泉健太代表記者会見

2023年3月10日(金)10時30分~11時13分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/2XsggB6qIAs


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○東日本大震災から12年を迎えるに当たって

【代表】
 おはようございます。
 あすが3月11日ということですから、東日本大震災から12年を迎えます。
 当時を振り返りますと、私も、まずはバイクで被災地各地を回って、車で入れないところ等々を回って、そして、行政とつながっていない臨時の避難所というか、集会所ですとか、そういうところを見つけて、そういうところにも情報を届けたり、あるいは、行政にその存在を伝えて物資を提供していただく、そういうつなぎ役もやっていました。
 また、当時、連合の皆さんが、ゴールデンウィークくらいから、4月下旬くらいから、ボランティアをどんどんバスで派遣し始めて、いわゆる泥かきというか、がれきの撤去、そういったものを行ったりしていたのですが、その連合の団に同行して、一緒にそのがれきの撤去、住宅のがれきの撤去ですとかお店のがれきの撤去などをさせていただいたり、あるいは、霊園でちょうど墓石がたくさん倒れていて、その墓石を一つ一つ戻していく、そういうこともさせていただいたことを思い出します。
 国会のほうでは、国会のほうというか、こっちのほうでは、当時、私は政府の災害ボランティア室と国会のほうをつなぐ役割ですね、これをさせていただいていまして、政府の災害ボランティア室を立ち上げるところの準備などをやっていました。その前までに、震災の前は防災の政務官をやっていたこともあったので、そういう役割をしていたわけですが、最初、ですから、ボランティア団体ですとかが高速道路を使って物資を運んだり給水車を現地に向かわせるというときに、警察庁とやりとりをしたりして、その許可証を発行してもらうとか、ボランティア団体に声をかけて地域の社協とつないで拠点をつくるとか、そういったことをさせていただいたことを思い出します。
 私はあすから宮城県に訪問して、現地の復興の様子ですとか、そして慰霊もさせていただくという予定をしております。いまだに3.1万人の方々が、避難生活を送っているという方々がおられますので、そういった皆様の引き続きの支援も行っていきたいと思います。

○放送法の解釈をめぐる総務省の行政文書について

【代表】
 そして今、国会で我が党は、参議院予算委員会、防衛費の問題、そして賃上げ、実質賃金が下がっているという問題などなどを取り上げておりますが、急遽というか持ち上がってきた、この小西議員にもたらされた文書ですね。
 これについては既に、当時の礒崎補佐官が、かなり役所・役人に対して、首を飛ばすぞというようなプレッシャーをかけ、恫喝をして、そして最終的にはどういう形で質問をするかということで、総務委員会に割り当て、振り分けられて、その総務委員会の中で質疑をした結果、これまでの政府の放送法に対する解釈が変更された。補充的な説明という言い方で、解釈につけ加わりがあったということで、政府のほうは解釈は変更していないと強弁はするものの、その補充的な説明というものがついたことは間違いないし、そして、現にそれを報道機関が受け止めたということもこれは間違いないことで、政府の解釈を無視したということにはなりませんから、政府が解釈は変更していないとひたすら言っても、これまでと一字一句違うのかといえば、補充的な説明が加わっているということは間違いのないことですから、こういうことで言えば、政府は見解を変えたというふうに取られているわけであります。
 そういったことを、改めて、立憲民主党としては撤回をすべきだと。考えてみれば、安倍政権のときに、こうしたある意味強がる者が評価をされるような政権運営の中で、どんどんどんどんもうさまざまなものに介入をしようと試みてきたことの一つではないかと思います。その後も、菅政権では今度は学術会議に対する介入ということも行われているわけでありまして、こういった体質そのものを、改めて岸田政権の下で、この放送法については補充的説明というのは撤回をすべきだというふうに考えます。
 もう一つ。この高市大臣の「捏造」と言ったことについては、本当に周りからは違和感を持って受け止められているのだろうなと思います。普通に考えれば、役人たちがうそをついて文章を書く理由というのはほぼないというところの中で、一方で、一字一句がレコーダーを書き起こししたものでなければ全く正しいというふうにはならなくなるのは当然のことですから、そういうことを争う話ではなくて、この役所の作っているものというものが、では、本当にうそなのか。電話もしていないのに電話をしたという記録になっているのか。そこはぜひ政府側のほうでやはりはっきりしていただかなければ困る話であって、情報をもたらされた側は、まさにその情報というのは政府からもたらされた行政文書ですから、総務省と高市大臣の中で事実関係を争っていただきたいと思います。
 とにかく、こういう公文書というか、行政文書ですね、これが全く信頼できないものだというふうになってしまうと、我々も国民も何も信頼できなくなってしまいますから、ここは政府としてはっきりしていただきたいということであります。

