泉健太代表記者会見

2023年5月19日(金)10時30分~11時34分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/3dQgKlEKOnM


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○沖縄の本土復帰51年に当たって

【代表】
 おはようございます。
 ちょうど、先週の会見が5月12日ですから、その後に沖縄の(本土)復帰51年というのもございました。そして、6月23日も、また沖縄で式典が行われるというふうに思っています。
 そういうこともあり、きょうは「かりゆし」で記者会見をさせていただくということです。

○G7広島サミットの開幕に当たって

【代表】
 まず、サミットがいよいよスタートしたということです。
 先ほど私も平和(記念)資料館に歩いていく岸田総理の映像を見ておりましたが、当然、日本の広島で開催されるサミットですから、これは成功を期待したいと思いますし、各国の首脳と率直な議論が行われた結果、まず、ウクライナ戦争の終結とロシアの全面撤退に向けて一歩でも前に進むサミットであってほしいということも当然でありますし、経済・エネルギーにおいて、国際社会にあまねく、貧困な地域ですとか経済的に厳しい国にもこの人類が生み出した資源・資産がちゃんと行き届くような国際社会をつくっていく。そして、当然ながら先進国、このサミット参加国の国内の経済や、民生の安定、物価の安定ということでも意見交換をしていくということになろうと思います。さらには、日本を取り巻く周辺の平和ということもそうですし、今後の国際社会の平和、あるいは気候変動への対応、また、新しい技術、AIなどへの対応ということで議論もされると思います。ぜひ、岸田総理、そして日本政府には、成果を出していただきたいと思います。
 平和資料館の映像が先ほど流れていたという話がありましたが、かつてアメリカのケリー特使(国務長官)が資料館をしっかり時間を取って中を見たということがありましたが、そのような形になるのかどうか、これもやはり注目・注視しております。非核ですとか核軍縮という言葉はこのサミットで幾度も出てきますが、現にロシアによる核の威嚇が行われ、中国では核弾頭の数が増え、そして、なかなかプルトニウムの国際管理も不十分である。そして、先進国もまた、欧米もまた、核軍縮という意味では取組はできていないという状況にありますので、この日本がリーダーシップを取って、さらに国際社会の中で核軍縮・核廃絶ということに向けて取り組んでいっていただきたい。
 その意味では、その資料館をどれほどに各国首脳がしっかりと見ていただけるのかというところもありますが、ぜひ総理には、どんなお土産を用意されているのか。各国首脳に広島サミットの記念の、それは饅頭を作ったり何だりというのはあるかもしれませんが、私はぜひ、戦後、被爆からずっと苦しんでこられた多くの被爆者、ご家族がおられ、そして、復興を願い、復興に取り組んできて今の広島があるということを考えたときに、総理から各国首脳への贈り物の中にいわゆる原爆被害の写真集というものが入っていればよいなというふうには思っているところであります。
 そういったことも用意されていると私は信じたいですし、きっとそうであると思っていますから、こういったことも外務省などに確認をして、やはりしっかり各国首脳が帰りの飛行機の中で、あの原爆投下というのはかくも非人道的で悲惨な、そして長い間多くの方々に被害をもたらすものであったということを、もう目に焼きつけていただくと。そういうことも大事な取組ではないかと思っておりますので、ぜひ、あと数日で帰国をされる各国首脳でありますが、そういうことも政府には確認をしていきたいと思っております。

○少子化対策の財源問題について

【代表】
 次は、少子化(対策の)財源に医療保険料の上乗せを検討しているという話が出てきています。
 防衛費は暴走して、そして一方では、この少子化財源は迷走という感じがします。自民党の幹部がいろいろな発言をしたり、自民党幹部と政府の側で発言がさまざまあっち行ったりこっち行ったりしているということで、まさにこれは迷走。少子化財源は全然明確にならないということで、防衛財源だけはどんどんリアルになっていく。と言いながら、きのう財確法で我々は財務大臣の不信任決議案を出しましたが、実際には、この財確法の中でも明らかになっていない、形だけの不完全なフレームということも明確になってきましたので、財確法は財確法で問題なわけですが、これまた、この少子化対策の財源については、今、政府は右往左往ということで、果たしてこの医療保険料上乗せということになるのかどうか。
 改めてですが、我々はまず一つ、この防衛費の確保のときにも(政府は)さまざまな歳出削減や決算剰余金ということを言ってきた。そういうものがあるならば、まさにこういう国で歳出改革の中で出てきたものを(少子化対策に)充てていくということも当然のことだと思いますし、恒久的なという意味では税制を変えていく。所得税、法人税、金融所得課税、そういったところから財源を捻出していくということで手当ができるというふうに考えておりますので、この政府・与党の迷走ぶりというものについては、もういい加減にしていただきたいと。
 そして、今、解散・総選挙の話も出てきていますが、6月に大枠を提示と言って、結局防衛費だけは暴走、先ほども言いましたが少子化対策の財源は迷走というまま、国民に信を問うということであれば、そういう審判を国民の皆さんには下していただきたいというふうにも思います。

