泉健太代表記者会見
2023年7月14日(金)10時30分~11時30分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/QVOBIppEBUQ
■冒頭発言
■質疑
- 世論調査の結果について
- 次期衆院総選挙に向けた取組について(1)
- 仙台市議選について
- 「女性候補擁立推進」「全国女性キャラバン(1)」について
- 岩手県知事選について(1)
- 次期衆院総選挙に向けた取組について(2)
- 防衛増税について
- 経産省トイレ利用制限「違法」最高裁判決について
- 全国女性キャラバンについて(2)
- 被選挙権年齢引下げに向けた取組について
- 次期衆院総選挙に向けた取組について(3)
- 「ALPS処理水の海洋放出に関する議論(1)」「岩手知事選(2)」
- 韓国・尹大統領との会談について
- 次期衆院総選挙に向けた取組について(4)
- ALPS処理水の海洋放出に関する議論について(2)
- 次期衆院総選挙に向けた取組について(5)
- 「次の内閣」「幹事長の誕生日に当たって」等について
- 「対露政策」「北方領土問題」について
■冒頭発言
○豪雨災害の対応について
【代表】
おはようございます。
まず、九州北部を中心とした記録的な豪雨ということで、犠牲者が出ております。また、北陸のほうでも、これも大雨となり、犠牲者が出ている。改めて、亡くなられた皆様にご冥福をお祈りして、被災された方にお見舞いを申し上げます。
この豪雨は長雨でもあって、立憲民主党としては6月下旬に連絡室を設け、そのままずっとこの雨が続いているという状況でありまして、改めて、今後の警戒と被害の防止、また、災害復旧、そこに全力を尽くしていくよう与野党で協力していきたいと思っています。
○マイナカード問題について
【代表】
そして、マイナンバーです。マイナンバーカードについては、先日、岡田幹事長がポスターを発表しました。我々として、「今の健康保険証を守ります」というものですが、これは当面の間ということで、立憲民主党としては、今これだけトラブルが相次いでいるので、当面やはりこの紙の、現行の健康保険証を守っていく必要があるだろうということで、我々としてこのポスターを作りました。そして、法案も提出をするということで考えているところであります。
このマイナンバーカードの問題は、きのうも既に亡くなった方ですとか紛失・自主返納という方々の約500万枚もこれまでの発行・交付枚数のカウントの中に含めたままだったということの問題もありましたが、こういうトラブルが次々と出てきていて、不信感が高まっている、混乱が高まっているというところですし、繰り返しですが、介護施設などでもどう扱ったらよいのかということの問題もまだまだ解消していませんので、引き続き、この保険証の廃止については全面的な廃止ということではなく、一定期間使えるようにしていくと。その間に体制を立て直して、そして、最終的にはこの国民のトラブルをできるだけ少なくしていくという方向性でやっていきたいと思います。
○最低賃金引上げに関する議論について
【代表】
また、最低賃金ですね。今月末にもことしの最賃引上げの議論の結論が、目安が決定するというふうに言われていますが、立憲民主党は最低賃金1500円、この水準にまで行かなければ、今、普通にパートやアルバイトで生活をしている方々の月収という意味で考えても、とても生活していくことができないと考えていますので、将来的な目標としてのこの1500円に向かって、立憲民主党は今年度においては政府が掲げる1000円を上回る引上げというものが必要であると考えています。
○経産省トイレ利用制限「違法」最高裁判決について
【代表】
そして、経済産業省の、いわゆる職場トイレ判決が出て、違法ということになりました。 これは改めてなのですが、今回のケースは、経済産業省なり人事院が、そういった当事者がいて、当事者と職場の中での当初の当面の措置としての配慮というものがされてきた中で、何年たってもその中身を変えようとしないということが問題となって、そして、最終的に、ずっと不利益を生じさせていることについては、これは違法だという判決が出たと判断をしております。 改めて、一つ一つの職場について、互いの理解ということへの取組はやはり必要なんだということであろうと思います。職場環境、一人ひとりの職場環境を守るという意味で、一歩前進の判断であったということだと思います。
○被選挙権年齢訴訟について
【代表】
そして、裁判と言って、また違う裁判なのですが、東京地裁に提訴のあった、19歳から25歳の6人の若者が、被選挙権を引き下げてほしいということで提訴がありました。被選挙権訴訟ですね。
こちらについて、立憲民主党としても実は既に政策として、我々は現在の各種選挙の被選挙権年齢を7歳引き下げると、こういう政策を打ち出していますので、立憲民主党としてはぜひこの被選挙権年齢の引下げ、これを国会でも訴えていきたい。また、地方でも訴えていきたいと思っております。これは党派を超えて実現に向けて取り組んでいくべきものだと思っています。
私自身も、振り返ると、25歳、まさに被選挙権年齢のぎりぎりのところで国政に挑戦をしたという経験を持っています。当時は全国最年少ということでしたが、そのときも、改めて、それは24歳でも23歳でも有能な人はいる。もちろん一定の基準というのは、どこかに線引きはしなければいけませんが、こういう、世界でも25歳というのはどちらかといえば高いほうの年齢ですから、20歳で例えば立候補できるということや、18歳で立候補できるということ、そういう時代にしていくというのは、これはあるべき姿ではないかと考えております。
○「動物愛護議員サミット」を開催
【代表】
