立憲民主党は2月19日、2023年度党大会を都内で開催しました。昨年、一昨年は一部オンライン開催となった党大会でしたが、今回は国会議員、都道府県連、総支部の全代議員が一同に会する党大会になりました。党員・協力党員(サポーターズ)・パートナーズ、支援団体の皆さまをはじめ、国民の皆さまにはインターネットのライブ配信でつながり実施しました。

 大会実行委員会事務局長をつとめる山岡達丸総務局長が大会議長に鎌田さゆり衆院議員・横沢高徳参院議員を推薦、代議員の承認をもって両名が選出され 、鎌田議長が大会の成立を宣言しました。

■オープニング

 

 大会は、ウクライナ人ミュージシャン緒方ミラさんによるウクライナ愛国歌「ああ野の赤いガマズミよ」の独唱でスタート。今月24日の、ロシアによるウクライナ侵攻1年を前に、立憲民主党は一日も早い平和の実現のためウクライナを支援していくと誓いました。舞台には、日本に避難している子どもたちも登壇、ミラさんは「応援してくれて本当に感謝、ありがとうございました」コメントしました。

 議長に選出された鎌田さゆり衆院議員(宮城県2区)と、横沢孝徳参院議員(岩手県選挙区)は、まもなく東日本大震災・原発事故から12年となること、「復興は前進してきたがまだ道半ば、復興に向けて立憲民主党がリードして取り組むことを決意する大会にしたい」と宣言しました。

■大会実行委員長あいさつ 伴野豊衆院議員

 

 伴野豊大会実行委員長は冒頭、トルコ・シリア大地震でお亡くなりになられた方々へのご冥福をお祈りするとともに、そのご家族や、被災された方々へのお見舞いの意を述べ、募金への協力を呼びかけました。

 その上で、「政治家は歴史の審判を受ける。世界は今、戦争と災害と貧困の中にある。失われた10年、今こそわれわれが政権を担わなければ誰がやるのか」と提起。「政権を担うには、覚悟と忍耐、気概が必要。違いは認め合うもの。見つけるべきものは共通点であり、それは育んでいくもの。選挙で今こそ政権交代して国民の負託に応えたい。全国各地から狼煙を上げて津々浦々に広げていく大会にしたい」と力を込めました。

■来賓あいさつ 芳野友子連合会長

 

 芳野友子会長は、(1)賃上げ(2)ジェンダー平等や多様性の推進(3)統一自治体議員選挙――の3点に言及。「多くの国民はコロナ禍と物価高で苦しい生活を強いられている。この状況から脱却するには、賃上げしかない。大企業だけが賃上げを行うのではなく、全体の底上げが必要」「あらゆる人たちがお互いを尊重し合い、自分らしく生きることができる国となることが、海外からも多くの人が集まることにつながり、物心ともに豊かな国となる」「地域と住民の暮らしを守るため、働く者・生活者の立場に立った政策実現のため、政治への関心を高める努力も行っていきたい」と力を込め、働く者の立場に立つ政党として、 立憲民主への期待を寄せました。

■代表あいさつ 泉健太代表

 

 泉健太代表は冒頭、ウクライナへの支援、トルコ・シリア地震の募金活動、東日本大震災の復興支援等の取り組みを全党的に進めていくとあらためて表明。18日の北朝鮮のミサイル発射に関しては、「米国や韓国、国際社会と連携し、安保理決議違反の行為に対し厳重に抗議したい。政府に対して国際社会との連携、新たな取り組みを呼びかけていきたい」と述べました。

 その上で、「今年は非常に大事な年」だとして、党所属自治体議員約1200人のうち1000人弱の仲間が挑む春の統一自治体選挙、衆院補欠選挙で勝利しようと呼びかけました。

