岡田克也幹事長記者会見
2023年4月25日(火)17時40分~18時06分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/lZ7082CavC4
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言
○第73回常任幹事会を開催
【幹事長】
常幹ですが、きょうは、中心は選挙の結果の報告でした。
主として選対委員長のほうからご報告をいたしましたが、まず、統一地方選挙について。特に後半戦ですが、一般の市区町村議会議員、現有議席が447に対して、当選は、公認が374、党籍のある推薦が70、合計444。したがってマイナス3ということであります。前半戦は、既にご報告していますように、政令市議会議員がマイナス2、道府県議会議員がプラス10でありますので、全体を合わせるとプラス5ということになります。横ばいだったということであります。
それから、補選について、それぞれの結果をご報告したわけでございます。
若干意見のやりとりはありました。いずれにしても、補選につきましても、統一地方選挙についても、それぞれの都道府県連にまず意見を集約してもらおうということで、なるべく早くその発出をして、それぞれ機関決定が都道府県連でも必要だと思いますので、連休明けはちょっと厳しいかな、5月の20日くらいになるかと思いますが、それくらいまでに意見を出してもらって、それを集約した上で、党としてしっかり議論していきたいと思っております。
以上が常任幹事会であります。
○入管法改正案について
【幹事長】
それ以外は特にないのですが、一つ、入管法の問題です。
きょうもこれから部会が開かれ、あしたも開かれるということで、先ほど長妻政調会長が私に言っていかれたわけですが、今、4党で議論しているということでありますが、我が党の考え方は、5項目について、政府案について不十分だという意見を出しております。それを説明しているわけですが、それに対して明確な答えが返ってきていないというのが現状であります。例えば、難民認定の際に第三者機関を入れ難民認定を行わせる、収容時の裁判所の関与等々、五つの項目について、きちんとした答え、こういうふうに変えますという答えをいただいておりませんので、部会のこれからの議論ですが、このままではとても修正について合意するとかいうことにはならないだろうというふうに思っております。
きょう、あすの部会における議論を踏まえ、最終的にはNC(次の内閣)で決定することになると思います。
■質疑
○統一地方選及び国政補選の結果を受けて
【共同通信・恩田記者】
補選関連で伺いたい。補欠選挙が終わり、きのう維新、きょう国民と記者会見をした。野党協調についてはどちらも否定的な考えを継続している。千葉5区の結果を受けて、次期衆院選に向けて野党共闘の今後の考え方を幹事長としてどうお考えになるかお聞きしたい。
【幹事長】
何を目指しているかということだと思いますね。ですから、今の自民党の政治に対してしっかり対抗できる、そういう力を野党としてつけていくということを目指しているのであれば、やはり選挙において一定の、共闘というところまでいかなくても、候補者の調整とか、そういうものは求められると思います。
千葉5区において、(得票率が)3割しかないのに自民党が当選してしまった。あれだけのスキャンダルがあった選挙区で、有権者の、7割の有権者の期待に応えられなかったということは、私は大反省すべきことだと思っております。
そういう観点から言うと、調整できなかったのは大変申し訳ないと思いますが、そういう調整すら必要ないというふうに言われると、それは国民の期待に応えているのかというふうに私としては問いかけたいと思います。
【共同通信・恩田記者】
もう一点。きょう国民の玉木代表は政策的には維新のほうが近いという考えを示した。連合を通じて立民は国民と連携しているわけだが、こうした玉木代表の発言について幹事長の受け止めはどうか。
【幹事長】
いちいち他党が言われたことにコメントするつもりはありません。ただ、立憲と国民は考え方はかなり近いというふうに多くの両党所属の議員は思っているはずだと思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
今のご発言と、日曜日のNHKの夜10時頃のご発言で、野党が一本化すれば勝てていたという趣旨の発言をされている。千葉5区だが。あの時点では参議院大分の結果が出ていなかったとはいえ、参議院大分は全くの一騎打ちで、2人立候補して、敗れている。野党一本化というのは、引き続き原理原則なのか、どういったことなのか。これから県連と集約が上がってきたらまた考え直すのか。
【幹事長】
野党が一本化する、あるいは選挙で候補者の調整をするということは、必要条件であって、十分条件ではありません。ですから、大分で前回の参議院選挙で現職の足立信也さんが負けているわけですね。あのときは共産党は出たわけですが。やはり地力の差というのはあるのです、地方に行けば。
それに加えて吉田さんが勝った大分市の投票率が非常に低かったということがあったわけですが、少なくともぎりぎりのところまで、私は自民党は肝を冷やしたと思いますよ、大分は。そこまで追い詰めることができたことは事実。
もう少し私たちは力をつけなければいけないということだと思います。
【フリーランス・宮崎記者】
今後、衆院選に向けて、原理原則だということか。衆議院小選挙区・比例代表に向けても、なるべく、大分が結果的になっているみたいに、与党1人、野党1人にしたいということか。