○日銀総裁・副総裁人事について

【代表】
 そして、参議院本会議で、日銀の総裁・副総裁の同意人事ということですが、改めて、黒田総裁のときには政府が日銀に一方的に頼るという形になってしまいましたが、新しい体制では、財政政策ですとか経済政策ですとか、こういったことについて岸田政権自身が責任を持つということが大事だろうと思いますので、それを求めていきたいと思います。

○スペインのジェンダー平等促進法案について

【代表】
 我々いろいろな国の動向を見ているわけですが、スペインのサンチェス政権で閣議決定がされまして、それは、内閣では男女それぞれが40%以上とする、政党は国政選挙等の候補者を男女同数とする、上場企業は取締役の4割を女性とするということを内容とする、ジェンダー平等促進法案というものをスペインのサンチェス政権が閣議決定したということです。
 こういうジェンダー平等の一つの取組。よく言われるように、能力のある人が出ればいいのだから割合を課すのはおかしいなんていう話はありますが、日本がジェンダー平等指数でかなり世界の下位であることは間違いなく、それは能力・実力があっても責任ある立場に立てない女性の方々がたくさんおられる。これは我が国にとっての損失であると思っておりますので、改めて、このスペインの法案というものも参考にして、我々自身も取組をしてまいりたいと思っております。


■質疑

○放送法の解釈をめぐる総務省の行政文書について(1)

【時事通信・木田記者】
 まず、冒頭発言の放送法の部分に関連して。つい先ほど高市大臣が、行政文書に関する自身の監督責任に関して、正確性がないという部分は変わっていないが、総務省に正確性が確認されていない文書が保存されていたということは大変残念、当時の大臣として総務省の行政全てに責任を持っている立場であったので責任を感じている、大変申し訳ないと陳謝した。この点の受け止めをお聞きしたい。

【代表】
 その論法でいきますと、例えば現岸田内閣、あるいは、これまでの菅政権、各大臣含めて、では、ぜひお調べいただいて、皆さん陳謝でも何かしてくださるのですかと。本当に、では、それぞれの行政文書を大臣が確認をしてきたのですかということが問われると思うので、このことでもし陳謝をされるというのであれば、高市大臣一人の話ではなくなるということではないでしょうかと、そんなふうに今お話を伺って感じました。

○憲法論議について

【時事通信・木田記者】
 別件だが、日本維新の会、国民民主党、有志の会が、憲法改正に向けて緊急事態条項の条文案を議論する実務者協議を始めた。立憲民主党内には性急な憲法改正に慎重な意見もあるが、維新などのこうした動きをどのように評価されるか。

【代表】
 いえ、別に評価はしません。特段評価はありません。

【時事通信・木田記者】
 関連で。維新の音喜多政調会長が、実務者協議への立憲の参加に関して、やりたいということであればぜひ加わっていただければと思うと述べた。立憲が実務者協議に参加することについてはどのようにお考えか。

【代表】
 まずは、我が党の憲法審のメンバー。また、国対。そういったところで党の中で話し合われることではないかと思います。

【時事通信・木田記者】
 代表自身としてはどのように考えるか。

【代表】
 まずは党内で話し合われることという認識を持っています。

○国政補欠選挙について

【共同通信・渡辺記者】
 先ほどの参院本会議で安達澄参議院議員の辞職が許可された。これに伴い参院の大分補選が統一地方選と同日に行われる見通しになる。これに対する位置づけと、今もう自民党は候補者公募を始めているが、どういうふうな選考でどのように臨まれるかお聞きしたい。

【代表】
 補選が4月に行われることが確定したということだと思いますので、それを踏まえて、我々としてはやはり候補者擁立に向けてまず全力を尽くしたいと思いますし、安達議員の議席というのは野党で獲得をしてきた議席でもありますので、そういったことを前提に、この選挙の必勝を目指していきたいと思います。