 泉代表は「この失われた10年、日本は世界の中で取り残されつつある、大変深刻な問題だ」と述べ、安倍第2次政権以降の「人口減少と地域の衰退」「失われた生活費」「エネルギーの転換」「外交・平和」といった問題点を列挙。「毎年子どもたちの数が減っていく。これは自民党が子ども・子育て支援、若者支援に消極的だったからではないか。私たちは子ども・子育て予算の倍増こそが最優先の事項だと一緒に訴えよう」「実質賃金は下がり続け、アベノミクスは悪い円安を招き、物価高が先に進んでしまった。期待されたトリクルダウンは起きなかった。われわれは新しい金融政策を訴え、賃上げの機運を高め、物価上昇に負けない年金を確立していく。そして消費からの経済再生を実現しよう」「自民党政権で再エネは足踏みをしてしまった。風力発電の普及も安倍政権の時に業者が国内から撤退してしまった。私たちは新しいエネルギーをもっと促進していく、省エネを進めていくことで安定的な新たなエネルギーを増やしていきたい」「安倍政権は安保法制を変え、岸田政権は反撃能力、敵基地攻撃能力に駒を進めようとしている。この10年間、周辺国との緊張を緩和することができたのか。友好な東アジアの環境を作ることができたのか、むしろ緊張が高まっているのではないか。われわれは、日本の安全を守りながら周辺国との対話を続け、国民の皆さんにとって絶対に戦渦に巻き込まない、安心できる平和な周辺環境を作ることこそが、わが国に必要な外交ではないか。自民党政権で失われた外交・平和を取り戻さないといけない」「いまだに古い政治が続いている。今もなお自民党内では政治資金をめぐる不祥事が起こり、官邸中枢で多様性を否定する発言も起こる。世界でも、日本でも多くの方が偏狭な考えをやめるべきだと訴えてきている。多様性を尊重するのは当たり前。差別をなくし、誰もが生きやすい社会のために、同性婚や選択的夫婦別姓の法整備を進めよう」などと主張。「今の政治は変えないといけないことばかり。しかし今日本の政治、まだまだ乗り越えなければならないハードルがある。力を合わせて政権交代に向けて多くの仲間を結集して全力で取り組んでいこう」「失われた10年は、国民の豊かさと国民の幸せが失われた10年。平和が失われ、未来が失われた10年。われわれこそがそれを取り戻さなければならない。一致団結をして勝利に向けて頑張っていこう」と訴えました。

■議案報告・提案 岡田克也幹事長

 

 冒頭、岡田幹事長は、連合の芳野友子会長に謝意を示すとともに、「2023年度活動計画案」の前提となる前年度の「活動報告」を行いました。

 岡田幹事長は、2023年度活動計画と予算案の背景にある考え方として、「より現実的な、より多くの人に支持される政策を作る」、「野党第1党として、これからも国会において政権をチェックし、前向きで内容のある政策論争を行っていく」と述べ、「目の前の統一地方選挙に勝利し、その上で都道府県の財政基盤を強化、党員の拡大、無所属等との連携強化、市民や女性の参加の強化」「党本部事務局に人事局を設置し本部機能の強化」等各分野における強化策の具体的な取り組みについて語りました。

 岡田幹事長は、「次回総選挙で結果を出すことが私自身の責任」と述べ、「日本のため、国民のために、政権交代可能な政党を作り出す」とし、「大事な一年になる。是非力を合わせて一つになっていこう」と決意を表明しました。

 大会議決対象の文書である本大会の議案として「2023年度活動計画」、「2022年度活動報告」、「2022年度決算」、「2023年度予算」は一括して採決され、満場一致で採択されました。

■補欠選挙・統一地方選挙の戦いに向けて

 

 泉代表、岡田幹事長とともに、衆議院議員補欠選挙を戦う千葉 5 区矢崎けんたろうさんと、統一地方選挙を戦う 900 名を超える仲間を代表して、千葉県議会浦 安市選挙区のよしい由美さんが登壇し勝利に向けて決意を表明しました。

 最後に馬場雄基衆院議員及び水野素子参院議員の先導で「もっと良い未来へ! FOR THE FUTURE!」コールが行われ閉会しました。

2023年度党大会議案.pdf