参院懲罰委員会は2月21日、NHK党のガーシー議員に対して「議場での陳謝を求める懲罰案を」を全会一致で可決しました。

 ガーシー議員は、2022年7月の参院選挙で初当選以降、海外に滞在したまま一度も登院していません。昨年、第209回国会第210回国会でも応召義務違反ならびに議院運営委員会理事会で了承されなかった不許可渡航に対して慎重な議論と丁寧な対応が取られていました。今次第211回国会でも議運委理事会で速やかに帰国をして登院するよう求められたにもかかわらず、再び応召義務違反と不許可渡航を続け、最終的に議長の判断で国会法第124条の規定に基づき手続きが進められてきましたが、議長の招状発出からすでに3週間が経過、当選後ガーシー議員に支払われた歳費や期末手当などは、計1700万円以上となります。

 委員会では、NHK党の浜田聡参院議員がガーシー氏の弁明書を代読した後、各党が採決。立憲民主・社民を代表して討論に立った田名部匡代議員は、ガーシー議員の懲罰事案は、国会法第5条「議員は、召集詔書に指定された期日に、各議院に集会しなければならない」および、参院規則第1条「国会の召集詔書は、集会の期日を定めて、これを公布する」に違反したものであり、74年ぶりに議長が国会への出席を求める「招状」を発出するという、衆参両院通じて2例目の極めて異例な事態を招いたと指摘。「この間、議員として最も重要な責務である、審議や評決に一切加わっていないことは看過できない重要な問題。日本国憲法43条で定めている通り、当選した以上は全国民を代表する立場であり、一部の有権者との約束を守って国会法違反が許されるわけではない。代理人の浜田議員から弁明があったが、全く正当な理由として認められるものではない」と断じました。

 田名部議員は、今回の懲罰事犯の量刑が今後の前例になることや、過去の懲罰事案との比較、さらには国会法の前身である議院法制定時からの経緯に鑑み、「今回の件は除名に値しうると考える」と発言。しかしながら、議員の身分に関わる重要な問題である以上、可能な限り参院の総意として意思を示すことが重要であるして、「この度は国会法および参院法規則に違反することに対する深い反省を求め陳謝することを求めたい」と述べました。

 国会法に基づく懲罰は、重い順に「除名」「登院停止」「議場での陳謝」「戒告」の4種類。

 ガーシー議員への懲罰は、22日の本会議を経て正式に決定します。