【共同通信・渡辺記者】
 候補者の公募の仕方とか、どのように選んでいくかという想定はあるか。

【代表】
 今、別に何か公募をするというふうに決めたというふうに私も聞いておりません。まずは、今回のことを受けて、県連や、連合や、それぞれ応援してくださっている多くの方々と、まずは協議をするというところです。

【共同通信・渡辺記者】
 これに伴い、五つの補欠選挙となった。改めて、この位置づけ、意気込みをお願いしたい。

【代表】
 立憲民主党としては野党第1党としてできる限りの候補者擁立をまず目指していきたいと思いますし、そして、千葉5区は自民党議員の不祥事による補欠選挙ですから、これは政治に正義を取り戻す、クリーンな政治を取り戻すという意味でも、我々としては絶対に勝ちたい選挙だと思っています。
 また、今お話のあった大分についても、野党の議席であったということからすれば、その議席を何とか維持していけるように勝利をしていきたい。
 その他三つについても、今、候補者擁立に向けた作業を進めておりますので、擁立とともに、擁立ができればもちろん勝利を目指していきたいと思います。

【朝日新聞・高木記者】
 大分参院補選について、ちょっと重複するところもあるが、安達氏は19年の参院選で野党系無所属として出馬し、立憲・国民民主・社民の3党が推薦、共産党も支援する、野党共闘で当選した。補選は同じ枠組みで臨むべきだと考えるか。それとも、立憲単独で独自の公認候補を立てるお考えか。

【代表】
 「べきだ」ということを言えるかどうかというのは、それはほかの19年の枠組みの皆さんと話合いをせねば、べきも何もないと思いますので、べき論から入るのではなくて、やはりこの、主に大分で構図をつくって戦ってきたわけですから、その大分の仲間たちのここからの協議というものをまずは尊重して、枠組みをどうつくっていくかということを進めていきたいと思います。

【朝日新聞・高木記者】
 続けてだが、自民党は公募の手続を進め、11日にも選考会議を開いて候補者を決める見通しだ。立憲ないし野党候補はいつまでに決めることが望ましいとお考えか。

【代表】
 特段、望ましいという日にちがあるわけではありません。決まればそこ(勝利)に向けて全力で、決まったらその候補者の必勝に向けて全力を尽くすということです。

【朝日新聞・高木記者】
 最後になるが、自民党の動きに比べて野党側の候補者擁立が遅れていると感じるが、これは何か難航しているというようにお考えか。

【代表】
 たぶん、感じるだけで、事実ではないということですね。自民党がもう擁立が決まったのですか、候補者。

【朝日新聞・高木記者】
 いや、まだ。

【代表】
 ですよね。だから、遅れているということはないということです。自民党も決まっていないし、こちらも決まっていない。それが現状です。

【フリーランス・宮崎記者】
 3点、なるべく短く伺いたい。まず1点目、大分の話だが、SNS等で、吉田忠智議員、全国政党の党首経験者であるが、吉田議員が元々大分の公務員の方とかに、村山富市さんがいらっしゃったが、強いということが有名なので、吉田議員が出て、全国比例で誰が繰り上がるのかがやや複雑かもしれないが、そういった期待の声があるが、これはSNS世論でおっしゃっている方がいるだけの話か。

【代表】
 ちょっと私も、SNSでどれだけ盛り上がっているかというのは、見たことがありませんので、ちょっとよくわからないところがありますが、安達議員が辞職をしたということであれば、県内の国会議員に声がかかるというのは一つ当然の展開であろうかなと思いますので、当然そういうことも含めてさまざま考えているのではないかと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 そういうことを含めてということでよろしいか。

【代表】
 それは誰がということですか。

【フリーランス・宮崎記者】
 吉田忠智さん。

【代表】
 いや、そうではなくて、誰が考えているという。
 私は、県連というのはいろいろな選択肢というのは常に持っていると思うので、いろいろなことを考えているとは思いますけれども。

○放送法の解釈をめぐる総務省の行政文書について(2)

