参院本会議で5月10日、「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案」に関する代表質問が行われ、田島麻衣子議員が登壇しました。

 冒頭、田島議員は、「わが国が宣言した2050 年カーボンニュートラルの目標達成に向け、わが国としても、『公正な移行』という前提の下で、脱炭素社会への移行に着実に、そして確実に取り組む必要があることは、論をまたない」と述べ、だからこそ危惧している点として、「グリーントランスフォーメーションを理由に、政府による原子力政策の見直しが、あまりに急に始まり、そしてあまりに急に終わりに近づこうとしている」「ウクライナ侵略を発端としたエネルギー危機への対応のために、目先の利点がクローズアップされ、国の長期的なエネルギー安全保障に関するビジョンや、具体的な安全性についての議論が置き去りにされているのではないか」「『規制と推進の分離』という福島第一原子力発電所の事故からの大きな教訓が、忘れ去られているのではないか」と指摘しました。

 続いて、以下の観点から法案への質問を行いました。
〇原発運転延長の安全性に関する科学的・技術的な議論の欠如について
〇本法律案を「束ね法」とした事にする懸念
〇高経年化した原子炉に対する安全性の確認方法について
〇本法律案の策定プロセスに見られる「規制の虜」の懸念
〇長期的なエネルギー政策に関するビジョン

 最後に田島議員は「地震災害から逃れる事のできない日本で原子力政策に関する考え方は、保守・リベラルなどの政治的なスタンスを超えて、過去の事故をどのように捉え、人間の理性をどのように評価するか、そのために今、われわれは何を準備しておくかにかかっている」と指摘し、「そのための新しい技術への投資であり、正直でオープンな議論であり、実行であると考えます。右でも左でもなく、前へ。立憲民主党は、人と地域を大事にしながら、グリーンな雇用を生みだし、グリーントランスフォーメーションを着実に実現していく事を約束する」と訴えました。


電気事業法登壇原稿(最終稿)230510(田島議員).pdf