岡田克也幹事長は11月29日、常任幹事会後に定例記者会見を開き(1)防衛費2027年度に国内総生産(GDP)2%に増額(2)廃止原発立て替えなどの経済産業省計画案(3)東京五輪テスト大会をめぐる入札談合事件――等について発言しました。
岡田幹事長は冒頭、岸田総理が28日、総合的な防衛費を2027年度にGDPの2%程度に増額するよう鈴木俊一財務相と浜田靖一防衛相に指示、27年度に向けて歳出・歳入両面での財源確保を年末に決定する方針を示したとの報道を受け、「総理は今まで2%という数字は、総選挙の期間もその後も発言されていなかったと思う。むしろ規模ありきではなく中身だと言われていたと思うが、突然数字ありきになったのは非常に唐突感がある」と指摘。あわせて年末までに財源も同時決着という方針について、「税あるいは歳出削減になると思うが、どの税をどれだけ上げるのか、あるいはどこをどこまで削るのかまで含めたきちんとしたものが出てくるのかどうか。しっかりしたものが出てくるのか疑問が募るところ」だと述べました。「基本は、今の安全保障環境を鑑みて防衛費を増やさざるを得ないと判断するならば、何をどのくらい増やさざるを得ないのかを明確にし、そのための財源をしっかり示すこと」だと強調。できれば国会開会中に明らかにしてもらい、国会でもしっかり議論できるようにしてもらいたいと求めました。
岡田幹事長は次に、経産省が28日、次世代型の原子炉の開発を廃炉となる原発の建て替えを念頭に進めることや、最長60年と定められている運転期間から、審査などによる停止期間を除外するなどとした行動計画の案を示したことに言及。「廃炉原発について建て替えを行うということは新しいものを作るということ。そうすると、最終処分場の問題についてどういう方向性をもってめどをつけるのか。それがないままに新しい原発を作っていくことになると、少なくとも立憲民主党の考えとは違うと明確に申し上げておきたい」と述べました。あわせて、原発のリスクの問題や、採算性の問題にも触れ、「大震災を踏まえて一緒に作った全体のルールを変えるのであれば、しっかりとした議論が必要だ」と指摘しました。
東京五輪テスト大会に関連する業務の入札をめぐる談合事件については、「今回は特定の人間の話ではなく、組織委員会全体が談合していたという話で、より問題が深刻だと思う。国民の税金でかなりの部分が成り立っているオリンピックで談合して自らの利益をむさぼっていた企業が疑いをかけられている。これから捜査が進むと思うが、なぜそうしたことが起こったのか、組織委員会がどう機能したのか、トップである森(喜朗)さんや橋本(聖子)さんはどう責任をとられるのかもあわせて問われないといけないと思う。東京都、会計検査院も含めて事実の解明に努めてもらいたい」と述べました。
旧統一教会の被害者救済に向けた政府の新たな法案をめぐる協議については、「なかなか先が見えない状況」だと発言。「(被害者救済活動をしてきた)弁護士さんは『作ったけれどほとんど意味がない』と言われていて、それでは作る意味がない。しっかりと残された時間、政府と協議していきたい」と力を込めました。