そして、我が党は今、全国でさまざまな取組をしています。子どもの命を守る。あるいは、人を大事にする。教育の無償化を訴える。いろいろな活動を今全国でやっていますが、きのうは、その中で、国会の中で「動物愛護議員サミット」というものを企画させていただきました。
動物愛護法は累次の改正が行われていますが、いまだに、多頭飼育の崩壊ですとか、殺処分の問題ですとか、違法な動物の販売ですとか、そういったものがまだ残っているということで、これをなくしていく取組をしていこうということで、我々として、立憲民主党の国会議員、自治体議員、双方が参加をして、この「動物愛護議員サミット」というものをさせていただきました。
今後も、一つ一つの国民の声、個別の課題もあれば大きい課題もありますが、そういうものに応えてさまざまな取組をしていきたいと思います。その以前は「ママ議員サミット」というものを行ったものもありますので、今後もさまざまなそういった取組をしていきたいと思っています。
■質疑
○世論調査の結果について
【時事通信・大塚記者】
代表に日本維新の会について質問させていただきたい。今月の時事通信の世論調査で、政党支持率を見ると、立憲民主党が3.2ポイント、日本維新の会が5.2ポイントと、日本維新の会が上回っている状況になっている。弊社の調査では5月の調査から3カ月連続こういう状況になっており、弊社だけではなく各社の世論調査を見ても支持率において維新が上回っている状況が散見される。現在野党第1党の立憲民主党として、このような状況に対して危機感をお持ちなのか、どういうふうにご覧になっているか教えていただきたい。
【代表】
ありがとうございます。
両党、低いですね。もっともっと野党が頑張らなければいかんなと思います。
維新の傾向というのは、前回の衆議院選挙、参議院選挙、統一地方選挙、いずれも変わっていなくて、選挙の直後に支持率が上がる。そして、それが徐々に下がっていく。今、維新はそういう意味では支持率がまた下がってきているトレンドというか傾向にあって、一方で、立憲民主党は選挙が終わった後に支持率が伸びるということがないということで、最近のこの2年、3年の選挙では、いずれも選挙が終わって数カ月間は維新が高いという状況が続いています。
そういうものを立憲民主党としてはやはり克服しなければいかんので、今も、先ほど冒頭お話ししましたが、全国各地で仲間たちが地域活動を地道に繰り広げています。そういう中で、人を大切にするとか、地域を大切にするということですとか、立憲民主党のこの「もっと良い未来」というものをより打ち出しをして、こつこつと着実に理解や浸透を広げていきたいと思っています。
○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)
【時事通信・大塚記者】
続けて、今のお答えの中にも一部あったかとは思うが、特に選挙について伺いたい。維新の会はさきの統一地方選でも議席を大幅に伸ばした。次期衆院選でも全小選挙区での候補者擁立を目指すとして擁立作業を急いでいるような状況だ。このように勢いづいているとも見られる維新に対して、選挙において立憲民主党はどのように戦っていかれる方針か。
【代表】
選挙って、我々は自民党と戦わなければいけない選挙区が多数あるので、何か維新と戦うという話ではないと思います。
ただ、候補者がまだ維新もほとんど出ていないので、我々としては、それはどういう戦いになるか、各選挙区の構図はわかりませんが、今の自民党の政治と本気で戦っている政党がどこで、また、選択肢がどこなのかということ、これは立憲民主党としては強調していかなければいけないことなのかなと。仮に今、自民から維新に議席が替わったとしても、路線的にはあまり変わらないのではないの、ということですね。
【時事通信・大塚記者】
最後に、率直に、次の選挙で維新の会が野党第1党になると思うか。
【代表】
いえ。
【朝日新聞・楢崎記者】
衆院選の候補者一本化について伺いたい。先日来、各党から調整について、選挙協力だったり、本気の共闘など、さまざまな表現が出ている。立憲については候補者調整というような表現を使われているが、これは野党共闘を目指すということではないのか。それとはまた別なのか。
【代表】
私たちは候補者調整という言葉を使っています。それ以上でもそれ以下でもありません。
【朝日新聞・楢崎記者】
先日の会見も含めて、この間、選挙協力という言葉を強く否定されてきたが、選挙協力はやらないということでよろしいか。
【代表】
繰り返し、私たちとしては候補者調整、ここに今取り組んでいるところです。
【フリーランス・宮崎記者】
火曜日に発表された夏の活動用のポスターは全て文字中心のものということで、支持者の人には好評っぽいが、仮に10月くらいから解散・総選挙といった形になればまた本チャン用のポスターは再度作るかと思うが、代表の顔写真がないポスターだが、これは選挙といった形になれば一番大きい比例近畿ブロックでは泉さんの顔が入ったポスターはあまり張れなくなると思うが、代表としては次の選挙はご自身は京都3区及び比例近畿ブロック重複で立候補されるという前提でいらっしゃるか。
【代表】
今は何の前提もありません。
それと、ポスターはもう既に顔のものが二つありまして、よく皆さん、もしかするとあれかもしれないのですが、新しいポスターができたから過去のポスターを使わなくなるとか使えなくなるというものではなく、選択肢が増えるということであったり、張れるものの種類が増えるということなので、顔のポスターがなくなるということではないです。
ただ、先ほどおっしゃっていただいた、選挙のときの、そのブロックにおいては、比例重複をしていた場合には顔のポスターは張れないというルールですね。
○仙台市議選について
【フリーランス・宮崎記者】
