泉健太代表は8月25日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)東京電力福島第1原発のALPS処理水の海洋放出(2)エネルギー価格高騰対策(3)マイナ保険証問題(4)殺傷能力のある武器輸出――等について発言しました。

(1)東京電力福島第1原発のALPS処理水の海洋放出

 昨日、処理水の海洋放出が開始されたことに関して泉代表は、「福島県の漁協の皆さんと誠実な対話をせずに放出を開始したことは不誠実だ。2015年に理解なくして放出はしないと約束をしたにもかかわらず放出に至ったことは、われわれとしても遺憾であり、政府のやり方は間違っている」と述べました。

 泉代表は岸田総理のこうした姿勢に対し、「就任以前から聞く力と言ってきたが、議論から逃げる力ばかりが発揮されている。説明、理解、対話ということに取り組んでいくのは当然のことだ。そもそも処理水の貯水タンクの限界は何年も前から分かっていた。計画性をもってせきたこと。それを今になって一気呵成に放出をバタバタと進めていくことは政府のやり方として大きな間違いだ」と指摘しました。

 また中国側の日本からの水産物の輸入を全面禁輸した措置について、全く科学的根拠や冷静さを欠く措置だ。強く抗議するとともに、中国政府は速やかに撤回するべき」と述べました。

(2)エネルギー価格高騰対策

 経済産業省に対して、本日申し入れをさせてもらうと述べた上で、「電気代は月平均で2800円の負担増が予想されるので、月3000円のエネルギー代手当を提案している。ガソリン価格については、トリガー条項の凍結解除を求めている。これを行えば25円のガソリン価格が下がるので政府は行うべきだ」と述べました。

(3)マイナ保険証問題

 現在マイナ保険証問題は混乱の極みだと指摘。「政府のやり方では『マイナ保険証』『暗証番号無しのマイナ保険証』『通知証』『資格確認証』『現行の保険証』と、紙だらけのデジタル化が進もうとしている」と政府の対応を批判しました。そして、立憲民主党の考え方は、「マイナ保険証」か「現行の保険証」の2つであり、少ない負担で選択ができると説明しました。

(4)殺傷能力のある武器輸出

 一昨日政府が、自公両党に見解を示したことに、「日本周辺の情勢を含めてさまざま対応しなければならないことは大事だが、岸田総理は国民への説明から逃げてはならない。殺傷能力のある武器輸出は、わが国の国柄、世界からの評価を変えてしまう。これを国会での議論もなく変えてしまうということは、非常に大きな問題だ。政権与党に参画している公明党もしっかりと求めてもらわなければ困る。世界から信頼される国づくりとして、戦後日本はわが国の防衛には責任を持ちながらも一方で、日本の独自の歩みとして武器輸出はしてこなかったこともわが国の特徴のひとつだ。さまざまな世論調査で6割以上が反対しているという結果が出ていることも考えると、真摯(しんし)な国会での議論を求める」と述べました。


泉健太代表記者会見

2023年8月25日(金)10時31分~11時30分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/neXQ2rz9wZs


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○ALPS処理水の海洋放出について

【代表】
 おはようございます。会見を始めたいと思います。
 まず、24日、福島の原発の処理水、これが海洋放出が開始されました。
 改めて、岸田総理は、現場、福島県、この漁協の皆さんと誠実な対話をせずに、この放出を開始しました。これは不誠実だし、これまでも繰り返し言っていますが、2015年、理解なくして一方的な処分はしないということを政権自らが約束をして今に至っているにもかかわらず、その約束を果たさず、漁協も賛成はできない、反対という姿勢を変えないという状況のまま放出に至ったということは、これは我々としても大変遺憾であり、この政府のやり方は間違っているというふうに改めてお話ししたいと思います。
 岸田総理、就任以前から「聞く力」ということを言ってきましたが、もう議論から「逃げる力」、これが最近目立っている。「逃げる力」ばかりが発揮されている。これでは「逃げる力」ではないかというふうに思います。
 説明とか理解とか対話ということを取り組んでいかなければいけないのは当然のことで、そして、処理水を貯留したタンクの限界なんていう話がよく出てきますが、これは処理水の発生のスピードから、タンクの増設や、それぞれのタンクの限界というものは、もう何年も前から予測可能なものです。そういうことを考えれば、では、1年前までに何をやっていなければいけないか、2年前までに何をしなければならないか、地元との対話、漁協への説明、どのように行うのかというのは、これは計画性を持ってできたはずです。それを今になって一気呵成に、この事前の取組が不足している中で今になって一気呵成にこの放出をばたばたで進めていく、どたばたで進めていく。そして、最終的には地元の漁協からも話を聞かない。これはやはり政府のやり方として大きな間違いだということを言わざるを得ません。
 一方で、中国側が、もう本当によくわからない措置になっていますね。日本全体からの水産物の輸入、これを全面停止するというのは、全く科学性や科学的根拠や、そして冷静さを欠く措置だと思っています。これには強く抗議をしますし、そして、中国政府は速やかにこの措置を撤回すべきだと、このこともお話ししたいと思います。
 岸田総理、G20なども今後ございますので、こういった場でも、あらゆる国際的なレベルで中国に対する冷静な対処を促すように申入れもしてもらいたいと思っております。

