して中谷議員は、「北朝鮮による脅威を取り除くためには、経済制裁や法執行機関による措置の実効性確保を図ることが必要」と指摘し、政府の具体策を問いました。谷大臣は、「資産凍結の実効性の確保等、また暗号資産取引の追跡可能を高めるために、移転に関わる通知義務を課す等により抑止等に努めていく」と述べました。

 Jアラートについて、改善が不可欠と中谷議員は指摘し、政府の見解を問いました。松野官房長官は、「アラートの運用、送信時間を早めるなどさまざまな課題がある。改善策を検討中。速やかに検討を進めていく」と答弁しました