仙台市議会議員選挙が、来週7月21日告示、30日投開票で行われる。五つの選挙区から、定数55人で、76人くらいが立候補する。数字はちょっときょうまでに変わっていると思うが。五つしか選挙区がないので、維新は1人ずつ5人の新人を立てるといった形になっている。自民は22名程度、立憲は14名程度が公認かと思う中で、維新は新人5人だけなので全員当選しても5人しか議席は得られないことになる。全国的なイメージとして、東日本、東京から北のほうにはどんな県があるか、意外と西日本の方はあまりよくご存じない方もいらっしゃるかもしれないが、仙台市が政令指定都市としては大勢になるが、ここでどうやっても、新人5人が全員当選しても維新は5議席ということで、この間の時間的な流れの中では、明らかに維新は東日本はやはり伸びないのかなという印象が全国的に広がるかもしれない。この辺に関してはどうか。仙台だから立憲の宮城県連に全部任せたいというようなスタンスでいらっしゃるか。
【代表】
任せたいとか(任せ)たくないではなく、常に当然ながら各県連でそれぞれの選挙に戦うというのが原則です。
ただ、立憲民主党、今おっしゃっていただいたように候補者の数としては随分集まりまして、それぞれ相当活発に活動してもらっているので、維新の3倍近く候補者を擁立するという状況があるというのは、我々としてはやはり勢いというものは一定持っていると思っていますので、とかく、まだ伸び代があるというか、候補者がほとんどいなかった維新の議席が増える増えるということが強調されがちですが、立憲民主党もそれなりに、全く白地だった維新に比べれば伸び幅は少ないかもしれないけれども、着実に自治体議員の数も増えてきていますし、今回も候補者がたくさん立候補するということで、全員当選を果たしていきたいと思います。
○「女性候補擁立推進」「全国女性キャラバン(1)」について
【読売新聞・傍田記者】
次期衆院選の女性候補の擁立について伺いたい。前回の衆院選では、立憲民主党は候補者に占める女性の割合は18.3%だったが、次期衆院選ではどのような方針で臨むか教えていただきたいのと、改めてだが、女性候補を積極的に擁立する理由について教えていただきたい。
【代表】
今の国会が衆議院でいうと10%くらいの女性の比率で、これまでも、ようやく今、刑法の改正ですとかDV防止法などが進んではきているものの、ここまで時間がかかってきたというのは、女性の声が国会に届いていないのではないかと、そういうことも取り上げられてきました。そして、ジェンダー平等指数も、政治の分野でいうと非常にランキングが低いということもあります。
この、これまで長く議会の中で男性中心で進められてきた価値観ですとか政策を、バランスをよくしていく。国民全体のものにしていく。そのことが国全体の活力にもなっていく。そんな思いもありますし、一人ひとりの人権を大事にしたいという観点からも、女性の声がもっと議会の中で多くなっていく必要があると、そう考えています。
【読売新聞・傍田記者】
もう一点。「全国女性キャラバン」について伺いたい。新たに「全国女性キャラバン」を始めるという発表があったが、代表としてこの意義をどのように考えているか教えていただきたい。
【代表】
まだまだ政治に距離を感じている女性の方は多いのだろうなと。立憲民主党としては、もっと女性の皆様に声を上げてもらいたいと、そんな思いを持っていますので、この女性キャラバンを通じて、一つは、有権者の側から「私たちも声を上げていいんだ」という、その女性の声が高まっていくこと。
そして、一人でも多くの、現在私たちが擁立をしている女性の候補、候補内定者が一人でも多く当選に向かっていけるように、党本部として積極的に応援をしていく。
そういう役割を持ってこの全国キャラバンをやっていますので、非常に、大いに期待をしています。
○岩手県知事選について(1)
【共同通信・鈴木記者】
告示まで1カ月強に迫った岩手県知事選挙について伺いたい。今回の構図は、野党系の現職と自民系の新人との事実上の与野党対決となるが、冒頭言及のあったマイナカードに関する問題で内閣支持率が減少する中での選挙戦となるが、今回の選挙の位置づけや、マイナカードの選挙戦に及ぼす影響について、どのようにお考えか伺いたい。
【代表】
今、内閣支持率がだいぶ下がってきていますから、その意味で、現時点で言えば、そういった意味での政権に対する批判は高まっていると思います。
ただ、一方で、それが選挙のときまでずっとその傾向が続くかどうかというのはわかりませんし、岩手の達増知事の対抗馬、対抗勢力も相当に活動してきているというふうに聞いていますから、決して油断せず、楽観せず、気を引き締めて戦っていく必要があるかなと思います。
○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)
【共同通信・鈴木記者】
別件だが、候補者調整について伺いたい。特に共産党との候補者調整だが、先方は候補者調整ないし選挙協力の前提としては、共通の政策であるとか政権交代した際の協力のあり方について議論して合意するのが前提であるということを常々おっしゃっているが、こういったことは代表としてはあくまで候補者調整であるので考えていらっしゃらないということなのか。
【代表】
幹事長には各党とさまざまなやりとりをするように私からは言っていて、個別の政党について一つ一つ今お話をするということはありません。
【共同通信・鈴木記者】
今のところ、そこら辺については現状何か方針があるというわけではないのか。
【代表】
幹事長には指示をしております。それ以上ではないです。
○防衛増税について
【NHK・高橋記者】
防衛増税をめぐり伺いたい。自民党は、防衛費増額の財源を賄うための増税の時期をめぐり、2024年、来年の増税開始は困難という認識を示した。去年12月の税制改正大綱には2024年が適切な時期と明記されていたものだが、受け止めを教えていただきたい。
【代表】
もう防衛増税は撤回されたらどうかと思いますね。撤回されるべきだと思います。