○「燃料油価格の高騰への対処を求める要請」の申入れについて

【代表】
 続いて、ガソリンの高騰対策です。これはきょう、我々、経済産業省に申入れをさせてもらいます。
 電気代については大体月平均2800円の負担増が予想されるということで、この電気代対策については月3000円の電気代補助、エネルギー手当というのを立憲民主党として今策定をして提案しています。
 それに加えて、このガソリンの高騰ですね。私たちとしてはまず、既に法案を出しているトリガーの凍結解除。これをやれば間違いなく25円ガソリン代が下がるわけですから、このトリガーの凍結解除をしてガソリン代を25円下げる。これを政府は行うべきだと思います。
 それを、政府がしかし、自民党も含めて、今、否定をしている状況の中で、この(元売会社への)補助金を延長という話もありますが、やはりどういった予算を使ってこのガソリン対策を行うのかということについて、国会の議論なしのままで政府が決定するということはあり得ない。これはあってはならないと思います。
 いずれにせよ、早期に国会で議論ができる状況、今のエネルギーの状況や、今後のエネルギー需給の状況、価格の予測なども含めて、国会で論戦をすべきことであります。ここも、先ほど「逃げる力」という話をしましたが、議論・対話・説明を逃げてはいけないと思います。ぜひ国会での論戦を国民の前でしてもらって、そして、このガソリン高騰対策についても決定をしていく。これがあるべき姿であると思います。

○マイナ保険証「保険情報の文書交付」政府方針について

【代表】
 続いて、マイナ保険証です。マイナ保険証が本当に混乱の極みというところになっています。
 何だか聞きますと、23日に我が党が国対ヒアリングをしたのですが、そのときに、今でも現行の保険証、いわゆる資格確認書、マイナ保険証と、こういう状況を政府が生み出してしまっているわけです。これは立憲民主党の考え方でいけば、マイナ保険証か今の健康保険証ということで、二つの選択肢で済むわけですよね。それで大方の国民は納得もするし、それで運用もうまくいく。最も負担の少ない形の選択制ができるわけなのです。一方で、政府は、それを殊更メンツで嫌がり、拒否をし、資格確認書というものを生み出そうとしている。これでまた紙が増えるわけですよね。紙だらけのデジタル化と言ってしまってよいのではないかと思います。
 それに加えてです。この23日の立憲民主党の国対ヒアリングで出てきたのは、今度はマイナ保険証の読み取り機が設置されていない医療機関で受診をする人向けに、加入する健康保険組合や自己負担割合などの医療保険情報を記載した通知書を交付すると。また紙ですね。本当にこの紙だらけのデジタル化を岸田政権は推進している。何だかなという気がいたします。
 これでは結局、受診するために必要なものとして五つの種類が生じる。マイナ保険証、暗証番号なしマイナ保険証、今言った通知書、資格確認書、そして従来の保険証と、もうぐちゃぐちゃな、紙だらけのデジタル化が進もうとしているということですね。混乱の極みではないでしょうか。
 これをやはり立憲民主党は、デジタル化というのはペーパーレスを進めるということも本来あるはずで、その意味では、立憲民主党はシンプルに二つの選択肢、マイナ保険証か今の健康保険証かを国民の皆様がシンプルに選べる形、これをぜひ採用してもらうのがこの国のためであり国民のためであるということであると思います。

