衆院本会議で11月21日、財政演説及び大臣更迭に関する代表質問が行われ、立憲民主党・無所属から吉田はるみ議員が登壇し、(1)寺田総務大臣・葉梨大臣の辞任、(2)政府提出の令和4年度第2次補正予算、(3)旧統一教会問題――等について取り上げました。
(1)寺田総務大臣、葉梨大臣の辞任について
吉田議員は、寺田総務大臣の度重なる政治資金規正法違反、公職選挙法違反、脱税疑惑など違法行為が連続し、担当大臣である寺田大臣が取り繕う答弁をするたびに運用が歪められたことに、「これで統一地方選挙の違法行為を取り締まれるの」かと指摘し、寺田大臣の更迭が「遅すぎ」だと批判しました。
葉梨大臣についても、更迭の決断が遅れ審議時間が無駄になった責任を岸田総理に問いました。
岸田総理は「国会中の辞任は遺憾、任命責任を重く考えている」と述べました。
(2)政府提出の令和4年度第2次補正予算について
吉田議員は、「遅すぎる上に、巨額予備費と基金だらけの『見せかけ予算』」だと批判しました。
吉田議員は、「報道によれば、今回、基金は少なくとも38事業、合計8兆5000億円程度、実に補正予算全体の約3割にも及ぶ」と指摘し、基金は一度作られると国の監視の目が届きにくく、無駄遣いが増える恐れがあるとの懸念を表明しました。
岸田総理は、「補正予算において計上された基金事業は、経済対策の政策課題を迅速かつ効率的に実施する上で必要になるものを判断した」と答弁しました。
吉田議員は、予備費について、「国会審議なしで支出できるいわば白紙委任のポケットマネーを政府に与えるようなもの」「今年度予算全体では10兆円を超え」「極めて異常な規模だ」と批判しました。
岸田総理は「足元の経済対策に機動的に対応し、持続可能性の信任が失われないように取り組む」と述べました。
(3)旧統一教会問題について
吉田議員は、立憲民主党が安倍元総理の銃撃事件後、すぐに旧統一教会被害対策本部を立ち上げ、被害者のヒアリングなど、調査・会議を重ね、その結晶として、10月17日に日本維新の会と共同で「悪質献金被害救済法案」を提出した経緯を説明ました。
先週金曜日18日に概要を公表した政府案ついて、「骨抜き法案になっていないか」と指摘し、マインドコントロール下での寄付が取り消し対象か、取り消し権の行使期間20年にすべきではないか等、政府案をただしました。岸田総理は政府案を説明するにとどまりました。
約7000人と推定される旧統一教会信者の日本人妻について、吉田議員は、「被害実態を調査し、メールやLINEなどで無料相談や帰国費用を負担する帰国支援をすべきだ」と政府に求めました。
岸田総理は、相談に応じて支援している、自ら帰国費用を負担できない人には貸付を行っている等、政府の取り組みを説明しました。
吉田議員は、組織的に奨励しているとされる養子縁組について岸田総理に見解をただしたのに対して岸田総理は、法律違反になり得ると指摘し、厚労省において、旧統一教会の事実関係の確認を行っていると述べました。
さらに、吉田議員は「質問権」の質問項目の中に、この違法の疑いがある養子縁組の実態解明も入れるべきだと求めました。岸田総理は、「効果的な権限行使の妨げるになるため、コメントを控える」と述べました。
最後に、吉田議員は、「旧統一教会の最大の被害者、犠牲者は、子どもたちです。女性たちです。社会的に弱い立場にある方々なのです。そのことを決して忘れないでください」と締めくくりました。