【幹事長】
それはそれぞれ相手のある話です。
従来から申し上げているように、少なくとも国民民主党とは、お互い政策的にも近いわけだし、連合、働く人たちを一つの大きな基盤とする政党ですから、私はもっと協力したり調整することができるはずだと思っています。ここは変わりません。
ただ、維新はそういう意味では考え方が違いますので、国会の中での共闘というのは案件によってはあると。なるべくそういう共闘を増やしていきたいとは思っていますが、選挙ということになると、それはライバルだということは前から申し上げているとおりです。だから、積極的に選挙において協力するというのは、私はそこまで考えているわけではありません。ただ、候補者を調整するということは一つの知恵としてあるのだというふうに思っています。
【フリーランス・宮崎記者】
山口2区だが、改めて、平岡秀夫さんが公認されていないのは県連から上がってきていないからだという答え方でたぶん全てになってしまうかと思うが、連合の中で、中国電力の方たちの考え方が、どうしても立憲民主党公認で、かつ平岡さんの個人的な考え方も知られているようだが、電力を中心とした連合の山口の人たちが意見が合わないから上申されなかったと。そういった認識を党本部として仮に察知されていて、また、そういった場合に党本部から何か言葉を発することができないと。そういった形が山口2区だったということでよろしいか。
【幹事長】
私たちは組織ですので、県連から上がってこないものを頭越しに公認するということは、それはあり得ません。
【NHK・岩田記者】
常任幹事会で、補欠選挙の結果に対して出席者から具体的にどのような意見があったかということと、今後のまとめ方について、都道府県連から意見を集約するということだが、そういった進め方についての意見などがあれば教えていただきたい。
【幹事長】
具体的な中身をこの場で、誰がこういう発言をしましたとかお話しする、そういう筋合いのものではないと思います。
ただ、こういうところが問題だったのではないかとか、そういう意見は個別に、政見放送のビデオがあまりよくなかったとか、そういう議論は出ましたが、基本的に根本的にこういうところが違ったのではないかとか、そういう議論が出たわけではありません。
【NHK・岩田記者】
今後の話だが、例えば今回の統一地方選挙や補欠選挙の総括をすべきだという意見や、あるいは両院議員総会のような場、何か意見する場を求めるような声はあったか。
【幹事長】
どういう形で説明していったらいいかということは、これから考えていきたいと思います。まずは各県連にそれぞれ集約してもらわないといけませんので。統一地方選挙も補選もですね。それを踏まえて党としての執行部としての判断というのがあると。それの説明という、そういう話だと思います。
【読売新聞・中山記者】
冒頭ご発言があった統一地方選挙だが、トータルで全体プラス5、横ばいという言葉があったと思う。参院選の総括では、統一選は現有勢力の維持という旨で目標があったと思うが、統一選の目標達成という意味ではどのようにお考えか。
【幹事長】
現有議席は守ったということは言えると思います。ただ、それが誇るべきことなのかというと、ぎりぎりの中で何とか踏みとどまったということだと思います。
いろいろな状況、反省があるというふうに思いますが、例えば私は三重県ですから三重県の例で見ていると、県会議員選挙で公認というのは1人しかいない。前回はもっといたのです。でも、やはり民間産別の応援ももらうとなると公認ではないほうがいいのではないかと、そういうふうに個々の議員が判断されて、党籍のある推薦、あるいはもう党籍もないという、そういう議員もいました。本来であればもっと気持ちよく、国民・立憲で分かれていたりするのではなく一つで戦えたらもっとすっきりできたと思いますが、なるべく幅広く支持を得ようとする議員心理もわかりますから、私はやむを得ないのではないかというふうに言ってきました。
三重県では県会議員は21名当選して、自民党と同数。会派的にはおそらく第1会派になると思うのですね、追加的に入る人がいますから。県会議員は全員当選ですから、そういう意味では、会派に入っている、ローカルパーティーに入っている人は全員当選ですから、100点満点に近かったと思うのですが、実際の数字を見ると公認は1人、県連の推薦を受けて党籍のある人も21人の中で4人という状況です。だから、あとの16名は党籍がない、だけど同じ会派でやっている、そういう人なのですね。そういうのは全部ここの数字から落ちているわけです。
市議会議員になると、自民党さんだって公認というのはほとんど少ないと思うのですね。だから、公認にこだわって議論することがどれだけ意味あるのかなというふうには思います。
【読売新聞・中山記者】
もう一点。今、踏みとどまった旨の発言もあったと思うが、補選では厳しい結果が出たとはいえ、地方議員というのは国政選挙の足腰ともなる存在だと思う。その意味で、この統一選の結果というのは、次期衆院選なりに向けて、反転攻勢という観点では、どのように位置づけられるか。総括前に恐縮だが、その辺をどのように受け止められているかお聞きしたい。
【幹事長】
地方統一選挙のほうですか。
【読売新聞・中山記者】
そうです。
【幹事長】
地方統一選挙は、課題は非常にあるというふうに思います。これから各県連から出してもらいたいと思いますが、やはり出している候補者の数が少な過ぎるのです。どうしても守りの選挙になっていると思いますね。特に弱い県連においては。組織内の現職が中心で、新しい人を出していない県連が多いと思います。