○「殺傷能力ある武器の輸出は可能」政府見解について

【代表】
 続いて、殺傷能力のある武器の輸出ということについてです。おととい、政府は自民党・公明党に対して、この輸出ルール緩和ということの見解を示しました。
 改めてですが、確かにウクライナ情勢など、あるいは日本周辺の情勢を含めて、さまざま対応しなければいけないということで、我々として、これまでの我々が運用してきたルールについて、それをよく吟味していくということは大事であろうと思います。しかしながら、これもやはり岸田総理は国民への説明を抜きにしてはならない。国民への説明から逃げてはならないと思います。
 これは非常に重要な、殺傷能力のある武器の輸出という、これまでの我が国の国柄を変えてしまう、世界からの評価を変えてしまう可能性のある、こうした事柄について、国会の議論なしに決めてしまうということであれば、これは非常に大きな問題だと思います。「対話から逃げる力」がここでも出てしまうのか。それとも、きちんと国会で説明をし、論戦をするのかということで、この件についても国民に開かれた議論というのは必須であると思います。
 こうした辺りも、政権与党に参画をしている「平和の党」公明党においても、やはりきちんと求めてもらわなければ困るというふうにも思っています。
 これは決して、なし崩して(うやむやにして)はいけない案件です。国民にとっては、何を変え、何を変えないのかということについて、非常にわかりにくい今の状況でもあると思います。やはり世論の中で、さまざまな世論調査で6割以上の方々が反対をしていることの意味というのは、やはり戦後の日本が、我が国の防衛には責任を持ちながらも、一方では、世界に対して、平和国家として、日本の独自の歩みとして、世界から大変評価をされる、信頼をされる国づくりをしてきた。そこでは武器を輸出してこないということも我が国の特徴の一つであったということからこうした世論調査の結果も出ていると思いますので、やはりそうしたものを一部の政権与党だけで捨て去ってしまうのかということが今問われているのではないかと思います。
 真摯な国会での議論。これを行うべきであるということを改めて私たち立憲民主党として求めてまいりたいと思っております。


■質疑

○「殺傷能力ある武器の輸出は可能」政府見解について

【東京新聞】
 冒頭ご発言があった武器輸出の件だが、近く閉中審査を求めておられると思うが、そちらでもこのテーマは議題に上がるか。

【代表】
 ええ。もちろん閉中審査で予算委員会ということであれば、立憲民主党としては重要な案件は当然扱うと考えています。その中に、この武器輸出のことについては含まれております。

【東京新聞】
 もう一点だが、今おっしゃったいろいろな変更が予想される分野の中で、他国と共同開発した戦闘機を第三国に直接輸出できるという方向に今進んでいるが、この点に対して特に懸念されることや積み残されていると思われる点があれば教えていただきたい。

【代表】
 いろいろな、この武器の輸出というのはグラデーションがあって、一つ一つ細かく見ていくと、どこが境界線なのかというのは実は明確ではないものがたくさんあります。ですから、現時点で全てにおいて白黒はっきりできるというものではないとは思っています。
 例えば、確かに共同開発をしたものというのは全て日本のものと言えるのかというところはあるし、その共同開発をするに当たって、その共同開発をした国との合意事項というものもあるでしょうから、それについて日本側が全て縛り切れるのかというところはありますから、まさにそういう話を国会で、政府がどう考えているのかを我々としては聞かなければいけませんし、聞いた上で、では、政府の現在の考え方を踏まえて各政党がどのような見解を持つのかということも表明をしなければいけないと思っていますので、まず、やはり全くそういった情報が政府から出てきていないということが大変な問題だし、これは国会で明らかにしてもらわなければいけないことだと考えます。

○ALPS処理水の海洋放出について(1)

【日本テレビ】
 処理水に関して伺いたい。立憲民主党としては、先ほど泉代表も発言があったように、岸田総理の決定に関しては現場との誠実な対話をせずに決定したということだと思うが、泉代表として、しっかりとその現場の声を聞くために、代表ご自身が福島を訪問して漁業関係者であったり地元住民の方と面会して直接意見を聞くようなご意向や予定などはあるか。

【代表】
 これは約束をしたのが政府ということで、約束をした政府がまず一義的に聞くべきであると思っています。そういったことがまず大前提だと思っていますので、今、私たちとしては、現場の福島県連、この立憲民主党の仲間たちが日々地元の漁業者の方々とも対話をして話を聞いておりますし、そして、実は福島県の漁協だけではなく、宮城ですとか岩手ですとか青森、また茨城の漁業者の方々とも、日々我々は対話をさせてもらっていますので、そういったことを踏まえて立憲民主党としては現在の意見に至っているということです。