その「困難」というのが何をもって困難なのかというところがありますが、そもそもその5年で43兆円というのも、かなり困難な、現場に混乱を起こしかねないような急激な防衛費増ですから、そこまでNATO以上に急速に防衛費を膨らますということも我々からすればやり過ぎだと思いますから、増税は、もうこの際、撤回をしていただきたい。
○経産省トイレ利用制限「違法」最高裁判決について
【NHK・高橋記者】
別件で、トイレの例の判決についてだが、この件については、公明党の北川副代表は、画期的な判決だと評価した上で、さきに成立したLGBT理解増進法の今後の検討についてもこの判決を踏まえた内容にすべきだとしているが、こうした、政府にこの判決を踏まえて求めることについて、党としてはいかがか。
【代表】
この判決の、それぞれ裁判官が補足意見もつけていますが、その中では、駅や公園の公共トイレ、公共施設、トイレなどの公共施設の話ではないという補足意見がついているということで、今後その標準的な考え方などが整えられていくべきだということも補足意見でありましたが、この判決をもって例えば世の中ががらっと変わるというところにまでは、これは至っていないものなのかなと思います。
今回与党と一部の野党で成立をさせたLGBT理解増進法で言えば、多数派への安心の留意指針と言われる、「全ての国民の安心に留意する」というような言葉が、むしろ拡大解釈されたりして、一人ひとりの権利が守られない可能性がないかどうかというところはチェックをしなければいけない。
ここは先ほども話をしましたが、その当事者がいて、当事者と職場の中で丁寧な理解が進められてくる中で、不利益を長年生じさせたままにしておくというのは違法だということの判決ですから、やはりこの対話ですとか相互理解ということが大事であると思いますから、そういうものを世の中のさまざまな場で、この対話や相互理解を進めていくという契機にしなければいけないなと思います。
○全国女性キャラバンについて(2)
【「FACTA」・宮嶋記者】
7月10日の「全国女性キャラバン」、これは40人からのトークがあって、140分からのなかなか優れものの録画も出ているが、これはご覧になったか。
【代表】
はい。
【「FACTA」・宮嶋記者】
私は正直言って、辻元さんはどこにいるのかなと思ったら、そこも彼女のある種の求心力もあると思うが、久々に熱と力を感じるくらい、多様性ってここにあるのかなと、立憲らしいなと思った。そこはどうでしょうか。
【代表】
ええ、よかったです、そう思っていただけて。そういう機会を一個でもやはり増やしていきたいですね。
【「FACTA」・宮嶋記者】
たぶんほとんどの人は見ていないのではないかと思うが。だから、私はあの3枚のポスターの中でも一番面白いのは、あそこに書いてあるあっち(#女性の声が政治を変える)のほうが、紙でどうだとかいうよりも、こっちのほうがずっと何か維新と対抗軸になる感じだ。要するに、あそこで言っていることは、支持率でいうと、風船でちょっと空気が抜けているのが今の立憲、ぱんぱんに張っているのが維新、これに空気を入れるのは、辻元さんもおっしゃっていたが、やはり女子力と。もうこれしかないのではないかというくらいの感じがあった。動物愛護も始めたが、やはり立憲は女性をというところが熱と力かなと私は思ったが、その辺はどうでしょう。
【代表】
いや、もうおっしゃるとおりですね。なので、私が代表になってジェンダー(平等推進)本部の取組もさらに強化をしたし、今回、女性の自治体議員が60名新たに増えましたので、そういう取組は着実に広がっていると思います。
この「#女性の声が政治を変える」というポスターも、今回またかなりの数が全国に展開されることになりますので、もっともっと立憲民主党がその女性の皆さんの声の出し先になっていくというか、声の上げ先になっていくように努力をしていきたいと思います。
○被選挙権年齢引下げに向けた取組について
【北海道新聞・今井記者】
何点かあるので順番に質問させていただきたい。まず、冒頭おっしゃった被選挙権年齢の引下げについて。昨年、立憲は被選挙権年齢の引下げ法案を出されたかと思うが、さきの通常国会ではこの問題に関する議論は停滞したかなと思う。さきの通常国会での議論がなかなかなかったことについては代表はどのように受け止めているか。
【代表】
そうですね、私たちとして法案を提出して、やはり野党の提出した議員立法もきちんと国会で取り上げて、要は委員会として諮ってもらいたい。ここには与党の委員長がそれを取り上げなければ取り上げてもらえないという、我々が要請をしても断られているという、ある種、野党法案の審議拒否が行われていますから、それはやはり自民党には改めてもらわなければいかんと思います。
私たちが出した法案を、これはおそらく与党・自民党の側にも(被)選挙権年齢を引き下げるべきだという思いを持っている議員はいるはずですから、野党が出しているからといって、そのメンツというか、プライドか何かわかりませんが、議論しないとか審議しないではなく、野党が出している法案もやはり審議をしてもらう。これを求めていきたいですね。
【北海道新聞・今井記者】
この問題に関して、立憲はこれからも全国で伝えていきたいというふうに先ほどおっしゃっていたが、昨年に法案が提出されてから、この1年間で党内で何か、訴えをブラッシュアップしていこうとか、議論や動きなどはあったか。
【代表】
被選挙権年齢の引下げということでのこの法案を出しましたが、それに加えて、立憲民主党の中に「未来世代委員会」をつくりました。これは何かというと、党の政策そのものに被選挙権年齢のない若者の声を反映させようということで、何人かの若者に委嘱をして、党の政策に提言をしてもらうという、直言をしてもらうという役割のメンバーを今持つことになりました。リバースメンターという言い方もしますが、党の運営だとかについて、もっともっと、今、被選挙権年齢にない若者にも声を届けてもらえるような仕組みをつくっていきたいと思います。
