衆院財務金融委員会で4月25日、野田佳彦議員は自衛官の充足率等について質問し、「防衛力強化の実現には人材確保こそが必要」と訴えました。

(2023年3月防衛省資料) 

  2021年度末における◆即応予備自衛官は51.6%で7981人 ◆予備自衛官は69.8%で約4万7900人 ◆予備自衛官補は54.7%で4621人。全部あわせて6万程度。現役の定員は充足率93.4%で約24万7000。両方あわせて約30万人。

 野田議員は、防衛省に数字を確認しつつ「精鋭度が問われる『士』の部分が徹底的に足りない」「他国を見ると、現役の自衛官に対して予備役はほぼ同数かほぼ半数が予備役。その意味でいくと日本は元々手薄な上に、さらに充足率が7割。いざという時にかけつける即応予備自衛官が5割」「一番の足元である、2020年度に採用した任期自衛官候補生は、計画人数の半分以下。かつて、2018年に採用計画72%、最低だったが、任期制自衛官の採用年齢の上限を27歳未満から33歳未満に引き上げて対象を拡大してなんとか採用人数を増やそうとした結果、今回半分以下になっている」等と指摘しました。

 そして、「装備を充実しても人手が足りなければ意味がない。きわめて危機的な状態。静かな有事は自衛隊という組織の足元にも忍び寄っている」と強い懸念を述べました。

 原因について、井上副防衛大臣は、少子化、新型コロナによる募集イベントの縮小、求人倍率が上がったこと等をあげ「要因を分析中」と述べました。

 野田議員は、2月に発足した「『防衛省・自衛隊の人的基盤の強化に関する有識者検討会』に触れ、自衛官の待遇改善が必要。検討会のメンバーに自衛隊OBや士官など現役世代をいれるべき」と提案しました。

 同日午後には、階猛衆院議員も自衛官の充足率について質問しました。

 階議員は「午前中の質疑で自衛官の充足率が低下した要因をあげていたが、報道によれば、ロシアの軍事進攻より武力行使が現実味を帯びてきたことも挙げられていた」と指摘し政府の認識を問いました。

 木村防衛大臣政務官は「因果関係について調査するかどうかも含めて、今後検討していきたい」と答え、階議員の求めに応じ、理事会にその結果を報告することとなりました。