参院行政監視委員会で4月24日、小沢雅仁議員が、身寄りのない方が亡くなったときに所持していた金銭等や物品を指す「遺留金品」について3月に総務省が公表した厚生労働省と法務省に対する「遺留金等に関する実態調査の結果に基づく勧告」を踏まえ質疑を行いました。

 小沢議員は、この3年間で、厚生労働省と法務省が「身寄りのない方が亡くなられた場合の 遺留金等の取扱いの手引(2021年3月)」が周知されるなど前進していると受け止めている」と一定の評価をしました。

 その上で、今回の勧告を受けて、対応策についてどのように考えているか問いました。

 厚生労働省、法務省ともに、勧告を踏まえて、「手引きの改訂」を検討していることを明らかにしました。

 小沢議員は、「市区町村が預貯金から引き出す際に求められる書類について手続きの簡素化を求める声がある。個別に書類について交渉をする負担を考えると、国が統一した方が良いのではないか」と統一書式を提案しました。

 これに対して、厚生労働省は「手引きの改訂の中で検討する」と答弁し、金融庁等は「遺留金の手引きが改訂され次第、全国銀行協会等を通じて各金融機関に周知したい」と述べました。

 小沢議員は「遺留金は国庫に帰属することになっており、自治体が遺留金の事務処理を行うインセンティブが弱くなっている。遺留金の自治体への帰属を求める声も起きている。相続人調査調査の費用について遺留金を活用できるように国が動くべき」と提案しました。

 これに対して、厚生労働省も法務省も「慎重な検討が必要」と答えました。

 小沢議員は、遺骨の保管について「約6万件。法令上の規定がないとのことで、役場のキャビネットに補完しているとこもある」と指摘しました。

 厚生労働省は「厚労省だけでなく、関係省庁と連携しながら、どういう対応が考えられるか検討していきたい」と述べました。