衆院本会議で4月6日、政府提出法案「我が国の防衛力の抜本的な強化等のために必要な財源の確保に関する特別措置法案」に対する趣旨説明と質疑が行われ、立憲民主党から末松義規衆院議員が登壇しました。

■GDP2%を短期間で目指す理由
 末松議員は、「NATO諸国で国防費をGDP比2%を目標としていることは承知しているが、NATOのメンバーでない日本がNATOの目標であるGDP2%を短期間で達成」すべき理由を問いました。

 岸田総理は「戦後最も厳しい安全保障環境に直面している」とし、「NATO各国は経済力に応じた国防費を支出する姿勢を示している。GDP比で見ることは指標として一定の意味がある」と述べました。

 末松議員は、NATO諸国においては、国防費をGDP比2%到達の目標を10年かけて達成することになっているが、2021年時点で2%に未達の国が30カ国中22カ国もある」と指摘し、「財政的に厳しいわが国としては、その実現に極めて無理がある」との考えを述べました。

■膨大な国債の存在と戦争費

 末松議員は、「借金1000兆円の国債を抱え、対GDP比250%程度と借金まみれ」の今の日本は、「戦時国債が大量に乱発され、借金の対GNP比が250%を超えた大戦末期の1944年と同様」だと指摘し、「健全な財政、強い経済力は我が国の抑止力に不可欠」と訴えました。

 岸田総理は、財源確保のメドがたたない「約4分の1については、令和9年度に向けて、税制措置の協力をお願いしたい」「責任ある財政に努めていく」等と述べました。

■戦争回避のための外交力の抜本強化

 末松議員は、「戦争回避のために日本として全力を尽くすための外交力の抜本強化が必要」と述べ、総理の見解を問いました。

 岸田総理は「極めて重要」だとし、「人員体制の強化に鋭意努めていく」と述べました。

■日本の役割

 末松議員は、日本が「歴史的・地理的・政治経済的に考えて、米中の緊張緩和を主導するに最もふさわしい国」と指摘し、総理の見解を問いました。岸田総理は「米国との強固な信頼関係のもと、中国に対して大国としての責任を果たすように促していく」と述べました。

■台湾有事

 末松議員は、「台湾を守るという構図の中、わが国も戦争への道に巻き込まれることにならないのか」との国民から多く寄せられる懸念を紹介し、総理の見解をただしました。

 岸田総理は、「台湾海峡の平和と安定は重要。台湾をめぐる問題について、対話により平和に解決されることを期待する」と述べました。

■日米防衛協力について

 日米防衛協力について、末松議員は「日本が戦争に巻き込まれるか、日米同盟を破綻させるかという究極的選択につながる極めて重大な問題」と指摘し、総理に見解を求めました。岸田総理は「個別具体的に判断」「わが国が主体的に判断」すると答えました。


■自衛隊のいくつかの諸課題について

 末松議員は、(1)急拡大した防衛予算に対応できない自衛官不足の問題や台湾有事等の顕在化による自衛官の集団退職を防止する改善策、(2)サイバー関係の人員の確保に当たっては、民間の優秀な高度技術者を幅広く予備自衛官にしながら、民間人専門家を大量にリクルートすること(3)作戦運用の効率化と各種法制・規制の改善による実質的防衛力の強化(4)世界水準の何倍もの割高な調達になっている国内製装備品の存在やライフサイクルコストの大幅な高騰に対する改善策をまとめること――等、自衛隊をめぐる課題について指摘しました。

 岸田総理は、「重要な指摘」と述べました。

■具体的な財源確保策の諸問題について

 末松議員は、財政確保策の諸問題について(1)復興特別所得税の流用は「到底認められるものではない」こと(2)税外収入の利用は持続性・安定性を欠くこと(3)決算剰余金の活用はいわば「防衛財源ロンダリング」になりかねないこと(4)歳出改革は具体的内容は全く明らかにされておらず実現があやういこと――等を指摘しました。