【フリーランス・宮崎記者】
 2点目だが、行政文書、公文書という言葉に関して、これは元々情報公開法があり、公文書管理法というふうな形に最近なっているが、行政文書が正しいという前提でないというのは私は当然皆が知っているものだと思っていたので、結構正直ショックみたいなものを受けた。役人が、例えば与党1回生からこんな電話がかかってきたといったメモを作って、課内とかに情報共有して、あるいは官房の審議会に上げたりとか、そういうものが行政文書であって、例えば補助金交付決定書の公印があったものとかを開示されても政策決定プロセスはそこからは別に何も見えないわけで、行政文書、公文書、情報公開法、公文書管理法に対する理解が総務省の大臣経験者でもこんなに知らないのかと私は非常に驚いた。財務省の理財局長も全然知らない感じだったが。何というか研修みたいなものもしていただきたいような気がするが、いかがか。

【代表】
 それは、先ほど言ったように、一字一句正確なものを作るというのは、もう録音されたものを書き写すしかないわけで、それ以外は行政文書ではないとか、それ以外は捏造だと言われたら、確かに文書が成り立たないですよね。ですから、改めて高市大臣、何をもって捏造と言っているのかというところはやはり明確に説明をしていただかなければいけないし、その理解で言えば全て捏造になってしまいますよという話なので。
 改めて、行政文書は普通に存在をしているし、それはまとめたものであったり、記憶を書き起こしたものであったりするのは当然のことですから、確かに研修、どういう形でするかというのはありますが、そういうことをしなければいけないのかもしれないですね。

○国会審議 重要法案の審議について

【フリーランス・宮崎記者】
 3点目は、重要広範議案という国会対策用語があるが、今国会は、秘書官が一人辞任しただけで、与党側から見れば実は無風だ。重要広範議案と言われる4本の法律案が2月中に1本も審議入りしないで3月に来ているというのは非常に珍しく、野党にとってはこれからが見せ場かもしれない。いわゆる岸田さんが総裁選で健康危機管理庁と言った法案が今週ようやく衆議院本会議で審議入りした。これから意外と長い国会になるかもしれないが、例えば60年ルールの法案などもあるが、徹底審議は当然として、最終的に例えば現場の委員たちが、野党で修正案を出さないかとか、あるいは場合によっては与野党で修正の機運が盛り上がる場合もある。全体の大枠として、まだまだこれからになるが、例えば、泉代表は衆参与野党の最もトップの議員なので、なるべく現場に任せつつやりたいのか、「次の内閣」などもあるからやりたいのか、大枠を伺いたい。

【代表】
 徹底審議、そして我々としてはできるだけ対案を出すということは前提にしていきたいと思います。対案を出した中で、それが一つでも、確かに少数野党ではあるものの、実現をするということであれば、それは実際にこの法律の影響が及ぶ方々にとってプラスになるものである可能性もありますから、その場合には与野党協議ということは十分あり得ると思います。
 まずは、やはり「次の内閣」で対案をつくるということ。ここに力を入れていきたいと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 あと、説明と広報ということに最終的にはなるかと思うが、自信はいかがか。

【代表】
 ごめんなさい、何の説明と広報ですか。

【フリーランス・宮崎記者】
 いずれにせよ、最終的に成立した後に、例えば60年ルールを廃案にできずに多少なりとも修正しようといった形で結果が決まった後、党としての説明の仕方や広報の仕方に関して自信をお持ちか。

【代表】
 自信って、過信であってはいけないし、でも、一方で常に持っているものですので、最善を尽くすということですね。

○東日本大震災から12年を迎えるに当たって

【NHK・高橋記者】
 あす東日本大震災の被災地に行かれるということだが、発災から12年たち、復興の取組等も視察されるということだが、改めて今後の課題や政府に求めていくこと、被災地にどういう形で寄り添っていくか教えていただきたい。

【代表】
 被災地の、特に福島で言えば、まだ人が戻れていない地域もあるし、戻れていたとしてもコミュニティが形成され復活したとは言い難いわけですね。やはりそのコミュニティが再生されるというところまで、末永く、長くですね、この復興支援に取り組まなければいけないということを改めて訴えていきたいと思いますし、そのコミュニティの再生というときに、過去のものが戻ればいいということだけではなく、当然ながら新たな希望ということも必要だと思いますので、そういった新たな希望になるような産業の拠点ですとか新たな技術というものが、その被災地に根づいて、もう一回この活力が起こるという状態をつくっていきたいと思います。

○日銀総裁・副総裁人事について(1)

【NHK・高橋記者】
 続いて、日銀の関係だが、植田新総裁に決まり、受け止めもお話しされていたが、内田さんに関しては衆参共に反対されていたと思う。その理由とあわせて、今後、日銀・植田氏に期待する政策等々を教えていただきたい。

