立憲民主党文部科学部門
教職員の働き方に関するワーキングチーム

立憲民主党が考える「未来の学校」における教職員の働き方改革

 立憲民主党は、教職員の働き方改革を推進することによって、子どもたちがもっと生き生きと学校で過ごすことができ、公立の小中学校に安心して通うことができるようにします。また、教職員に余裕が生まれることにより、保護者や地域住民の学校への信頼度や満足度が上がる効果があると考えます。

 教員が本来の仕事に集中して取り組めるようにすることで、子どもたち一人ひとりと向き合う時間を確保し、公立小中学校の質を改善していきます。

 さらに、休息や生活時間を確保することにより、教職員の健康や生活の質を向上させ、健康的でポジティブに働ける環境を整備します。

1.教職員の置かれている厳しい環境

 教職員は、膨大な業務量を抱え、長時間労働となっているのが現状です。また、子どもの自殺や不登校数、いじめの認知件数が過去最多を更新するなど、厳しい学校現場の中で、教職員は難しい対応を迫られています。

 最近の最高裁判決では、「教材研究」や「保護者への対応」、「授業参観の準備」等は、教員の自発的行為であって労働時間とは認めないという見解が示されました。これらは当然、教員が行っている仕事であり、それを認めない現行制度の限界が明らかになりました。

 加えて、なかなか進まない教職員定数の改善、さまざまな支援を必要とする子どもの増加、産休・育休時や病休および介護休暇時等の代替者の不足や、休職者の増加などもあり、職場環境の改善が求められます。

 さらに、ブラック職場と見られて教職希望者が減少し、さらなる教員不足に陥っています。

 これらの悪循環により、教職員は一人ひとりの子どもにゆっくり向き合う時間がないばかりか、休憩時間もなく過労死ラインを超える勤務時間になっており、ワーク・ライフ・バランスが崩れた生活を余儀なくされています。

 いますぐ、公立学校の教育の立て直しが必要です。

 立憲民主党は、「未来の学校」の実現に向け、教職員の働き方改革を推進します。

2.立憲民主党の考える具体的施策

(1)「定額働かせ放題」を是正するため、給特法を廃止
 1971(昭和46)年に制定された給特法(公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)は、教員の職務と勤務態様には特殊性があるとして、一律に給料月額の4%を「教職調整額」として支給し、時間外勤務手当を支給しないことと定めています。

 実質的には調整額を超える以上の残業をしているにもかかわらず、時間外勤務手当が支給されていないことから、「定額働かせ放題」とも言われている実態があります。

 立憲民主党は、給特法を廃止し、教員の働き方を改革します。

(2)時間外勤務手当の支給
 正確な勤務時間の管理・把握を行い、働いた分の時間外勤務手当を支払うようにします。

(3)長時間労働是正のための教職員の業務削減
 学校での業務の見直しや意識改革、ICT化、業務削減のための話し合い会議の開催や取組みなどを推進するための環境を整備します。

 また、授業時数の見直しを含めた学習指導要領の抜本的見直しを進めます。教職員の長時間労働を是正し、子どもたちと向き合う時間を確保します。

(4)教職員定数の改善=業務量に見合う配置
 子どもの豊かな学びが保障されるように、教職員定数の充実が必要です。教職員定数を改善し、教職員の数を増やすことで、教員の持ち授業時数を減らし、一人ひとりの子どもとしっかり向き合う時間を作ります。

 あわせて、養護教諭や栄養教諭、事務職員の充実に向けて、配置基準を見直します。

(5)勤務間インターバル(休息)規制の導入
 毎日の生活時間を確保するため、原則11時間以上の勤務間インターバル(休息)規制を導入し、「過労死ゼロ」社会を実現します。

(6)学校教育を支える専門家・ボランティアの充実
 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、学校用務員、給食調理員、看護師、部活動支援員等の専門家の配置や地域ボランティアの参加を充実させ、子どもたちが学校で安全・安心に過ごせる環境を整備します。


以上

20230324教職員の働き方改革中間報告.pdf