○芸能界における性的虐待問題について

【代表】
 続いて、ジャニーズ問題です。
 これは我が党で、まさに被害者側からの、国会、これは国会のどこがということは、彼らがどういうアプローチをしていたか、そこは私はつぶさにはわかりませんが、少なくとも立憲民主党にはアプローチがあって、そして、立憲民主党としてはこれは法改正が必要な、また、今回の被害者はもちろんのこと、他にも同様の被害が起こるケース、あるいは起こったケースというものが否定できる状況ではないと。児童虐待防止法を見つめたときに、そういった考え方に至りましたので、我々としてはヒアリングを行いました。
 もちろん児童虐待防止法は、これは超党派で2000年に成立した経緯がありますので、私たちとしては、立憲民主党として何か手柄を取るという発想はありません。ですから、明確に、自民党にも協力を要請して、超党派でこの児童虐待防止法の改正チームを立ち上げて、そして、象徴的にというか、一番代表的な論点としては児童虐待防止法の2条のところの「保護者」の読み方ですね。保護者、監護者の読み方というところについて、第三者で地位利用というものによって、第三者なのですが地位利用の形で児童虐待と同様なケースが行われた場合の、この児童虐待防止法による法の対処というものができるようにしていこうということで、今、私たちは自民党にもアプローチをしているというところであります。
 もちろん各政党にもアプローチはこれからしていきたいと思っております。野党が主導で取り組むということでもなくて、やはり超党派で取り組むべきこと、与野党で取り組むべきことという観点から、まずはきのう自民党の側に我々から申入れというか協力の要請をしたところであります。

○若手・女性の候補予定者への新たな貸付制度の創設について

【代表】
 そして、総選挙に向けた取組で、きょう衆議院選挙に向けた総合選対を開催いたします。これまでは統一地方選挙、そして衆参補欠選挙でしたから、そういったところに向けての会合を開いてきましたが、衆議院選挙に向けてのという意味ではきょうが初会合ということになります。
 この会合では各部局の取組などを一度点検して今後の方向性というものを共有していくということがまず第一歩になりますが、特に、統一地方選挙でも随分多くの若い世代、女性の仲間たちが当選し、数を増やしました。若手議員は45歳以下の議員も90名が初当選し、女性議員も60名が増加したということでありますので、改めて、これからも立憲民主党としてはこの青年や女性の擁立にも力を入れていきたいと思っています。
 その意味で、次期総選挙に向けて、女性候補、そして45歳以下の男性候補、初めて挑戦をするという方でありますが、その方に対して、通常の支援、これは他党よりも活動費ですとかは我々は額も元々多い政党でありますが、それに加えて上乗せをして、45歳以下の男性候補者、そして女性候補者は年齢問わずですが、100万円の資金貸付制度を新たに創設したいと思っています。
 こういう形で、世代を交代させていく。そして今、どんどんどんどん新しい技術、そして例えば多様性を認めるということも新しい普通の価値観として世の中にどんどん浸透していっている中で、世代においてもさまざまな世代が集う国会にしていきたい。女性の方々も多くが活躍できる国会にしていきたい。こういう思いで、我々はこの貸付制度を新たに上乗せで設けたいと思っています。

○「防衛財源確保法案」について

【代表】
 あと、財務大臣の不信任決議。これは否決されましたが、立憲民主党としては、この財確法はやり過ぎ法案、行き過ぎ法案、暴走法案だというふうに位置づけて、安全保障を考える我々、現実的な安全保障を考える立憲民主党においても、余りにこの防衛費の増加というのは議論が煮詰まっていない。そして、枠組み、フレームがいい加減であると。
 もう皆さん何度も聞いているから当然理解されていると思いますが、決算剰余金の算定の仕方などは、このコロナ禍で異常な額にそもそもなっている。予備費だってそうです。そういうものを平均値の中に組み込むというのは、本来の予算の姿としてはおかしいわけですね、算定の仕方としては。これを平気で行っているということも含めて、捕らぬタヌキのような、この財確法になっているということ。極めていい加減だと思います。
 だからこそ我々は廃案を目指しているということであって、しかも、財務委員長の解任決議、これは国会法30条の2に規定されていることです。スポーツで言ってみれば、ちゃんとルールブックに書いてあることでありまして、ルールブックに書いてあることをパフォーマンスだとか日程闘争だとか、何を言っているんだと。むしろ、全力で戦うだとか最大限の可能性を追求するということを忘れている政党がいるとしたら、それは戦う気がない。敗北主義だということになってしまうのではないかと思います。
 サッカーだって、PKが取れるかどうかわからない、もしかしたら観客やテレビで見ている人たちからすれば「これはPKは取れないよね」というペナルティーエリア内の接触があったときにも、やはりチームはPKをアピールしますよ。万一の可能性を信じて。それが勝負というものです。
 将棋でもそうですね。私も時々将棋はやりますが、千日手が、では、パフォーマンスだと。千日手が、これはずるいやり方だというふうに言うのは、これは勝負を知らない人間の言葉です。やはり時には、形勢が挽回できない、何としても形勢を、時局を打開したいということであれば、千日手に持ち込むという手法はこれは将棋では当たり前の話であります。
 やはりルールに基づいて解任決議や不信任決議というものを出しているからこそ国会ではその採決も行われるわけであって、それについて与党が、自民党も民主党政権のときには随分と多くの不信任あるいは解任決議を出していたと思いますから、それを批判するというのはまさに自民党へのブーメランだと我々は思いますが、野党の中でそんなことをやっても無駄だとか日程稼ぎだとかと言うのは、これはもう勝負をする心、気持ちが欠けている。口では反対と言っていても、あっさりと勝負を諦める、そういうことではないかなというふうに思います。
 ぜひ本気で戦ってもらいたいなと。もちろん何でもやっていいわけではありません。しかし、ルールに基づいてあらん限りのことをやっていくというのは勝負師としては当たり前のことなんだということは、多くの野党の皆さんにも私は共有したいと思います。