【代表】
 まず一つは、黒田総裁の下で、アベノミクスに、黒田路線に、ずっと最も関わってきたのが内田氏であるということ。そして、それを踏まえながら総裁・副総裁(候補)の聴取というのを行ったわけですが、その中で、植田総裁候補については、当時というか先日ですね、アベノミクスの副作用ということについても一定述べた上で、金融緩和の一定のその効果、メリットというものも述べたという意味では、バランス感覚を持っているというふうに感じましたが、内田氏については、その副作用についての言及がほぼなかったと我々としてはみなしましたので、これはこれまでの路線の継続でしかないと。そんな考え方で、内田氏についてはノーという形にさせていただきました。

○放送法の解釈をめぐる総務省の行政文書について(3)

【NHK・高橋記者】
 別件で。放送法の関係で、高市大臣は、この文書は捏造だ、捏造ではなかったら議員辞職とか大臣を辞めるのでも結構だという考えを示しているが、代表としては、高市大臣は。

【代表】
 まあ、安倍さんのまねですよね。安倍さんのまねをしたけれども、結局、自身の発言を曖昧にすることで今の立場を維持するしかなくなったと、そう見ています。

【NHK・高橋記者】
 大臣や議員辞職はすべきだとお考えか。

【代表】
 それはご自身が胸に手を当てて、最初に言ったことと今の発言が合っているのかどうか、それを判断されればよいかと思います。

○新型コロナ(1) マスク着用の緩和について

【NHK・高橋記者】
 別件で、来週の13日からほぼ3年ぶりにマスクを皆さん個人の判断でということになるが、その受け止めと、今後の経済社会活動の再開等の期待を伺いたい。

【代表】
 まず一つは、我々が苦しめられてきた新型コロナウイルスは、一時期は変異ということに非常に注目が集まって、世の中も何々型というのを随分と追いかけたものですが、今はほぼ忘れ去られているわけですよね。とはいえ、常にウイルスは変異・変化をしていきますから、まずは、やはり医療機関に対する負担や感染の拡大というものが起きないかどうかというのは常に注視していかなければいけない。
 その前提に立って、今のような状態が続いていくということであれば、大多数が軽い症状で済むということで、このマスクをもうせずともよいという流れになってきているのは、これは理解をしているし、その方向で世の中としてはそれぞれ自主判断になろうと思います。
 ただ、花粉症等々もあるので、結構引き続きマスクをされる方は多いだろうなと思いますし、配慮が必要な場所ではマスクをされるという方もおられるでしょうし、できる限り、互いに理解をし合いながら、トラブルを少なくしていくということが大事ではないかと思います。

○代表の発信について

【産経新聞・大橋記者】
 代表の発信について伺いたい。きのうもNCの冒頭で発言が誤りがあったということでぶら下がりもやっていただいたが、ここ最近の代表の発信について、ちょっと空回りしているのではないかという印象を私は受けるが、代表はその辺りはどのようにお考えか。

【代表】
 まあ、それは個人の感想かなと思います。

○新型コロナ(2) 対策の検証の必要性について

【毎日新聞・安部記者】
 来週からコロナ対策のマスクの着用が見直されることに当たり、コロナ対策において一つの節目になろうかと思うが、これまで政府がコロナ対策としてさまざま対策を打ってきた中で、相当な額の税金というかお金も投入されてきた。その運用の仕方などについても折を見て検証が必要なのではないかと思うが、その辺りをどうお考えになるか。

【代表】
 検証は必要だと思います。
 政府によるヒアリングというのも、非常に簡便なヒアリングで、安倍元総理、菅元総理等々に対するヒアリングも本当にあっという間に終わって、簡素なもので終わってしまった報告書くらいしかできていないと思いますから、我々は国会に検証の委員会を設置するということも含めて言っています。
 やはり17兆くらいですか、コロナ対策の予算の使われ方。そして、(医療機関の支援で)現状も例えば予備費が大量に積まれているということも含めて、こういったことはやはり検証されるべきだと思っていますので、我が党としてはそれを訴えていきたいし、やっていきたいと思います。

