参院予算委員会で11月30日、令和4年度(2022年度)補正予算の基本的質疑が行われ、塩村あやか議員が質問に立ちました。

 塩村議員は、杉田水脈総務大臣政務官の「男女共同参画基本法は悪法、廃止すべき」といった、これまでにメディアでも指摘され問題視された数々の発言について、現在の考え方をただしました。

 杉田政務官は「当時、異なる政党に所属しており党の代表として閣法に対して質問した際の発言」「現在は、政府の方針通り」とする答弁を繰り返すだけで、塩村議員の「考え方が変わったのか」との質問には答えませんでした。

 塩村議員は、「これが適材適所なのか。これならだれがやっても良いのでは」と岸田総理の任命責任を追及しました。

 また、杉田政務官が過去のニュースサイトへの投稿において「保育施設で洗脳教育」「コミンテルンが日本の家族を崩壊させようとしている」といった見解を示していることに関して、谷国家公安委員長の見解をただし、谷委員長は「コミンテルンの活動については把握していない」と否定しました。

 塩村議員は、「杉田政務官が事実に基づかない陰謀論を垂れ流している。撤回すべきではないか」と追及し、杉田政務官は「保育事業とコミンテルンを結びつけたことは事実が確認できることではない」と撤回しました。

 塩村議員は、現在も閲覧可能となっていることから、ニュースサイトから記事を削除するように求めました。杉田政務官は「今後の対応は検討する」とだけ答えました。

 さらに、杉田政務官が過去にLGBTに関して差別的な表現を用いたことに対して、杉田政務官は「つたない表現によって、関係者を傷つけたことは重く受け止めている」「多様性の尊重は当然」「差別する意図はなかった」などと弁明し、謝罪の言葉を述べませんでした。

 塩村議員は「差別意識がないことを露呈している」と指摘し、あらためて「大臣政務官としての資質を欠く」と批判しました。

 塩村議員はまた、杉田政務官に関して、誹謗中傷や性被害者を追い込む投稿に「いいね」をつけてきたこと、総務省の「No Heart No SNS」取り組みを就任後数カ月たっても承知していなかったこと等を指摘しました。

 さらに、杉田政務官が過去に投稿したヘイトスピーチと受け取れる文言を読み上げ、法務省に見解を問いました。法務省は、「ヘイトスピーチかどうか判断できない」と答弁しました。塩村議員は「杉田政務官がいることで、法務省の判断が曲がってきているのでは」と懸念を表明しました。

 岸田総理は「内閣の方針は、多様性を認め、包摂性のある社会を目指す。これからも変わらない。この方針に従ってもらう。任命される以前の言動は、適切に対応してもらいたい」と述べるにとどまりました。