もちろん、宮崎県とか、幾つかのところはかなり新しい人を出して健闘したりしていますが、全体が、やはり党が分裂したということの影響もあって、県連組織が非常に弱くなっているということは言えると思います。そういう中で、候補者もたくさんチャレンジするという感じではないところが多い。だから、それはもう県連そのものを、手を入れていかないと変わらないところではないかと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
野党の伸び代というのを見たら、その9割は維新に行った。国民もかなり伸びた。立憲はほとんど変わらないで、共産党は100近い減。野党間の競争という意味では、野党第1党の影が薄くなったと、それをどう受け止めておられるか。やはり立憲の声というのが地方の津々浦々に伝わっていっていない。横ばいでいいというか、一方はもう倍増しているわけだが。そこのところはどういうふうに分析されているか。その理由。なぜ伸びないのか、立憲だけが。
【幹事長】
それはやはり党が大きな固まりになれていないということは大きいと思います。そして、そういう状況を見て、やはりそれより新しいものに期待しようということで維新が支持を得たということもあると思います。
ただ、維新は、新しく当選された方がたくさんいらっしゃいますが、これから問われるのはそういう人たちの力量ですよね。4年後に、どれだけの仕事ができたのかということが問われるのだと思います。
【「FACTA」・宮嶋記者】
私、党大会で、地方選はなかなか大変なことになると泉さんに伺った記憶がある。これはやはり執行部が維新というものを、維新は明らかに立憲を今度蹴落とすという方向で、元々そういうプランを持っているわけだが、やはり維新に対して少し軽んじていたというのか、選挙というものをすごく甘く考えていたとしか思えないような結果だ。率直に、執行部の責任問題、つまり、このまま期待の受け皿になれないまま解散されたら大丈夫なのかというのは率直に伺いたい。
【幹事長】
今回維新が伸びた、例えば奈良とか和歌山とか、これは明らかに自民党の失策ですよね。それぞれちゃんと候補者を擁立していればこういうことにはならなかったわけです。そこまで立憲の責任と言われても困るわけです。
選挙については、私は前から、維新はライバルだと。国会の中では共闘、場合によってはあるけれども、選挙においてはライバルだと。そこは全く変わっていませんので、しっかりしのぎ合っていきたいと思います。
【フリーランス・小山記者】
今、候補者がちょっと少なかったというお話を伺ったが、地方ちょっと減っているのはそのせいなのかなと思ったが、関東一円、だいぶ一般市区町村議会議員が増えているので、この点について、今回、立憲の何がすごくよくて、埼玉、千葉、神奈川、栃木、群馬、この辺りがかなり増えているということはどう思われるか。
【幹事長】
それは何についておっしゃっていますか。
【フリーランス・小山記者】
統一地方選のほうです。
【幹事長】
統一地方選挙の、何の選挙。
【フリーランス・小山記者】
一般と道府県会議員、どちらも関東一円がかなり増えているので、こちらの要因をどう捉えているか教えていただきたい。
【幹事長】
東京は区議会議員は増えていますが、ほかがそんなに増えているという認識は私はあまりないのですが。
【フリーランス・小山記者】
SNSでは、埼玉県とか、立憲の若い人が勢いがあるねというような声も上がっているが。
【幹事長】
個別の選挙区ではそういうことはあると思います。
【フリーランス・小山記者】
私はこちらの記者会見に来てまだ日が浅いのであれだが、推薦のほうはほとんど当選というふうに見受けられるが、これはやはり自立性の強い議員というか、いつもこれくらいは勝つのか。
【幹事長】
いや、推薦が強くて公認が弱いということは別にないと思います。
○法案審査等について
【フリーランス・小山記者】
NCの法案審議のほうだが、番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案の反対の方向で一任となっているが、こちらは国民のほうに投げかける内容としてはどういったものなのか。
【幹事長】
申し訳ありませんが、政調会長の会見で聞いてください。
【フリーランス・小山記者】
NCの議論は、党大会で幹事長がおっしゃったように、基本政策に関する議論というのは深まっていらっしゃるか。
【幹事長】
NCでいろいろな議論はしているはずですが、私はメンバーではないのでわかりません。
○次期衆院選 候補者擁立について
【「FACTA」・宮嶋記者】
まさに常に戦場だとおっしゃっている幹事長に伺うが、きのうの維新なども、とにかく候補者を投網にかけて集めるような、そういう運動を始めるわけだが、立憲は今後そういう、早ければ6月末解散の話も含めて、その候補者擁立について、現実にプランはどんなふうになっているのか。いつくらいから動き出すのか。そのスピード感を伺いたい。
【幹事長】
スタート台のベースが違いますので、我々はもう既に、現職も含めて、そして総支部長、150くらいのベースを持っていますので、それにある程度積み上げていくということだと思います。
維新のほうは、いろいろ言っておられますが、何といいますか、本当にそこまで行くのかどうかというのはこれから見てみないとわかりませんので。そんなに簡単に候補者は擁立できないというふうに思うのですね、基本的には。