【産経新聞】
 先ほどの処理水の関係でお尋ねしたい。立憲民主党としては関係者の理解が得られていないというところも反対の一つだったと思うが、これがどの段階になったら放出が容認できる状況になるのかというのをもう少し具体的にお聞かせいただきたいのと、風評被害の解消に向けては、大阪府の吉村知事が全国の都道府県庁の食堂で一定期間福島県産の水産物を使うというところも提案したりして、風評被害払拭に向けての活動が広がりつつあるが、立憲民主党として払拭に向けてどう取り組むか、これまでの取組とあわせてお聞きしたい。

【代表】
 福島県産の海産物、「常磐もの」というのはブランドとしてもとても有名で、我々もおいしくいただいてきていますが、この中国の禁輸措置などで言うと、福島のもそうですし、もはや本当に全国の日本産の海産物の消費を高めていかなければいけない段階だと認識しています。吉村知事が例えば言う県庁の食堂というレベルの話ですれば、国会だってそうですよね。国会の中の食堂でということでの消費拡大、これはやはり大いにやっていくべきだと思います。

【産経新聞】
 そういったことをまたご主張されていくと。

【代表】
 もちろん、はい。それはやはり国産のものを消費していくというのは、そもそも国内のいわゆる食料自給率を上げるというのも立憲民主党のそもそもの政策ですので、これは大いに推進していきたいと思います。

【産経新聞】
 重ねて恐縮だが、中国の件だが、処理水放出について、風評被害対策の観点から。中国は今もなお汚染水というような表現をされている。この汚染水という言葉が風評被害に影響するかどうか、代表の考えをお聞きししたい。

【代表】
 少なくとも日本政府は処理水という表現で、これから国民に説明もさらにしていかなければいけませんし、そして、IAEAにおいて、これは国際機関さまざまある中で、日本も加わり、第三者的・客観的に評価をする国際機関としてのIAEAが一定の評価報告を出しているということは、それはそれで当然重みのあることだと思っていますので、そういった意味で、その考え方をいかに国民の中に広げていくか。
 私は、中国が、中国政府がこう言っているから日本の国民に大きな影響があるということではないのではないかと思います。それは中国の方々、中国の国民が日本の海産物を食べられなくなると、それはむしろ残念ですねということではないかと思います。

【産経新聞】
 重ねて恐縮だが、立憲民主党の議員の中では一部、汚染水という表現でSNSに投稿されたりしているが、これについての代表の考えをお聞きしたい。

【代表】
 岡田幹事長から注意が既になされているというふうに私も認識しています。
 それは日本の政治家ですから、当然それはどの党においても、政党所属の国会議員とはいえ、一人ひとりの国会議員がさまざまな見解を持つということそのものは即座に否定されるべきものではないと思っておりますが、党としての見解というのは既に固まっておりますので、党としてはそれは処理水であるというふうに考えます。

○首相の沖縄訪問について

【朝日新聞】
 沖縄の件で伺いたい。きょうの報道でもあるとおり、辺野古の件で敗訴が確定し(※実際には9月4日に判決見通し)、基地の工事が再開される可能性もあるという中で、きょう首相が沖縄を訪問されるそうだが、知事に会ったりすることはなく、どうもバスケの観戦とかスポーツ観戦をするという予定で、知事とは対話をしないということだ。こうした沖縄の政治状況の中で、沖縄を訪問する首相が知事との対話とかそういうことをしないという件について、代表はどのようにお考えか。

【代表】
 バスケットボールのワールドカップというのは、これはこれで大きな、全く別なイベントです。ですから、むしろそのタイミングで何かついでに基地の話をされても困ると私は思います。
 ですから、国際行事として沖縄に行くから、そのタイミングで対話をするというのは、私はむしろ基地のことを軽く考えているのではないかと思いますから、基地のことは基地のことで、きちんと玉城知事と相対して真剣にその件について話をする機会を別途つくってもらうべきだと考えます。

【朝日新聞】
 ただ、一方で、一般論として伺うが、こうした政府の、辺野古の件で対話をせずに、地元の理解とかをあまりせずに、努力を怠っているという見方もあると思うが、こうした辺野古の件に関して今の政府の対応というのを代表としては改めてどのようにお考えか。

