立憲民主党は6月15日、「国家財政におけるPDCAサイクル確立のための法案」を衆院に提出しました。

 本法案は、党の財務金融部門と税制調査会が本年2月に取りまとめた「『新しい財政政策』について(中間報告)」の具体化に向けて作成されたもので、財政規律の維持や、効率的・効果的な支出の実現を目的とするものです。

 計3法案から構成されており、その要点は以下の通りです。

(1)「財政法の一部を改正する法律案」

 3カ年度にわたる予算編成の基本的な方針「中期財政フレーム」の策定を政府に義務付けること、決算審議の結果を予算編成に反映させるため、決算提出時期を前倒しすることなどを定めています。

 「中期財政フレーム」とは、年度内に予算を使い切ろうとする、予算が短期的視点で立案され無駄が生じる――といった予算の単年度主義の弊害を是正するために、中期的な経済・財政見通しに基づく財政運営・予算編成を実施するスキームです。財政規律を高める効果があり、民主党政権時代に導入された実績があります。

(2)「我が国の経済及び財政等に関する将来の推計を信頼性のある統計等の情報に基づき中立公正に実施するための経済財政等将来推計委員会の設置に関する法律案」、(3)「国会法の一部を改正する法律案」

 経済・財政等に関する将来の推計を中立・公正に実施する独立財政機関「経済財政等将来推計委員会」を国会に設置することなどを定めています。

 現在、経済・財政に関する推計は内閣府が実施していますが、時の政権の意向を反映しているためか、見通しの甘さが度々指摘されています。この「経済財政等将来推計委員会」は、そうした問題が生じないように、政府から独立した中立的な機関として、国会の中に設置することとしています。

 この3法案により、政府は「経済財政等将来推計委員会」の推計結果に基づいて、「中期財政フレーム」を策定することになります。

 法案提出後の記者会見で、筆頭提出者の階猛ネクスト財務金融大臣は「今国会では、防衛財源を確保する法案が国会に提出されたが、非常に中身がいい加減なものになっている。子育てについても同じように、財源をどのように確保していくのか不透明なまま、メニューだけが並んでいる。こうした財政規律を蔑ろにしたやり方を是正するためにも、この法案は役に立つと考えている」と法案の意義を述べました。

(全体像)国家財政におけるPDCAサイクル確立のための立法措置について.pdf

(要綱)「財政法の一部を改正する法律案」.pdf

(法案)「財政法の一部を改正する法律案」.pdf

(新旧)「財政法の一部を改正する法律案」.pdf

(参考資料)中期財政フレームについて.pdf

(ポンチ絵)経済財政等将来推計委員会の活動イメージ.pdf

(概要)経済財政等将来推計委員会関連法案のポイント.pdf

(要綱)「我が国の経済及び財政等に関する将来の推計を信頼性のある統計等の情報に基づ.pdf

(法案)「我が国の経済及び財政等に関する将来の推計を信頼性のある統計等の情報に基づ.pdf

(新旧)「我が国の経済及び財政等に関する将来の推計を信頼性のある統計等の情報に基づ.pdf

(要綱)「国会法の一部を改正する法律案」.pdf

(法案)「国会法の一部を改正する法律案」.pdf

(新旧)「国会法の一部を改正する法律案」.pdf