【毎日新聞・安部記者】
 今、コロナは少し下火になっているが、いつまた変異株が出るかわからない。また、別のウイルスのパンデミックが起きるかもしれないということだが、そういった次のパンデミックに備えて何か取りまとめをまとめたほうがいいというようなお考えはあるか。

【代表】
 これはもういつ起こるかわからないという意味では、間に合わないかもしれないことではありますが、改めて、国内でのワクチン製造というか、ワクチン開発ができる状態があるのかどうか。あるいは、こういったマスクについても、今は供給が安定してきたものの、改めてパンデミックが起きたときに確保できるのかなど、ある種、備蓄というか、そういったものの我が国の状況がどうなっているかは、やはり事前にできる限り明らかにしておく必要があろうと思いますので、そういったことが必要だと思います。

○日銀総裁・副総裁人事について(2)

【「FACTA」・宮嶋記者】
 今回の日銀の人事は、後から思うと、のるか反るかの賭けのようなすごい人事だと思うが、選んだほうも、国会も非常に責任が重いと思う。2月に階さんのところから、「『新しい金融政策』について」という、私は注目したが、三つのフェーズでの提言が出ていた。それに照らして、頭に大学教授で、あとは実務担当と、その組合せを含めて、今回の内田さんはそのまま行くと思うが、立憲としては一人だけ外すというか、外れていないが、この人事を総体として何点ぐらいのものとお考えになっているか。期待できるというふうに見ているか。やはり内田さんではだめだと、その辺は、一人外すことで、外れないが、要するに立憲はこの人事を総体としてどう評価しているのか伺いたい。

【代表】
 総体としての評価といえば、まさにもう同意人事で我々が表明した態度そのものが評価ですから、先ほどの繰り返しになりますが、これは結局、アベノミクスという、やはり異次元のことをやってしまったものですから、異次元のことをやってしまった後始末って誰もがつけにくくなってしまっている。自民党であろうとも、財務省であろうとも、日銀であろうとも、後始末ができないほどのETFですとか国債というものを背負ってしまっているという中で、我々も「新しい金融政策」というものを出して、いずれちゃんとした出口に向かってちゃんと目標を持って方向性を持って取り組んでいくべきだということを出したわけですが、それにしても、やはり急激には進めることができない。非常に慎重に事を進めていかなければいけないという意味では、誰が担っても難しい金融政策の運営を迫られているのが、この新体制だと思います。
 ですので、先ほど話をしたように、植田氏が副作用ということに言及したというのは、ある意味、我々とその部分では思いを同じくするであろうと。今後5年間で、そういったことも十分認識をしながら、どのように持っていくのかという期待も含めて、総裁を我々としては了とした。
 しかし、先ほどのように、黒田氏と共に歩んで、その反省ということについてあまり述べなかった人物ということであれば、それは今後の金融政策を担うにはふさわしくないと思っておりますので、我々としては(内田副総裁には)不同意というふうに結論を出したということであります。日銀、これまで総裁・副総裁、日銀からは必ず誰かということがあったと思いますから、そういう意味では内田氏ではない人物ということが適切だったのではないかと思います。

○「地域公共交通政策」「国会審議」等について

【フリーランス・小山記者】
 最近の立憲の動向で、地域公共交通の再構築についての有識者ヒアリングがあったようだ。私も週末に実家に行ってきて、両親がだんだん車を運転する自信がなくなってくると、2人とも目が悪いが、それで運転できなくなったら一体どうなってしまうんだろうというような、もう本当に胸が痛くなるような声を聞いて帰ってきたが、こちらの方面について立憲民主党の方々の意気込みというのはかなりあるのか。

【代表】
 はい、あります。
 移動の権利というのはとても大事なことであると我々も考えてきましたし、交通政策基本法ということは、もう20年前から、我が党としてというか、これまで民主党が主張して、そして法案が成立してきたという過程もありますので、地域公共交通を守っていくというのは非常に重要だと思っています。
 一方で、この国の人口構成の変化や都市部集中の流れの中で、これまで維持されてきた公共交通が大きな赤字を抱えるケースというのが出てきているので、これまで維持してきた形態であるかどうかということは、やはり地域の中で改めて話し合われて、それこそ持続可能なものに、より持続可能なものにしていかなければいけない。そういう、今、変化のとき、過渡期というか、変革期だと思いますので、そういった中で交通弱者の足が確保されるようにという、そういう地域公共交通のあり方を目指していきたいと思います。