【代表】
 米軍も、これからまた沖縄からグアムへの海兵隊の移転だとか、さまざまなことがあります。やはり、この安全保障環境が変わっていく。アメリカもまた、この南西諸島周辺の防衛環境が変わる中で、さまざまなその配置だとか機動性の考え方というのがどんどんどんどん変わってきておりますので、むしろ、そういうことを踏まえて何が最も適切なのかということを、特に現場、沖縄の知事や沖縄の皆さんにもわかりやすくそれを伝え、基地負担の軽減、これをやっていかなければいけないと考えています。
 その意味では、随分長いこと以前に決定した辺野古というものがありきで進めるのが、果たして今の防衛環境においても本当に最適な考え方と言えるのかということを我々も問うているし、しかも、その辺野古の基地では建設費が莫大に膨らんで、軟弱地盤であれば基地として運用できるかどうかも非常に今後不安視されているということから、安全保障上もその辺野古の適切性が問われているという状況です。そういったことをむしろ、いかにアメリカと情報を交換し、そして、今の国際環境、安全保障環境に合わせて変化をさせていくのか、また、その必要があるのかどうかということを考えていくべきであって、随分以前に決めたことをただ無理やり強行するというのは私は誤りだと思います。

【朝日新聞】
 確認だが、改めてこうした辺野古の件はしっかりと日程を調整して、しっかりと玉城知事と首相が向き合っていくべきだという立場か。

【代表】
 そうですね。朝日さんが言うような文脈とはちょっと違って、今回のバスケのときに会えばいいというふうには私は思いません。別の日程で会う。きちんとそのことについて議論するために、あるいは意見交換するために、政府が沖縄と向き合うべきだと考えます。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(1)

【読売新聞】
 次期衆院選での野党間の候補者調整について伺いたい。代表は野党各党に候補者調整を呼びかけていると思うが、候補者調整も選挙協力の一部だとの見方もある。選挙協力と候補者調整の言葉の整理について、改めて代表のお考えを教えていただきたい。

【代表】
 いろいろな見方とか言葉の定義というのは確かに人それぞれで、全員が共有・共通するということはなかなか難しいところはあるのかもしれません。
 立憲民主党としては、一本化を含む候補者調整ということが重要であると、この認識をこれまでもずっと持ってきました。もちろん、それぞれの政党が自民党に対してきちんと対抗する意思があるのかどうかというところは、これはやはり問われるわけですよね。そもそも、この日本に、今、国政を捉えれば野党の力が弱くて政権交代が非常に起きにくい日本になっているときに、主要国を初め世界ではどこでも政権交代が当たり前に起きて政策の転換も図れる国なのに、日本はずっとこの自民党の変わらない政治が続いてきた。また、それを補完するような野党になってしまっては本当に政権交代というのは夢のまた夢ということになってしまいますから、やはりこの野党を育てる、よい野党を育てるという意味で、野党自身がどれだけすり合わせをし、この一本化を含む候補者調整ができるかどうかというところは当然問われると思いますが、立憲民主党としてはそれは真摯に向き合っていきたいと考えてまいりました。
 候補者調整が選挙協力と同一であるとかないとかということについて、それぞれの政党の考え方があるというふうには承知していますが、選挙協力という言葉自身も相当確かに幅のある言葉ですから、多少そこは、それぞれの政党において考え方が、思い浮かべるものが違ってしまっているところはあるのではないかと思います。
 大切なことは、この野党の議席の最大化をして、与党と野党が伯仲して、そして、熟議。先ほど話をしたように、岸田総理は国会論戦を逃げる傾向が非常に強い。「逃げる力」が増していますから、国会で説明せずに物事を決めていくということが常態化しているということを変えるためにも、大事なことは国会で国民の前で議論をして決められていく、問題点もきちんと議事録に残る、そういうような状況をつくるためにも野党間で連携をして力を合わせていくことが必要だと思っています。

【読売新聞】
 自民党に対抗する意思があるのかどうかというところだが、維新については、馬場代表から第2自民党とか、そういったご発言もあるが、代表はあくまでも維新も含めた野党間での候補者調整を進めていくべきだと、そういうお考えに変わりはないということか。