ちなみに、私の地元の総支部でも大学生が党の支部の常任幹事になっていますので、被選挙権年齢は法律を変えなければ変えられない問題ですが、そうでなくても立憲民主党は若い世代の声を直接聞いて政策や党運営に生かしていくよと、その取組は進めていきたいですね。さらに進めていきます。
○次期衆院総選挙に向けた取組について(3)
【北海道新聞・今井記者】
別件だが、昨日、連合の芳野会長が札幌市内で開かれた記者会見で、野党間の候補者調整について、共産党との共闘はあり得ないとした上で、共産党さんとの候補者調整については立憲さんが考えることというふうにおっしゃった。また、その上で、このような連携であるとか候補者調整をされた場合に連合の組合員の票が逃げていく可能性があるというふうに言われ、国民との連携については両党間で調整して現場が戦いやすい環境をつくってほしいと述べられた。この芳野会長の発言に対する受け止めを教えていただきたい。
【代表】
連合は二大政党的政治というものを求めていますから、先日というか、今の選挙制度が二大政党を前提にしていないんだというような発言も別なところからありましたが、やはりそうではなく、今の自公政権に対して、政権を担い得る、しかも、働く人たちの声を代弁できる、そういう政党をつくってほしいというのが連合の長年の思いだと思うのです。
その期待を寄せられているのが国民民主党と立憲民主党であるわけで、その意味ではやはり我々立憲民主党と国民民主党は真摯に向き合うべきだという声は強いと思います。全国を回っていても、両党の支持者からも、もちろん連合の地域組織からも、そういう声はやはり強いなと思いますから、この真摯に向き合うということをどれだけやれるのかということ、立憲民主党としてはそこはしっかり努力をしていきたいなと思います。
芳野会長のそのほかの発言ということについては、連合の考え方としては当然そういうことかなと受け止めています。
【北海道新聞・今井記者】
関連で、候補者調整だが、何かその対象のエリアについては、何か方針は現時点でお考えはあるか。
【代表】
今、皆さんに何か報告することというのはないです。
○「ALPS処理水の海洋放出に関する議論(1)」「岩手知事選(2)」について
【フリーランス・堀田記者】
福島の1Fの処理水のことで伺いたい。現在、立憲民主党はこれに対してどういう態度を取っているのか。
【代表】
立憲民主党は、この間、政府が処理水の放出をしようとしている。しかし、かつて、2015年だったと思いますが、政府は、地元漁協を初めとして、地元に対しては、その理解なくして一方的に放出をするということはやらないんだというふうに宣言をしてきた経緯があります。それを守れているのかということを我々としては問い続けているという状況でして、今、私たちが認識している部分で言えば、やはり福島や宮城や各地の漁協が反対をしているということで言えば、それは政府の説明や理解というものは足りないということだと思いますので、そういった意味での、この理解なきままの放出というのはやはり誤りだと考えています。
【フリーランス・堀田記者】
IAEAのグロッシーさんが来たり、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領がこれを認めるような発言をしているが、この前、韓国の野党の国会議員が11人来て、立憲民主党からは阿部知子さんと近藤昭一さんがいろいろと会議やら話合いに出た。これは完全にクローズだったので、終わってからブリーフもないので、どういったことかということはわからなかったが、その後に社民党の福島みずほさんたちがいろいろとやった会議においてはフルオープンで、放出反対ということだった。この阿部さんと近藤さん、原発ゼロの会だが、これが話合いをしたということは泉さんは聞いていますか。
【代表】
聞いていますというのは、報道は見ています。
【フリーランス・堀田記者】
女性キャラバンだが、まず第一に、岡本さんとか石垣さんとか鎌田さんがいる宮城に行くと言った。これは仙台市議選のこともあると思うが、その前に福島をなぜ素通りするかということがあって、これはやはり放出の関係ではないかと思うが、それはどうでしょうか。
【代表】
たぶんそれは推測なのではないでしょうか、堀田さんの。
【フリーランス・堀田記者】
玄葉光一郎さんと金子恵美さんの鋭い対立というか、そこらはちょっとわからないが。それから、岩手県知事選について伺いたい。先ほど泉さんが達増さんという名前を出したので、私は相手方の千葉絢子さんという名前を出している。とてもいい人だが、達増さんのほうから泉さんのほうに推薦とかそういったことの要請はもうあったのか。
【代表】
いや、今、この岩手県知事選で言うと、達増知事は県民党という立場で戦って、各党推薦は依頼はしていないのではないですか。
【フリーランス・堀田記者】
この前お会いしたということだが、そのときにいろいろと推薦とか支持とかそういったことは要請はなかったということで理解してよろしいか。
【代表】
今言ったとおりです。
【フリーランス・堀田記者】
立憲民主党岩手県連は、今どうなっていますか。
【司会(事務局)】
質問の趣旨をもう少し明確にしてください。
【フリーランス・堀田記者】
質問の趣旨ですか。正直言って、小沢さんと階さんの対立というものはどうなっていますか。
【代表】
それは取材なさってください。
○韓国・尹大統領との会談について
【MBC(韓国)・金記者】
泉代表に聞きたいのは、3月に韓国の尹大統領と会い、泉代表は領土問題をどういうふうに尹大統領にお話しなさったのか、言及したのか。
【代表】
今回の3月の尹大統領との会談というのはクローズで行っておりますので、そのときに私がぶら下がりで述べたこと。以上です。
それ以外のことについては特段語ることはございません。