○「LGBT理解増進法案」超党派議連の合意案を国会に提出

【代表】
 あと、LGBT法。これはもう皆さんご存じのとおりです。きのう我々は法案を提出いたしました。
 これもそうですね。やはり与党が強いから、与党が採決したら勝つに決まっているから、与党のに乗りますという野党がいるとしたら、それは大きな間違い。公明党さんだって超党派で決めたほうに乗ってほしいですよねと思うわけですが。ですから、我々は超党派で策定した法案を提出しましたから、これにはぜひ、自民党は本当に話になりませんが、それ以外の政党にはぜひ賛成をしてもらいたいと、このこともまず冒頭お伝えしたいと思います。


■質疑

○G7広島サミット 日米首脳会談について

【時事通信・木田記者】
 本日開幕のG7サミットに先立ち、昨日、日米首脳会談が行われ、中国や北朝鮮に関する対応で連携することが確認されたが、受け止め、評価をお願いしたい。

【代表】
 これは冒頭もお話ししましたが、やはりウクライナ(戦争)の一刻も早い停戦、そしてロシアの全面撤退、そこに向けて国際的にはプレッシャーをかけていかなければいけないということとともに、当然ながらロシアに対してもさまざまなルートでの対話というのはやっていかなければいけない。この国際社会の平和と安定を確保するために、日本とアメリカでリーダーシップを取っていくということですね。
 そして、この間、(新型)コロナとウクライナ問題で大きく毀損された国際経済を、日本とアメリカを中心に回復基調に乗せていくという取組についてもやはり期待したいと思います。
 そして、やはり核廃絶・核軍縮ということについては、この夏にもNPTの運用検討会議の準備委員会などがまたありますので、そういったところで日本がどんなことを主張していくのかということについても総理には具体的なイメージを持っていただけるようにしてもらいたいと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【時事通信・木田記者】
 別件だが、次期衆院選についてお尋ねしたい。連合は小選挙区で立憲民主党と国民民主党の候補者一本化を求めているが、国民民主党との候補者調整についてどのようにお考えか。

【代表】
 これは、元々一つの政党であったところから今は分かれているということで、連合、あるいは両党の支持者、地域組織などで、共にやれるのではないかという声があると認識をしていますし、それは私は十分あり得てよいことだと思っておりますので、やはり対等に真摯に話をしていくという環境をできる限りつくっていければよいなと思います。

【時事通信・木田記者】
 十分あり得ることということだが、立憲民主党としては候補者一本化をしたい意向ということなのか。

【代表】
 いろいろな形があるので、何が理想かということを、その候補者一本化なるものに絞る考えはありません。いろいろなやり方があるのではないかということです。

【時事通信・木田記者】
 関連で。国民民主党側は、玉木代表が、安全保障やエネルギー政策の違いなどを理由に、立憲との協力を難しいと発言するなど、慎重な姿勢を示している。この現状をどうご覧になっていて、国民との歩み寄りに向けてどのように取り組まれたいかお聞きしたい。

【代表】
 代表が確かに何を発言するかというのは大きいのですが、党には政策ですとか綱領だとかがあると思いますので、そういうところで、多くの周囲の方々がすり合わせは十分可能だというふうに思っているということがまず一つだと思います。
 あと、やはり一番近いのが維新だということが、これは玉木代表の発言ではありますが、それが党の見解なのかどうかですね。そこはやはり問われてしまうことだと思うので、連合の側もそういうことではないのではないかというふうに考えていると私は感じましたので、そこは今後また玉木代表がどういうスタンスで発言をしていくかということではないかと思います。

【読売新聞・傍田記者】
 関連して、共産党との関係について伺いたい。代表は先日、共産党との選挙協力について否定されたが、なぜそのような考えに至られたのか、代表の思いを教えていただきたい。

【代表】
 政策を立憲民主党が掲げて、そして、その政策に投票してくださる方の投票用紙には、私は何々党支持者ですとか、私は何々党党員ですというのは書いていません。ですから、今でも、もしかすれば立憲民主党の候補者に投票した方々の中にいろいろな政党の支持者がおられる。これは当たり前のことだし、尊重したいし、ありがたいという感謝もしたいと思っています。
 ただ、私が他党との選挙協力のことについて基本的に今はないと言っているのは、まず、立憲民主党の私たち、そして候補者全ては、他党に頼らないということですよ。これがまず大事です。
 どこどこの党に一緒に戦ってもらったら1万票増えるとか3万票増えるとか、そういう計算をして選挙というのはやるものではないと基本的には思っています。やはり自ら訴え、自ら政党の政策も広げ、そういう中で共感者を増やして、そして勝つというのが基本であって、あらかじめ政党に所属をしていながら、そして、例えばもう政策協議が終わって一緒にやるということが明確になっているのであればそれは何らかの選挙協力だとかという話はあるとは思うのですが、今どこかの党とそのような状況にあるわけではないときに、数字だけを期待するという考え方では絶対に小選挙区では勝てないと思います。
 ですから、やはり自ら現状の小選挙区の状況をしっかり自己認識してもらって、そこでどれくらい上積みをすればよいのか、そして、どれくらい上積みをすればよいのかということを考えたときに自分自身の努力をどれくらいに設定していくのかということを、やはり各候補者には厳しめに見積もってもらわなければいけないと思っていますから、今、他党に期待をすることはむしろ自分の首を絞めることになる。そんな思いです。

【読売新聞・傍田記者】
 確認だが、現段階では政策協議が行われていない状況ということだと思うが、今後も共産党とは政策協議は行わないと。

【代表】
 全くそういう予定はありません。

【読売新聞・傍田記者】
 もう一点確認だが、共産党との選挙協力については、党本部、中央レベルの話なのか、それとも地方組織も含めての話なのか確認させていただきたい。