【代表】
 それもこれも、維新が第2自民党という言葉をこれからも掲げ続けるのか。それとも、もう言うのをやめるのか。要は撤回するのかですね。これも問われるし、自民党と連立もあり得るという言葉も、どうやら維新の中でもめ事になっていますよね。片や連立もあり得ると言って、片やそれはないというように、党の幹部同士で言っていることが違うので、その路線もはっきりしてもらいたいですね。

○衆院解散の制限に関する検討について

【日本経済新聞】
 今週の火曜日に党のほうで衆議院解散の制限検討に関するワーキングチームが開かれ、有識者のヒアリングがあった。その後のブリーフィングで谷田川氏から、秋の臨時国会にも衆議院解散を制限するための法案を提出する方向で調整しているという話があった。改めて、この法案の提出をめぐる調整について、代表のお考えを伺いたい。

【代表】
 今そうした現場のワーキングチームでこうした議論を行っているということです。
 かねてから、例えばですが、極端に言えば、私も当選1期目のとき、2003年に当選して、2005年に解散があって、1年半くらいで郵政解散になったのですね。そのときにやはり思ったのは、国会議員として当選したら任期が4年だと思って、その4年を前提に計画を組んで国会で質問をし、あの政策この政策を実現しようと思っていたら1年半で首を切られる、ということがもし繰り返されると、これは仕事にならないですね、国会議員は。
 与党のサイドからは解散すればするほど政権の権力が高まるから解散というのは政権に有利だなんて話がありますが、それは三権分立、議院内閣制、本来の姿とはやはり異なってしまって、官邸だけが突出して強くなる。抑制の利かない政治、議会軽視につながっていくと思いますから、解散権というのは決してフリーハンドではないということです。
 それをどう制約していくかということを、今、立憲民主党の中でも検討しているということですので、できる限り法案化できるものについて法案化をしていきたいと考えています。

【日本経済新聞】
 法案化して、秋の臨時国会に提出したいと。

【代表】
 秋に臨時国会があるかどうか、まだ不明ですからね。我々としてはいつでも出せる状態をつくっておきたいということです。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(2)

【毎日新聞】
 先ほどの選挙協力と候補者調整の言葉の関係についてだが、選挙協力が意味するものは政党それぞれで考え方があるということだが、立憲民主党としては候補者調整は重要だが選挙協力はしないという考え方は変わっていないということでよろしいか。

【代表】
 とにかく選挙協力ということの考え方もさまざまなので、「いや、その立憲民主党の言っていることも選挙協力でしょ」と言ってくる政党もあり得るということですね。

【毎日新聞】
 その上で、立憲民主党の考えは変わりないと。

【代表】
 立憲民主党は、話をしたように、我が党としては一本化を含む候補者調整が重要だと考えているし、今後も野党議席の最大化のために野党の間で連携をして力を合わせていくという考え方です。それに尽きますね。

【毎日新聞】
 改めての確認だが、立憲民主党としてイメージされている選挙協力とはどういうことを意味するのか教えていただきたい。

【代表】
 立憲民主党としての選挙協力というのは、他党がまたどう考えるかによって、それはその政党と話をする場合に、その他党の考え方も踏まえなければいけないですよね。
 選挙協力って、さまざまなものがやはりありますよね。相互に推薦を出す、こういうのも選挙協力だと思います。

【毎日新聞】
 党の選挙協力のことについて、他党の考え方が影響するということか。

【代表】
 選挙協力というのは、あらゆることですよ。だって、選挙で協力することの、本当に一から十まで、さまざまなことがあると思います。
 ですから、立憲民主党として選挙協力というのは、何を外しますということではなく、選挙協力の中における候補者調整という言葉があるという中で、これは前も話をしましたが、候補者調整という言葉を別で使っているということは、その候補者調整に着目をして、今、取り組んでいるところですという話です。

【毎日新聞】
 あくまで候補者調整も選挙協力の一環であるというのは。

【代表】
 それは別にどちらの考え方でもあまり変わらないのではないですかね。

【NHK】
 次の衆議院選挙をめぐり、公明党と自民党の関係で、東京での選挙協力の解消を見直して両党党首間で文書を交わすことを目指すということになった。5月に協力解消というふうになってから、これまでの流れをどのように見ているか教えていただきたい。