【MBC(韓国)・金記者】
大体、私もいろいろな日本の政治家たちと会うと、竹島、独島という、領土問題を、日本の固有の領土だという発言をはっきりするが、泉代表も韓国の尹大統領に対してそういうようなはっきりした発言をなさったのか。
【代表】
私からは、言うべきことは言っております。
個別のことで、今もう一回いろいろと過去の資料を、3月の資料をですね、そういうものを見ることはできますが、私としては当然、韓国の大統領との会談であれば、我が国として主張すべきことは主張し、そして、相手の主張というものも、それは当然あれば聞くという立場ではあると思います。
個別のことにはお答えいたしません。
【MBC(韓国)・金記者】
そのときはっきり言ったことに対して、韓国の尹大統領の反応はどうだったのでしょうか。どういうような発言をなさったのか、尹大統領は。
【代表】
それはまた通告をいただいて、改めてお答えしたいと思います。
【司会(事務局)】
今申し上げたように、尹大統領との面談はクローズなので、こちらから何を申し上げたか、先方が何をおっしゃったかについて、こちらとしては公表していませんので、お答えすることは難しいと思います。
【MBC(韓国)・金記者】
報道では、泉代表が尹大統領に対して、独島、竹島は日本の固有の領土問題を発言したという報道はされているが。
【司会(事務局)】
報道の内容についてこちらから何か申し上げることはありませんので、今、司会が申し上げたとおりです。こちらから会談の内容について報道に申し上げたこと以上のことを申し上げる予定はないです。
【代表】
事実確認というのがやはり今のお話では大事だと思うから、なので、改めて確認をしてお答えするようにします。
【MBC(韓国)・金記者】
わかりました。もう一回確認したいのは、泉代表としては、日本の政治家として、野党の党の代表として、日本の竹島、独島を、日本の固有の領土だということをはっきり言ったと我々は認識してもよろしいか。
【代表】
いえ。まず我々が確認をしますので、それで改めて回答をもらってもらえたらと思います。
○次期衆院総選挙に向けた取組について(4)
【関西テレビ・鈴木記者】
候補者調整について伺いたい。おととい維新の会の幹事長が、またいつものごとくではあるが、立憲民主党の批判があった。共産党のほうが真っ当であると。何かこう、政権の話をせずにおいしいところだけ持っていくのは都合がよ過ぎるというような批判があった。それに対して、報道も幾つかされたが、代表としておっしゃることがあればお願いしたい。
【代表】
維新の会としては、公明党と都合のよい関係を続けてきたということなのでしょうね。ご自身がやったことはすっかり忘れているようでして、では、公明党との政策合意は何だったのか。これまで国政では他党の力をかりたことがないなんていうふうに言っていましたが、思いっ切りかりてきたのではないかというふうにも思いますね。
維新さんが共産党さんのことを真っ当だと褒めるというのは、それは維新さんの考え方なのでしょうから、共産党は維新に褒められる政党になったんだなあ、と思っています。
【関西テレビ・鈴木記者】
候補者調整全体の話だが、今、日本維新の会も国民民主党も否定的なことを言っている。一方で、共産党は非常に積極的な態度を示している。逆に、立憲民主党に対して前と言っていることが違うので説明せよというような感じになっている。これはなかなか、候補者調整が共産党方面だけと進んでいくような話になっていくと、立憲自体もそちらの方面のイメージがつくというか、いろいろな方向に広く候補者調整をするのではなく片一方のほうになってしまうような、そちらのウイングのほうに行ってしまうような、そういうイメージがつく。であるならば、候補者調整全体をしないほうがいいようにも思えるが、その辺はどういうふうにお考えか。
【代表】
これも、やはり繰り返し僕は党内に言っていることですが、候補者調整に頼るなと。まずこれですよ。とにかく自分たちの政党の政策が正しいと思って立憲民主党に結集しているわけですから、ほかの政党と一緒にやるということは、それは政策的に何か合意をするものというのが出てきて当たり前といえば当たり前ですから、まずやはり自分たちの政党の政策を堂々と訴えて、単独で勝てるように頑張れと。もうそれですよね。
どこかの政党と進んでいる進んでいないというのは、その時々で変わってくるし、やはりそこに何かこう振り回されて地元活動・地域活動をするのではなく、自分たちの政策、自分たちの党の政策をとにかく訴えて支持を拡大せよと。これはやはり繰り返し訴えていきたいです。
候補者調整というのは、そのときそのときでまた各党のスタンスも、いろいろな意味でやりとりも変わってくるでしょうから、今は当面その努力を続けていくということです。
【関西テレビ・鈴木記者】
立憲民主党としては、選挙協力でもなければ共闘でもなく候補者調整であるという言い方をしているが、この候補者調整にはやはり政策のある程度の合意というのは条件として入ってくるものなのか。それはなく行けるものなのか。
【代表】
何をするにせよ、相手がいることなので、それは条件が両方折り合えば何かが可能になってくるということでしかないです。今の時点で、相手がどう出てくるかもわからない、具体的に何か進んでいる話でもない中で、こちら側が一方的に条件を言っても仕方がないと思います。
○ALPS処理水の海洋放出に関する議論について(2)
【朝日新聞・楢崎記者】
先ほども話が出たが、原発処理水の海洋放出について、韓国最大野党の「共に民主党」の国会議員が、阿部知子議員らとの面会後に一緒に記者会見をし、計画撤回を求める共同声明を出している。こうした動きへの受け止めについてお聞きしたい。
【代表】
韓国の国会の方々の動きについて。
【朝日新聞・楢崎記者】
韓国の国会議員と阿部知子議員、一緒に記者会見をして共同声明を出している。それについての受け止めを。
