衆院予算委員会で2月15日、「安全保障及び少子化対策など内外の諸情勢」に関する集中審議が開かれ、枝野幸男衆院議員が、(1)原子力政策の転換(2)反撃能力(3)アベノミクス――等について岸田総理はじめ政府の見解をただしました。

 枝野議員は冒頭、まもなく東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から12年になることについて、改めてお悔やみとお見舞いを申し上げました。その上で民主党政権時代に、内閣官房長官や経済産業大臣を務めた経験を踏まえながら、岸田総理による「原子力政策の転換」についてただしました。

(1)原子力政策の転換

 枝野議員は、原発の稼働期間を延長するとした岸田総理が「運転期間については、原子力発電所の利用の観点から定められた」と答弁したことに対し、「安全性よりも利用を優先するのか」と批判。「安全性についての基準を緩める」以上、規制基準について「二度と世界最高水準と言うべきでない」と断じました。

 また、岸田総理が「再エネ適地が限られているという実態があります」とくり返し述べていることについて枝野議員は、「本来わが国でやらなければならないのは、(メガソーラーなどではなく)小規模分散型の再エネだ」と指摘。その上で、枝野議員が「わが国に原子力発電所に適した場所はあるのか」とただしたところ、岸田総理は答弁をはぐらかしました。

 さらに枝野議員は、「安保三文書」にあるような「ミサイル攻撃」がなくとも、「民間を装ったゲリラ部隊」が「(冷却用の)水と電気を止めれば原発事故になる」として「原発は安全保障上のリスクだ」と強調しました。

(2)反撃能力

 政府の「安保三文書」に示された反撃能力(敵基地攻撃脳力)について枝野議員は、「相手のミサイル攻撃に対して、スタンドオフ防衛能力としてのミサイルで反撃をする」ことは、「先制攻撃になってしまう恐れが今までとは飛躍的に高くなる」と指摘。その上で枝野議員は、「個別具体的に判断する」にとどまる曖昧な政府見解では、安全保障に関する国論が分断されてしまうとして、「わが国の領土・領海等に着弾することが不可逆的になり、かつそのことが外形的に明確になった時」といった基準で「安保三文書を改訂すべき」と岸田総理に迫りました。

(3)アベノミクス

 岸田総理が「(アベノミクスの)成長の果実を賃金に結びつける」とくり返し述べていることについて枝野議員は、中小零細企業に「果実はあるのか」とただしました。岸田総理は「価格転嫁対策の環境を整備していく」旨の答弁をくり返しましたが、枝野議員は「今の答弁を聞いた中小零細企業の経営者はあ然としていると思う」と断じ、「アベノミクスの上に立つ」としている岸田政権の経済政策の「抜本的な転換が必要」と強調しました。