【代表】
 立憲民主党で、地方レベルにおいて、例えば勝手に協定を結ぶとかということは、普通あり得ないと考えております。

○国会における政策連携について

【NHK・高橋記者】
 私もほかの野党との関係について伺いたい。日本維新の会との国会内での共闘等が、もう最終便、解消されるということだが、改めてなぜなのか教えていただきたい。

【代表】
 共通して出す法案がもうない。まずそれが大きいですよね。
 それはあくまで私たちとすれば、特に今、最終便として残っているものというのは基本的に立憲民主党がつくってきた法案ですから、それについて賛同されるということであれば、では共同提出しましょうということであります。
 時に何か維新に逆に待たされたりしましたが、そこは我々最終便ということで、では、今、出すという段取りにはなりつつありますが、維新の側が、ある種本来的な政策の理由ではない形で、本来ゴールデンウィーク前に出せるはずだった給特法などが、1週、2週、3週と遅れてしまってきたのはとても残念だし、その意味で言えば、今、我々も一緒に出したいかと問われれば、最終便であっても果たしてどうかという気持ちはありますが、それでも大人の対応として、最終便は一緒に出すということであれば、それは出していくということになると思います。
 ただ、政策がまずあって、そして、その政策で賛同するというものがあって一緒に出すということですから、その政策がもうこれ以上ないということであれば、それは一緒にやる意義はないということです。

【NHK・高橋記者】
 代表はこれまでも、財務大臣不信任案の提出等々をパフォーマンスだと言われたりとか、ほかの野党、維新に対してだと思うが、自民党に近いのではないかというような発言も多いが、そういった維新の姿勢というのも共闘の解消等には影響しているか。

【代表】
 まあ、それは影響しているというか、そういうことですね。
 ただ、本当に思うのは、この論理理屈で言ってしまうと、ルールにまで書いてあることをやらずに、もう結果が見えているからといって戦わないということになると、株主総会で手を挙げて発言する人も無駄。取締役会で手を挙げて発言する人も無駄。少数派のやることはありとあらゆることが、無駄だ、パフォーマンスだと、ばかにしたりやゆしたりする、あなたたちはそういう考え方ですかということはやはり問われなければいけないと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【NHK・高橋記者】
 先日、共産党との選挙協力について述べたテレビ番組で、維新の会とも選挙協力はしないと明言されたが、候補者が野党で乱立するということが、自民党と対峙するという中で、結果的に利することになってしまわないかという懸念・指摘もあるかと思うが、これについてはいかがか。

【代表】
 さまざまな見方があるのでしょうね。維新の存在がどこの票を取るのかというのは、いろいろな意見を言う人がいますから、一様ではない。
 ただ、やはり立憲民主党は政策も提案し、そして、立憲民主党として我々が持つ綱領や基本政策があって、やはり価値観、政策に対する考え方、国会対応。立憲民主党の対応、やり方、進め方が、我々としては最も国民の皆様に自信を持って訴えたいことですから、まずやはりそれをしっかり訴えていこうよということです。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 先ほどの質問の関連で、維新との共闘をこの国会で終わらせるというふうにおっしゃったと思うが、日本維新の会は先ほどの質問にもあったように考え方等の違いもあるということなので、今後は基本的に維新の会とは、選挙が終わった後でもそうだが、基本的にはもう共闘はできないというお考えなのか。

【代表】
 先のことなんてね、誰も。変な話、選挙が終わった後、どちらかの政党が、それはどの政党もそうですが、どうなっているかなんてわかりませんからね。そんな先のことは、先過ぎるのではないですか。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 もう一点だけ。先ほど若い45歳以下の人や女性の候補者に対して、立候補する場合に100万円の上乗せをするとおっしゃったが、これはどういう狙いというか、つまり立憲民主が候補者が集まらないという話もあるが。

【代表】
 あれ、先ほど伝わらなかったかな。どういう狙いかというのは十分話をしたと思うのですが。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 ほかの狙いとして、例えば候補者が集まらないと。

【代表】
 ないです。

○「財務相不信任案」「芸能界における性的虐待問題」について

【フリーランス・堀田記者】
 LGBT法の前に言ったことは、きのうのれいわの櫛渕さんのパフォーマンスを意味しているのか。

【代表】
 いや、全く。何か、それはどういうつながりか、ちょっと私は理解していないのですが。

【フリーランス・堀田記者】
 要するに櫛淵さんがきのう本会議場で、与党も野党も茶番だといって何かパフォーマンスをした。そのことについて言っているわけか。

【代表】
 それがどうしたのですか。私はそのことについては言っていない。そこをイメージしては言っていないですが、何かありましたか。

【フリーランス・堀田記者】
 わかりました。それからジャニーズ問題だが、これまで増長させてしまった民間放送とか、ある意味ではNHKも含まれるが、その経営者たちを呼んでいろいろと話を聞くということは考えているか。

【代表】
 今、私の中にそういうことの考えというのは存在はしていません。というのは、まずこのヒアリングについては、我が党の中で、国対の中で担当者を置いて考えていますから、その中でいろいろなことは考えているかもしれませんが、私は今そこは承知はしていません。

○少子化対策の財源問題について

【日本経済新聞・朝比奈記者】
 冒頭言及のあった少子化財源の関連で伺いたい。政府は社会保険料の中でも特に医療保険の上乗せというのを検討しているようだが、この医療保険の活用については立憲民主党としてどのようにお考えか。

