立憲民主党ジェンダー平等推進本部(以下、ジェンダー本部)は2月28日、「第6回りっけん女性塾オンライン・トーク」を開催しました。
政治に関心のある女性のエンパワーメントを目的に昨年10月よりスタートした「女性塾」の今回のゲストは、NPO法人ピルコン理事長の染谷明日香さん。ピルコンは「誰もが自分らしく生き、性の健康と権利を実現できる社会」をビジョンとして掲げ、中高生向けの性教育プログラムの実施、保護者・PTA向け性教育講演、政策提言などに取り組むNPO法人です。染谷さんは、自身の経験から日本の思いがけない妊娠・中絶の多さに問題意識を持ち、大学在学中より学生団体ピルコンを立ち上げ、性の健康の啓発活動に取り組んで来ました。
染谷さんは、10代の年間人工妊娠中絶件数が9000件(15歳以下で約400件)に上り、若者に性感染症が広がっていること、SNSに起因する性被害児童数が高い水準で推移しているなど深刻な状況が進んでいるにも関わらず、中高生の性に関する情報源は親や兄弟はほとんどなく、学校教育は内容が限定的なので、友人や先輩、漫画やアダルト動画が参考にされている実態をアンケート結果に基づいて説明しました。そして、恋愛や性行為、ジェンダー平等、性暴力について学びたいニーズは若年層にあるが、大人や専門家に相談しづらい実態があることも合わせて紹介しました。
一方で、中高生への性教育講座事業開始後、10代の中絶率が大幅に減少した秋田県での注目すべき取組み、さらには海外における先進的な性教育の事例も紹介し、性を生殖・性交のことだけでなく、人権教育を基盤に人間関係を含む幅広い内容を体系的に学ぶ「包括的性教育」の重要性を強調しました。
聞き手の打越さく良参院議員(ジェンダー本部副事務局長)は、「(性に関する悩みについて)子どもたちが誰にも相談できないというのがショックだ。文科省は、子どもたちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないようにする『生命(いのち)の安全教育』を打ち出したが、その前に自分は肯定される自尊心のある存在で、だからこそ暴力を受けてはいけない、という教育が必要だ」と述べ、性行為や避妊については教えず、性犯罪・性暴力対策を教える文科省のちぐはぐな姿勢を批判しました。
この日の司会進行は岸真紀子参院議員が務めました。