岸田政権に対し、人権が尊重される社会を実現するための行動を求めます(コメント)
立憲民主党代表代行 西村 智奈美
今月3日、荒井勝喜前首相秘書官が性的マイノリティに関する差別発言を行い、4日に更迭されました。荒井氏の発言は、性的マイノリティの尊厳を著しく傷つけ、社会を分断する差別発言であり断じて許されるものではありません。断固として抗議します。
このような性的マイノリティ等に関し差別的思想を持つ人物が岸田政権において要職に登用されるのは、これが初めてではありません。岸田首相は昨年8月、性的マイノリティ等に対する差別表現について謝罪も撤回もせず長年放置してきた杉田水脈議員を総務大臣政務官に登用しました。杉田氏は差別表現の一部を撤回し辞職しましたが、性的マイノリティ当事者に対する直接の謝罪を拒否し、自らの差別を差別として依然認めていません。
また、岸田文雄首相は6日の政府・与党連絡会議で、荒井勝喜前首相秘書官の性的マイノリティや同性婚を巡る差別発言について、「国民に誤解を生じさせたことは遺憾だ。不快な思いをさせてしまった方々におわびを申し上げる」と述べましたが、これでは「誤解をした国民にも問題がある」とも受け取られかねません。首相にはこれらの発言が真に差別そのものであることを認め、誠実な謝罪を求めるものです。
そもそも、岸田首相自身が、同性婚の法制化への賛否を問われ、「社会が変わってしまう」と発言をしており、岸田首相自身の人権意識が厳しく問われる事態となっています。
このような政権運営のあり方は、性的マイノリティ当事者の人権を脅かし、多様性を尊重する社会の実現を著しく妨げるものです。岸田政権は、差別・偏見を助長する言動を改め、差別を行った人物に対し差別を認めさせ、再発防止を図るべきです。また、性的指向や性自認に関する差別解消法案、婚姻平等法案など、人権を尊重する社会を実現するための法整備をすすめるべきです。
立憲民主党は、多様性の尊重を綱領に掲げ、今後も引き続き性的マイノリティ当事者の皆さんをはじめ、誰もが自分らしく安心して生きられる社会の実現をめざし、取り組んでいきます。