【代表】
 それも先ほどきちんと医療保険の話をしたはずなのだけれども。あれ、どうだったかな。僕、社会保険と言わずに医療保険と言っていたと思うよ、たぶん。
 もう一回言いますね。
 少子化財源に医療保険料の上乗せを検討しているという報道がありましたが、我々とすれば、これはもう与党迷走であるということだし、防衛財源はどんどん暴走している中で、この少子化財源は、与党の中、政府の中でも発言がさまざまに、税だ、あるいは保険料だと意見が出ていて、一向にまとまらない状況であるということです。
 そして、本来医療保険ですから、名称をどうするのかとか、保険加入者以外への給付にもし使うということであれば、これはまた国民が保険を信用しなくなってしまうでしょうから、そういうことも含めて、何を想像して、何を頭に描いてこういう発言をしているのかというのが全くわからない状況ですよね。
 ですからこそ、改めてですが、せっかく歳出改革をしても防衛費だけに回していくという姿勢が誤りだし、そして、法人税、所得税、金融所得課税、こういったところから財源を生み出していくこともできる。その努力もしていない中で、国民あるいは現役世代なりに負担をどんどんかけていくという姿勢は誤りだと思います。

○小西議員の対応について

【産経新聞・大橋記者】
 今週火曜日の岡田幹事長会見でもうこの問題は終わりにしようと思っていたが、小西さんのことです。きのう「私の発言はオフレコと明言し、かつ、息つく暇もなく撤回していたものでした」とツイートされている。もう反省ゼロです。この小西さんの発言についての受け止めをお願いしたい。

【代表】
 ある意味、大橋さんと小西さんのやりとりが、かなり個別のものになり過ぎて、ちょっとなかなか理解できない状況なのですよね。もうさらに個人やりとりが増えているような気もするので、ちょっと把握しかねます。すみません。

【産経新聞・大橋記者】
 これは個人のやりとりではない。

【代表】
 小西さんとのやりとりではないのですか。

【産経新聞・大橋記者】
 小西さんのツイートです。これはツイッターで小西さんがきのうツイートした。

【代表】
 ごめんなさい、見ていません。

【産経新聞・大橋記者】
 「私の発言はオフレコと明言し、かつ、息つく暇もなく撤回していたものでした」と小西さんがきのうツイートしている。

【代表】
 ちょっとわかりません。すみません。
 なかなか、大橋さんの中でいろいろ考えられていることは当然あると思うのですが、それも、この時々の記者会見の中ではたぶんなかなか全部は伝わってこないので。党としては、もう明確に姿勢も示し、そして措置も行い、やってきておりますので、できる限りのことを我々はやってきた。その中で、もちろんいろいろなまたさらなる思いというか確かめたいことというのはおありかと思うのですが、やはり代表に確認することと、幹事長に確認することと、小西議員に確認をすることなど、その辺を整理してまたお話をされることになるのかなというふうに思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(3)

【北海道新聞・今井記者】
 共産党との選挙協力だが、16年の参院選から共産党とは選挙協力をやられていると思うが、今このタイミングで選挙協力解消というのを決められた理由を教えていただきたい。

【代表】
 解消ではないと思いますけれども。例えば16年とおっしゃいましたが、そのときからずっと例えば何か協定を結んで続けてきたのではないですから、解消ではたぶんないと思います。一回一回の選挙のときに考えていくことであって、何かの文書が継続しているというものではないと思います。ですから、そこは解消ではないということです。

【北海道新聞・今井記者】
 次期衆院選に関してはやらないということか。どういうあれなのか、選挙協力をやらないというのは。

【代表】
 それはまさに言葉のままです。言葉のまま。

【北海道新聞・今井記者】
 次の衆院選ではやらないということか。

【代表】
 それは、何でしょう、例えば50年後の選挙ではやりませんとか、そんな話ではないし、10年後の選挙ではやりませんなんていう話はしないわけだから。

【北海道新聞・今井記者】
 あと、立憲の候補者は自分の小選挙区の状況を確認すべきというお話があったかと思うが、地域によってはなかなか、共産党との協力というか、一緒にやらないと厳しいというところもあるかと思うが、その辺りはどうご覧になっているか。

【代表】
 足し算をしなければ厳しい、だから足し算をしようではなくて、やはり自分で増やす努力をするということですよ。それは政治家として当然のことではないですかね。
 ぎりぎり勝つかどうかにターゲットというか自分の目標を置いているのであれば、まずそれが間違いだということです。自民党候補に、1万票、2万票、3万票、票差をつけて勝つくらいのイメージをして活動しないと、ぎりぎりの勝利だって見えないわけです。
 ですから、共産党を足したから自民党から見て5000票上回ったとか1万票上回ったとか、そんな足し算をして選挙に向かっていっていたら絶対勝てないよと、僕はこれはやはり党内に言わなければいけないと思っています。気持ち、意識を改めなければいけないということです。

【北海道新聞・今井記者】
 関連で。きのう共産党の志位委員長が会見で、2021年の衆院選を念頭に、野党共闘の実績というか成果も確認する必要があるというふうにおっしゃったが、代表はその辺りの成果に関してはどのようにお考えか。

【代表】
 いろいろな選挙があって、いろいろなその時々の結果があって、例えば成果というものがその場所で勝ったということをもって成果というふうに言う人もいれば、全体では負けたということについて残念ながら成果とは言えないという人もいるので、これもまたいろいろな考え方があるのかなと思います。
 ただ、立憲民主党が立憲民主党として国民からの信頼を得られなければ、どの党と組もうとも立憲民主党は伸びないと思います。立憲民主党が、やはり自分たちの政党が認知されて、有権者に、人を大事にする政党である、人のために働く政党である、国民生活を向上させる生活目線の政党である、それが立憲民主党であるということがまず伝わらなければ、どの党と組んでいる政党としか見られないですね。これではだめです。
 だから、やはり立憲民主党がまず独自で頑張るということなんですよ。もうそこに尽きます。