【代表】
党の政策として動いているとか、党の立場として動いているものではなく、おそらく超党派の議員連盟の動きとしての議員活動をされているというふうには認識をしています。これは、ゼロの会というのはたしか自民党の議員も入っていた会だと思うのですが、その中での活動だというふうに承知をしています。
【朝日新聞・楢崎記者】
共同声明は韓国の議員と立憲の4人の署名でなされているが、今週の岡田幹事長の会見で、処理水について、近隣国への理解を得る努力の必要性とともに、政治的利用をすることがあってはならないと発言されていた。海洋放出に反対する韓国の野党と、日本の野党第1党の議員の連携については、どのようにご覧になるか。
【代表】
ちょっと私も、詳細ですね、どういう経緯でそうなったかというところの報告までは今まだ受けていない状況です。
○次期衆院総選挙に向けた取組について(5)
【時事通信・大塚記者】
先ほどからちらちら質問が出ている候補者調整について伺いたい。泉代表は先ほどのお答えの中で、候補者調整に頼るなというような発言もあったが、これと、現在幹事長にも候補者調整を進めるように指示されたと思うが、そこはどういうスタンスなのか。
【代表】
各議員の心構え。これはとにかく、何かボーナスがやってくると思うなということですね。
【時事通信・大塚記者】
心構えとしては、もう自分だけで頑張るくらいの勢いでと。
【代表】
もちろんです。
【時事通信・大塚記者】
それがある一方で、候補者調整については追求はしていくということか。
【代表】
これはやはり何のためにということで言えば、野党の議席を最大化するためです。
【時事通信・大塚記者】
続けて、関連だが、泉代表の先週の会見で、共産党が立憲の方針が変わったことに対する説明を求めていることについて、別にありませんというようなお答えをされた。そこについて、小池書記局長が会見で、説明するつもりはありませんというのは余りに誠実さを欠いた対応ではないだろうかということで、ちょっと怒っているような状況だが、ここについてのお考えは今どのようなものか。
【代表】
お互い記者会見の、何かああ言ったんじゃないかみたいなことを、それはどの党であっても、繰り返していてもしようがないのではないかなと思います。
【時事通信・大塚記者】
現時点で、共産党に対して何か説明をするお考えはありますか、ありませんか。
【代表】
個別の政党とのやりとりについて、今、何か語ることはないです。
【時事通信・大塚記者】
小池書記局長は先日の会見で、候補者調整と選挙協力ということについてもお話しになっていて、泉代表は候補者調整はするが選挙協力はされないと言われたことに対して、選挙協力ではない候補者調整と言われると、結局、共産党が一方的に候補者を降ろしてくれと言われているような感じがして、それは到底受け入れることはできないというような強い言葉で反論しているわけだが、これについてはどのように反論されるか。
【代表】
「感じがして」というのは、ある意味独自の解釈なのでしょうから、どう解釈されるかについては、こちらはよくわからないです。そういう感じがしてと言われても、という感じです。
【時事通信・鈴木記者】
すみません、「感じがして」というのはちょっと私の言葉で丸めて話してしまったので、正確に言うと、結局、共産党には一方的に候補者を降ろしてくれということになるのではないかという言葉を言われている。
【代表】
少なくとも私は何か記者会見でそういうことを発言したことがないので、何とも言えないですね。一方的に候補者を降ろしてくれとか、そんな発言はしたことがないので。以上です。
【時事通信・大塚記者】
その共産党の小池書記局長の受け止めというか認識は、ちょっと違うと。泉代表の趣旨とは違うという意味でいいか。
【代表】
発言したことのないものは発言したことがないとしか言いようがないです。
【時事通信・大塚記者】
小池書記局長が言っているようなことは、泉代表は言っていないと。
【代表】
ということですよね。
【時事通信・大塚記者】
そういう思いもないと理解していいか。
【代表】
発言していないです、はい。
【時事通信・大塚記者】
思いはあるのか。
【代表】
意味がわからないです。思いがあるけれども発言はしていないとか、そんなことを言ったら切りがない話なので。
【時事通信・大塚記者】
すみません、共産党に一方的に候補者を降ろしてほしいという気持ちがありますか、ありませんか。
【代表】
そんなことは言っていません。
【時事通信・大塚記者】
そこはお答えにならないということですね。
【代表】
いやいやいや、別に、何でそんな話になるんですかと思いますね。
【時事通信・大塚記者】
発言の有無は、言っていないということはわかったが、そういうお気持ちがあるのですかと聞いていますが、それはお答えにならないのですか。
【代表】
ちょっと待ってくださいね、もう一回整理をお願いします。一方的に候補者を、何でした。
【時事通信・大塚記者】
降ろしてくれというお気持ちがありますか。
【代表】
改めてですが、他党と、そして個別のやりとりについては、それはお互いに条件があって初めて成り立つものであって、片一方が「それは無理でしょう」というものであれば実らないですよね。ですから、何か実らせようと思うのだったら、片一方の事情というか、片一方の考え方だけで、片一方が例えば一方的に「何かをしろ」「言うことを聞け」ということでは実らないのではないですか、というふうに僕は思いますよ。候補者調整というのは、調整ですからね。候補者取下げ指示ではないわけですから。それは当然のことではないかなと思いますけれども。
○「次の内閣」「幹事長の誕生日に当たって」等について
【フリーランス・小山記者】
