参院内閣委員会で4月20日午後、岸田総理出席で新型インフルエンザ等対策特別措置法及び内閣法の一部を改正する法律案の質疑が行われ、立憲民主・社民の水野素子議員が質問に立ちました。

 水野議員は、「司令塔組織の乱立が現場の混乱と無責任体制につながるのではないか。あるいは政府の有識者会議の人選が不透明で恣意的な運営が多いという問題意識で質問したい」と切り出し、(1)司令塔組織の複雑化・無責任化(2)感染症対策と経済再生という利益が相反する大臣の兼務(3)有識者会議の人選・運営の改善――について質問しました。

 水野議員は、本法案で設置を盛り込んだ「内閣感染症危機管理統括庁」について、「指揮命令系統が複雑で有事に機能しない。現場に近い厚労省に総合調整機能を追加し出向者を受け入れて総合調整を行う、あるいは内閣官房に現存している新型コロナウイルス等感染症対策推進室を活用すれば良いのではないか」と提起。これに対し岸田総理は「組織はシンプルで分かりやすいものであるという観点は必要」とした上で、「国民の生命のみならず国民生活、国民経済も踏まえた、政府全体を俯瞰した総合的な対応が必要」だと述べ、これに応じませんでした。

 岸田総理はまた、感染症と経済再生と利益が相反する大臣の兼務については、「感染対策と経済活動を両立させることが国民の命と暮らしを守っていくことにつながるという考えで新型コロナ対策・健康危機管理担当大臣と経済財政政策大臣の兼務体制を用意した。不適切との指摘はあたらない」と強弁。有識者会議の人選については、「個々の政策課題に応じ多様な意見を反映できるようにする必要がある。画一的に共通のルールを設けることはなじまない」とする一方、「委員の選定や、公開性などEBPMに則った運営改善の指針を示すべきではないか」との水野議員の問いには、「政策形成におけるEBPMは重要。EBPM統括責任者等で構成する推進委員会を設け、エビデンスに基づく政策立案を推進している」と述べました。

 水野議員は最後に、「安倍政権以降、官僚主導の名の下で戦略本部や司令塔が乱立し、その下にたいてい不透明な『有識者会議』があり利益誘導や天下りの温床になっている」と指摘。自身の専門分野である宇宙政策委員会に言及し、「密室的で利己的・不公平な政策決定や天下りが、日本の産業の成長や競争力を阻害し、政治不信や社会の活力の低下につながっている。透明な政策決定過程をお願いしたい」と求め、質問を終えました。