【北海道新聞・今井記者】
 最後になるが、45歳以下と女性の候補者の100万円支援だが、先日、若手・中堅の方の要望に、45歳以下と女性の候補者の。

【代表】
 積極擁立というのは項目にありましたね。

【北海道新聞・今井記者】
 女性と45歳以下についても提言の中にあったと思うが、それを受けてということになるか。

【代表】
 そう理解していただいても、もちろん構いません。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 この1週間、やはり進退を懸けられ代表が腹をくくったというか、そういう印象がすごく強い。その一つの理由はやはり共産党との関係だが、芳野さんは立憲が共産党と決別というような言葉で受け止めたとおっしゃっていたと思う。きのうも記者会見があったが。早い話が、立憲の中にはかなり容共というのか、そういう方がいるが、基本的には今まで容共と見られていたようなところについてセンターに戻したと。それでこれから総選挙を戦うんだと。少なくとも自民党は反共だから、反共ではないけれども今まで容共と見られていた部分については修正することを代表としては腹をくくったということでいいか。

【代表】
 私が政治活動をしてきた中で、全国で自民党と共産党が首長選挙で一緒に同じ候補を推すなんていう場面も見てきたことがあります。では、それは自民共産党ですかということにもなるわけで、いろいろな政党と、例えば直近でいえばそれは立憲民主党と維新で法案を一緒に提出をした、では、それは立憲維新党ですかとか、いちいちそんなレッテル貼りをしているというのは本当に愚かなことだなと思います。
 私は先ほどからお話ししているように、まず立憲民主党が立憲民主党として自分たちの政策を訴え、自分たちの支持を広げていかなければならない。
 先ほども言いましたが、その中において、やはりいろいろな政党の支持層からも投票はしていただいていると思います。これは本当にありがたいし、そして、思いが一緒であるからこそ投票してくださるわけですから、共産党の方であっても、維新を応援している方であっても、この地域ではこの人、立憲民主党の候補者を応援する、投票するということが、それはできるだけ多いほうがいいと思っています。
 ただ、僕はやはり、立憲民主党は今、他党の組織に依存してはいけない、頼るべきではないということを明確に党内に訴えたいと思います。
 ですから、他党の皆さんはいろいろなアプローチがあるかもしれないけれども、まずやはり立憲民主党の党内の話として、それは目先でいえば選挙は足し算ができなくなる、どうしようというふうに思うかもしれないけれども、やはり各選挙区で自力で勝ってもらうということを前提に自分たちの選挙戦略を組み直してもらう。これは党内改革の一環でもあると思っています。

【「FACTA」・宮嶋記者】
 今のお話でいうと、では、なぜ芳野さんに仲立ちを頼んで国民民主党とという話に。もう独立独行で行くというのであれば。要するに玉木さんが言いたいことも、一番目はやはり共産党との距離感というのをはっきりしてくれないと、今の立憲とは、いろいろな政策も問題あるが、その共産党のところをしっかりまずやってくれというのが玉木さんがよく言っている一番のあれだと思う。芳野さんもそのことを言っているわけだが。すると、少なくとも敵の敵は味方みたいので、大阪で維新と戦うために自共がやった、そういうのはわかるが、基本的に総選挙に向かって国民と大きな固まりというときの前提というのは、やはり共産党との関係を党としてはっきりさせると。それについて党の中で一部の人がいろいろ異論を言っているような状況だと話が進まないと思うが、なぜ代表は自ら玉木さんと、両代表なわけだが、こういう方針で自分はやるが一緒に大きな固まりまでやらないんだというのをご自身で言いに行かないのか。それはやはり独立独行で行くということを言いたいのか。それならば芳野さんにそういうのをお願いすること自体が私は矛盾だと思うが。

【代表】
 まあ、いろいろなやり方がある。はい。以上です。

○入管問題 維新・梅村議員の発言について

【毎日新聞・中村記者】
 参院の梅村みずほ議員のウィシュマさんに関する発言に対して、維新の会の対応について伺いたい。参院本会議での質問や、16日の法務委員会でハンガーストライキだったかもしれないなどと梅村議員が発言したが、維新の会は、17日に音喜多政調会長が本会議での質問は問題提起としては間違っていないなどと述べた後、きのうになって梅村議員を参院法務委員会から外したり党での処分をする意向を明らかにしている。この日本維新の会の対応について、泉代表の評価を教えていただきたい。

【代表】
 維新の中も、今、大混乱されているのだと思いますので、それは見ていくしかないのですが、これは政治家同士で謝れ謝るなという話ではなくて、俺に謝れとか私に謝れではなくて、被害者、亡くなられたウィシュマさんと、そのご遺族が、ある意味名誉を傷つけられた話ですから、一つ、本会議原稿を維新が党としてつくったということについて、まずどのように整理をするのかということは、当然、今、維新の中で検討しているのだろうと思います。
 そして、その後、法務委員会が2回行われて、そこでも梅村議員が発言をした。質問をする中で、さまざまな発言があった。それについて、どうまた党として考えていくのか。
 そして、一番大事なのは、その党なり梅村議員が、これはやはりウィシュマさんのご家族に対してどのような態度をきちんと示されるのか。ここも問われるのだろうなと思います。