各党の衆院選候補者が街頭やSNSで声を上げ始めているので眺めているが、右も左もなく各層が傷んで、もうぎりぎりの状態になっているというような感じを受けた。立憲民主党は普段どちらかというと柔らかいアピールをこういうところでは心がけていらっしゃるのではないかと思うが、各問題について情報収集を初め先駆者であるということがもっと知られてもいいのではないかという印象もあわせて受けている。まだまだ伝わっていないのではないかという意味を込めながらご質問したい。「次の内閣」をつくった成果。国政に興味を持つ大学生とか、そういった一般の方を含め、国民はアクセスしやすくなっていると思われるか。
【代表】
ごめんなさい、もう一回お願いします。すみません。
【フリーランス・小山記者】
「次の内閣」をつくった成果は出ていると思われるか。
【代表】
はい。これは「次の内閣」で法案審査をして、党代表がこれまでで言うと毎週その政策審査の場には来ていなかったわけですから、党代表と各NC大臣が共に政策審査をするということでの政策の重みというのも一段上がっているし、そして、立憲民主党として随分と今回も法案を提出し、対案も提出しましたから、はい、成果は出てきています。
【フリーランス・小山記者】
質問の後半は、国民はアクセスしやすくなっているかというご質問をした。問合わせや申入れというのが各専門の議員さんのところにたくさん来るようになったりしているか。
【代表】
それは過去との比較というのはちょっと我々もデータを取っているわけではないのでわかりませんが、常に「立憲ボイス」という窓口も含めて我々としては国民の声を聞いておりますし、たくさんの声は届いています。
【フリーランス・小山記者】
次は全く違う質問だが、NATO首脳会議のほうで、東京事務所の設置について、フランスのマクロン大統領が反対でまとまらなかったということだが、泉代表としてはどのようなお考えをお持ちか。
【代表】
まずはNATOの中で合意がなければならない話だと思いますし、私も今度このことについて外務省ですとか防衛省から話を聞くような段階ですので、まだそれ以上のものではないです。
【フリーランス・小山記者】
泉代表としては、あったほうがいいと思われているか。
【代表】
いや、ですから、東京事務所というのは、何をする、どんなところかというのがまずなければ、あったほうがいいとか、ないほうがいいありきではないので。
【フリーランス・小山記者】
情報がこれからと。
【代表】
そうですね。
【フリーランス・小山記者】
今回また大規模な職員募集をされたりしているようだが、内部改革に頑張っていらっしゃる岡田幹事長の本日誕生日らしいが、幹事長に贈る言葉があれば。
【代表】
おめでとうございます。これからもよろしくお願いします。
【フリーランス・小山記者】
それだけでよろしいのですか。
【代表】
それだけと言われても。それは、最大の愛を込めて。
○「対露政策」「北方領土問題」について
【フリーランス・宮崎記者】
内閣府、合同庁舎4号館の前に「北方の 領土かえる日 平和の日」という看板が長年ずっと立っていた。これが10年前、野田内閣当時に「“いつか”を“今”に。日本の国土、北方領土」という、ちょっと前のめりな看板になったが、そのわずか1年後、政権交代で、安倍内閣の下で「北方領土(ふるさと)を想う」という非常に弱い表現になった。これが昨年の6月に、4号館の建て替えに伴い、再び「北方の 領土かえる日 平和の日」の看板に10年ぶりに戻った。この件に関しては3年前の予算委員会で大西健介衆議院議員も提案していたのが、それがある程度生かされたのかなと思う。ウクライナ侵略も始まってしまった時期だが。この件に関しての受け止めと、ロシア経済協力担当大臣というものを安倍・菅・岸田内閣がつくったといったことに関して、全く政府側の何らかの検証はなされていないかと思うが、これを含めてこの件はいかがお考えか。
【代表】
これは我が党の野田佳彦元総理・議員が予算委員会でも質問したわけですよね。これだけ対ロシア制裁をしているときに、ロシアの経済協力大臣が今もいて、それは何をやるのだという話でしたが、政府の回答は明瞭なものはなかったということもありました。
そして、この安倍政権で、一つが対露経済協力で、この間、クリミア半島の占領もある中でも、日本側が、北方四島の交渉にも資するだろうということで、かなり安倍政権は前のめりにプーチン大統領と交渉を重ねてきたけれども、結局は何も得られず、そして、北方領土の支配はより強化されたという現状の中で、その中の一つで、私も2009年のときには北方領土問題担当の政務官をしていましたが、旧島民の皆さんとかの北方領土返還運動が安倍政権によって沈黙を余儀なくされた。沈黙させられたわけですよね。しかし、その沈黙の成果は何もなかった。見返りは何もなかったということで、運動の停滞や先細りを招いたということも、大変残念ですが事実だと思います。
ようやく、遅ればせながらですが、本来主張すべきことを主張できるようになって、改めてですが、我が国として、この北方四島の返還に向けては、国内運動をしっかり取り組んでいかなければいけないと思っています。
これは立憲民主党が言い続けてきたことでもありますから、安倍政権の外交が全て成功だったということでは全然ないし、そして、この対露外交ということで言えば、払った代償は大きかったということです。
【フリーランス・宮崎記者】
全国の新幹線駅前とかにあるのは、あれは政府ではなく北対協、北方領土対策協議会と、あとは根室市役所とかがやっているので、政府では関わっていませんといったことだった。その辺の全体的な、改めて、国民運動に関してはいかがか。
【代表】
国民運動として取り組んできた北対協とかの取組を、当然政府も理解し、また、支援もしてきているわけですから、今、本当にこの旧島民の方の減少ですとかということで、運動自身もいかに次世代につないでいくかという大変重要な節目の時期だと思いますので、支援はしっかりやっていただく必要があると思います。