【フリーランス・小山記者】
 次の質問だが、党大会で報道部のほうに質問を投げ、お答えを一応伺っているが、「調査・分析に基づく発信強化」の欄で「国民の声を正しく理解するための分析等を行い」というのがこれまでと違うのかなという期待感を持たせる文章だったが、いただいたお答えは、今までと同様、立憲ボイスやツイッターなどでいただく意見を参考にしながらこれから改善を考えていくというふうな書かれ方だった。もうちょっと積極的に、何か今までと違った、支持者だけではなくみたいな感じの、調査・分析にお金とかをかけていくというご意思があったのではないのか。

【代表】
 その辺は党の中のある種戦略の話ですので、つまびらかにするものではないということです。

記者
 見えないということですね。もう一つだが、ちょっと私も全部国会を見ていないので落としていたら申し訳ないが、どうもユーチューブやツイッターなどでも高市さんを守る運動がすごく強い。国会でも高市さんと小西さんという構図で捉えられがちだが、礒崎さんの名前があまり国会で出ていなくて、礒崎さんの功罪にむしろスポットを当てていただいたほうが、私ども国民にとってはやはり撤回に向けて動きが出るのではないかと思うが、その辺はいかがお考えか。

【代表】
 そうですね、私も先ほどそういうつもりで冒頭発言をしました。  やはり放送法の解釈が変更されたということはもう事実ですので、それはやはり撤回をしていただく。これが本論であると思います。

【フリーランス・小山記者】
 高市さんが大臣だからということなのですね。もう一つだけ、もしお伺いできたらと思うが、長妻さんの会見を動画で見て、組替え動議はしない方向だというのは聞いていたが、ほかの党がやっただけに、機会としては立憲からなかったのをもったいなく感じた。これはどういったことで。例えば長妻さんの時間がなかったとか。

【代表】
 いえ、そんなことはないです。
 これは立憲民主党として、今回の予算案に対して野党が足並みをそろえるということをまず最優先しようということで努力をしてきていましたので、維新ですとか国民からの組替え案というものを改めて我々としても見させていただいたときに、ここはなかなか、それぞれ独自の主張があるなということも見えてきましたので、ここで共同の案をつくるというのは難しいであろうと。そういう認識に立って、我々としても、もう独自のものを出すということではなくて、この予算の反対ということで一致をするというところにとどめたということです。

○「統一地方選」「電気料金高騰対策」について

【北海道新聞・今井記者】
 先ほど大分の話も出ていたが、統一地方選まで1カ月を切る中で、今回の選挙でどのようにして党の主張を浸透させたいか。その意気込みというか、代表の思いを教えていただきたいのと、きのうNCで出た維新とのエネルギーの勉強会について、一時、原発で折り合わずに中断というのもあったかと思うが、再開されて、来週提言書を出すということになった。改めて代表としての受け止めと、電気料金高騰対策でどういったことが必要か、お考えを教えていただきたい。

【代表】
 この選挙というのは、もう4月の後半までの全てを含めて。

【北海道新聞・今井記者】
 そうです。

【代表】
 で、国政選挙も含めて。

【北海道新聞・今井記者】
 統一地方選。

【代表】
 統一地方選のみ。
 立憲民主党には1200名を超える自治体議員がおりますので、この数を増やすことで、もっともっと地域の声を聞きたいと。地域の声が、国会にも、そして地方議会にも届くようにしたい。その議会の風通しをよくしていくために、新人候補の一人でも多くの当選を勝ち取りたいと思います。
 もう一つは、青年や女性ですとか、さまざまな多様な立場を持った方々にできる限り当選をしていただきたいということでの、この議会の多様性を高めていきたいと思っています。
 とにかく、そういったことも含めて、全員当選に向けて全力を尽くしていきたいと思いますし、これは公認・推薦候補のみならず、我が党が連携をする無所属の方々とも、その選挙も応援をして当選を図っていきたいと思っております。
 そして、維新との電力料金のことについては、これはまさに今おっしゃっていただいたように来週我々発表するというものですから、現時点で私が先にお話しすることはありませんが、問題点としてこれまで見えてきたことというのは、例えば、石油のときもそうでしたが、供給者側に支援をしていくという取組を政府は取るわけですが、そういう形ではない、直接的に国民に届く支援の仕方というものがあるのではないかと、そんな問題意識を持っています。