○駐日米国大使との会談について

【フリーランス・小山記者】
 バイデン・岸田会談の前に、エマニュエル大使と泉代表がお会いになられたが、こちらは両者の会談に何かよい効果を持たせたいということで泉代表のほうから訪問されたのか、それともエマニュエル大使のほうからそのタイミングで招かれたのか教えていただきたい。

【代表】
 これは私のほうから話をいたしました。
 というのは、我々は改めて、総選挙を控えて、立憲民主党としてのスタンスというのを、友好国である、同盟国であるアメリカの側に、より理解をしてもらいたいというのが第一の思いです。この中道リベラル政党であるということ。そして、我が党が政権を担っても、外交や安全保障、経済、さまざまな分野についてアメリカとの同盟関係は変わらないものである、揺るぎないものであるということは、野党第1党として我々はアメリカの側に伝えるメッセージであると思っていますので、時期はたまたまこのサミットに近い時期になったということであって、サミットに何かをもたらすためにということではなく、むしろ立憲民主党としてのアメリカ政府に対するメッセージという意味で、まず会談を持ったということが一つ。それがまず一つ目です。
 それに加えて、今、直近の問題であり、また、大使も随分と関心の強かったLGBT法案、理解増進法ですね。これについては、大使側の気持ち、意思みたいなものというのは、別に何か改めて聞きに行かなくても、それは大使の意思表示で何度となくわかっている話ですから、むしろ立憲民主党としては、自分たちの、立憲民主党の側の考え方がどうであるかということの説明ですね。それは友好国・同盟国であるアメリカの大使が日本国内の政治をよく正しく認識する、野党の情報というのはどうしても入りにくいので、そういう意味で私は、これは別にやって問題ない話かなと思いながら説明をしました。ですから、我が党が本来の超党派案を出すということについて説明をしたということです。
 私からそれに加えて言ったのは、日本は日本として主体性があって、この法案については、我々としては差別解消していかないといけないと思っているということを言ったわけです。ですから、主体的に日本の側が、日本国民と日本の国会が、最終的にはこれを主体的に決めていくことになるということも伝えた。
 あと、一番最後には、解散・総選挙がなければということですが、訪米をしたいと。そのときのまた協力をお願いしたいということをお話ししたということです。

【フリーランス・小山記者】
 先ほどはAIの利用とか核軍縮の話をおっしゃっていたが、あまり報道には出ない部分で、この両者の会談に期待していることというのは何か代表としてはあったのか。

【代表】
 私とエマニュエルさんの会談の中でですか。それとも、バイデン・岸田の会談に対して。

【フリーランス・小山記者】
 バイデン・岸田の会談に対してだが、それを言及されたのかなというのもちょっと気になる。

【代表】
 私とエマニュエル大使の中で、そのバイデン・岸田会談についてああすべきこうすべきという話は特段していません。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(4)

【フリーランス・小山記者】
 話が変わるが、先ほどから出ている話で、共闘の方法についてよく質問が出るが、私は市民の近くで見ていて、立候補の自由を侵害するという問題がやはりトップダウンだと出てしまうのかなと思っていたので、泉立憲になってすぐその方針を撤回されたのはよかったなと当初から思っていた。地域のほうで自主判断というか、候補者ご自身が身を引きたいと、これは与党に勝つために身を引きたいとおっしゃる場合は、それは共闘してもいいのではないかというふうに思っているが、その辺りの末端の見方というのか、泉代表はどうご覧になってそういう方針にされたのか伺いたい。

【代表】
 まず、当然立候補の自由というのはありますので、それは政党からの支持が、あるいは公認や推薦が得られる得られないの問題はあるかもしれませんが、どなたにとってもそれは自由です。まず、それが一つ。
 本当に、例えばこれまでの立憲民主党と選挙において共に戦ってくれた各政党には感謝しかありません。これはもう間違いないことで、各政党には、本当に一緒に戦ってくれたことは本当にありがたかったと思っていますし、力になったと思っています。
 ただ、前回の総選挙以降にやはり問題の一つとして明らかになったのは、立憲民主党自身の力も発信力も弱い。活動量も足りなかった。だからこそ、どこかの政党と何かを一緒にやったときに、立憲民主党としての存在が、あるいは訴えが、陰に隠れてしまったところはあると思います。そうすると、応援している政党の存在が薄くなってしまうことは、決して支持層にとっても、そして一般国民にとってもよくないことだと思っているので、特に一番候補者を野党の中で立てている立憲民主党が明確な主張を国民に届けるというのは大事なことですので、まず、やはり今はこれを第一に考えなければいけない状況ですね、今の立憲民主党というのは。
 ですから、そこに邁進していくということの意思表示であって、他党がいいから悪いからとかではない。それぞれの政党によさがあり、それぞれの政党に支援者がいて、それぞれの政党はそれぞれで頑張っておられるけれども、今は、まずはとにかく立憲民主党自身が強くなる、立憲民主党の主張をより伝えていく、それを党の仲間たちが持たなければ勝利はないと、改めてこのことを伝えるための私の今回の発言であるということです。

【フリーランス・小山記者】
 もう一つだが、先日、若手の議員32名からの提言書を受けられた際に、よく読んでいるうちに、これのメインはもしかしたらこれなのではないかと思ったが、地方組織において立候補希望者が立候補を抑制されているという事実・現実があり、それを何とかしたくて彼らはあの行動を起こしたのではないかという気がした。これについて、例えば立憲民主党の審査が厳しいとか、現職の議席が優先ということが念頭にあって、そうされているのか。それとも、ちょっとこれはガセネタかもしれないが、共闘をする予定があるので君はちょっと下がって下がってみたいに言われると、そんなお話も聞こえてくるが、何が原因と思われるか。

【代表】
 いや、まず何が原因というところで、もちろん全国の中で見たときに、どなたか、その地域で頑張っている仲間の中で、僕は、あるいは私は、党の公認、要は候補者内定を今すぐにでももらいたいのにという人物がいて、ただ、まだそれが出ていないと。そこには当然思いの違いというのはあるかもしれませんね。
 党本部としては県連から上がってくるというのを基本にしていますから、県連の中で例えば話合い、協議が、どこかで何かまだ解決していない問題がある場合には県連からは公認申請が上がってこないということになるので、党本部としては手続はできないということにもなります。

【フリーランス・小山記者】
 党本部の立場は理解しているが、県連の、その先で何が起こっているかというのはリサーチはされているか。

【代表】
 それはさまざまですね。別に一律にリサーチをしなくても、それぞれの県連の事情というのは、それなりに党本部は理解はしています。

【西日本新聞・井崎記者】
 先ほどから、有権者に立憲民主党の主張が伝わらなかったという話がある。ただ、先ほども将棋やサッカーに例えて立憲のこの国会での戦い方を表現されたり、他党との違いというか、ジャニーズの問題に関しても児童虐待防止法改正を率先してやられるということを表明されたり、非常に立憲民主党は弱い人の立場に気づきがある政党だなと思って見てきたが、改めてそういう立憲民主党とは、有権者に伝えるべき立憲民主党というのは何なのかというのを、泉代表はどう考えていらっしゃるか。

【代表】
 各政党もそうだと信じたいですが、人のために政党がある。人の幸せのために政党があるわけです。では、どれだけ人というところに着目をし、力点を置いて、その人の幸せ、生活の向上のために政党が尽くしているかというところで、私たち立憲民主党は徹底的に、その国民生活、その人間の幸せ、人間の安全保障というものに力を入れていく政党であるということで一番になりたいのですね。その結果として選挙でも一番になれればよいなと思っています。
 ですから、多様性の問題を、あるいは人権の問題をこれだけこだわって取り扱うのも、やはり元気な人だけが元気であればいいと思っていないからです。勝った人だけが幸せであればいいと思っていないからです。
 相手チームもと言うと変なのですが、スポーツにばかり例えるとあれですが、相手チームもそうだし、観客もそうだし、試合をするためのスタッフもそうだし、皆が幸せという状態をどうつくっていくかということに最もこだわりを持って、その場合には、既に経済的な幸福を勝ち取ったり立場的な幸福を勝ち取ったりした方々以外の、注目がされないまま苦しんでいる方だとか、そういう方々の幸せまでもしっかり考えていくのが立憲民主党だし、日本経済のパイはどんどん膨らむけれども実質賃金が下がっているということが着目されずに、ただGDPが上がればいいということでは、我々の目指すべき政治とは違う。ですから、もっと日本経済の拡大の恩恵は、中間層、国民全体にもたらされるべきだと思うし、AIなど新しい技術は、一部の方々がもうけるためのものではなく、むしろ貧困を解決し中間層への分配を強めるための技術であってほしいと思う。こういうこだわりが立憲民主党だと思っています。

【西日本新聞・井崎記者】
 そのこだわりがなかなか広がっていっていない。政党支持率などを見ると。その辺の課題があると思うが、それについて、どう、中間層以下というかボトムの方というか、そういう人たちに立憲民主党を浸透させる、何か手立てというのは考えていらっしゃるか。

【代表】
 実は、その中間層の方とか、ボトム、その生活が厳しい方だけをターゲットに訴えるということでは僕はないと思っています。例えば金銭的に経済的に裕福になったからといって、それで幸せには人はなれなくて、人のために役に立つだとか、自分の稼いだ成果であるそのお金や財産を人のために使ってこそ幸せであるという気持ちも、またこれも人であると思います。そういう意味でいえば、よく言われる「強きをくじき弱きを助ける」では僕はないと思っているのですね。強き者が進んで弱き者を助ける、そういう世の中ではあっていいと思います。
 ただ、こういうことも含めて、立憲民主党がどこまで伝えてきたのか。ともすれば、マスコミを通じてということでいえば、国会での戦い、そこが中心に伝わってしまっていて、立憲民主党が何をする政党なのかということについては、この間あまり、立憲民主党発足以降、まさに草の根の運動として伝えられていないのではないかと。それは支持率が上がらない一つの理由ではないかとも思います。
 ですから、私たち自身がもっと、自分たちが人のために貢献をする集団であるということ、これを愚直にもっともっと繰り返し訴えていく必要があるし、理解をもらう必要があるのだと思います。

【フリーランス・堀田記者】
 共産党とは選挙協力はしないというが、いろいろな外での行動について、共産党系の団体が主催するものに立憲の人たちが参加するとか、あるいは勉強会に参加するとか、そういったことは別に規制はしないわけか。

【代表】
 別に共産党系の団体とかというのが、どこかで明確な線引きがあるのかないのか。いろいろな団体はあるでしょうし、さまざまなところに行って意見を交換するというのは、これは当然あり得たりすることだと思いますよ。

【フリーランス・堀田記者】
 例えばきょうの19日行動などに共産党の人は必ず来るが、そこに立憲民主党の人たちが参加するということは別にこだわらないということか。

【代表】
 そもそも共産党の方がいたら悪いのですか。共産党の人がそこの集会にいるのは何も悪いことではないと思うわけで、そこに立憲民主党の人がいたって悪くないに決まっていますよね。

【フリーランス・堀田記者】
 そこは別に規制はしないわけか。

【代表】
 そもそも規制という意味がわからないです、僕らからすると。何の規制なんですかという話ですね。