【代表】
 公明党の支持者の中で、自民党が本当に支持されている、また、今の自民党がそういう政党なのかということが問われるのだと思います。
 先ほど話をしたように、「聞く力」ではなく「逃げる力」がどんどん増していて、国会での丁寧な議論もほったらかしにされている。そして、福祉を優先させるのかと思ったら防衛費ばかりが膨らんでいくというのが、公明党の肌に合う政治なのか。また、殺傷能力のある兵器を輸出するということが進められていく、国会での議論なしに進められていくという姿勢が、また公明党の肌合い、支持者の肌合いに、政策に合致するものなのかということは、随分とやはり公明党の支持層からは私は出ているのではないかと思います。
 もちろん、政治家、中央同士というか幹部同士が政治的な当然損得もある中でさまざまな協議をすることはあるのかもしれませんが、「信頼は地に落ちた」という言葉は相当支持者の方々の心に、むしろ腹に落ちているのではないですかね。

【NHK】
 こうした動きを受け、自民党選対委員長は相互推薦を目指せるようにやっていきたいという考えを出しているが、こうした動きが立憲民主党の戦いに何か影響を与えるかどうか教えていただきたい。

【代表】
 政策、考え方の全然違う自民党・公明党でも選挙のためなら協力をするというようなことであるならば、野党側がどのようにしてまとまっていくか。そこがやはり問われているということです。

○党外交の予定について

【NHK】
 話が変わるが、今後、代表の外遊等のご予定があれば教えていただきたい。

【代表】
 8月29日からベトナム訪問をいたします。これは立憲民主党と、ベトナムの政権与党であるベトナム共産党、ここの党間交流の覚書の締結をしてまいります。
 ちょうど今、日本の中でもベトナム人の技能実習生が非常に増えています。そういう中で、実は日本で技能実習制度にかなり問題があるということが明らかになって、ベトナムにおける日本の人気度が、行き先として人気が相当下がってきているというふうにも心配をしています。円安もありますし、また、日本の労働環境が厳しい、給料も高くないという状況になってきていますので、そういった意味で、改めてベトナムの現状もよく把握をして、日本の側でどのようにこの働く外国人労働者を確保していくのかということについても突っ込んだ話合いをしていきたいと思います。
 また、中国の周辺国の一つでもありますし、ベトナムもまた中国と領土紛争を抱えている国でありますので、やはり、この東シナ海、南シナ海の安定ということについても共に話をしてきたいと思っています。
 また、9月に入ってからですが、今、訪米を予定しています。ここにおいても立憲民主党の考え方をアメリカの政府・議会関係者と共有させてもらって、そして、立憲民主党自身は日米同盟を基軸とした日本の安全保障政策ということを前提にしていますので、そういった立場の政党として、これも周辺地域の安定と世界の安定、また、経済安全保障の観点なども議論していきたいと考えます。

【NHK】
 訪米は9月のいつごろか。

【代表】
 9月の10日から15くらいです。

【NHK】
 ベトナムの訪問が代表に就任してから初めての外遊ということになるかと思うが、ベトナムを選んだ理由や意気込み等があれば教えていただきたい。

【代表】
 意気込みって、そんな、今更外交一つで意気込むほどではないというか、これは当たり前のことなので、これまでも代表就任前からさまざまな国は訪問してきていますので、政党間の信頼関係を醸成するということだけではなく、もちろん自分自身が政権を担ったときにも、その信頼関係や外交関係がうまく働いていくように、各国との人間関係づくりに取組をしていきたいと思っています。

○連合の次期役員人事について

【テレビ東京】
 連合の芳野会長の続投に関して伺いたい。昨日、連合で次期役員の推薦委員会が開かれ、現職の芳野会長を含めた三役を推薦することが決まった。就任から自民党との距離感などさまざま議論を呼んできた芳野会長の続投に関して、受け止めをお願いしたい。

【代表】
 まだ正式決定のときではないと伺っていますので、現時点でそういった意味で何か確定的などうのこうのではないと思っています。
 単純に初の女性会長としてさまざまに苦労もされていると思いますし、その中で、従来の「ガラスの天井」と言われるものを破ろうと努力をしてきた。また、これだけの物価高の中で、連合として力を発揮して、数十年ぶりの賃上げということを獲得した。しかし、まだこれは当然道半ばの話でありますが、そういう成果を出してきた方だなと思っています。
 もちろん連合自身は当然組織として二大政党的政治を目指しているということですから、そのスタンスをより明確にしていただいて、一緒になって、また日本に政権運営できる野党をつくっていくということについて、共に力を合わせていけるのではないかと、今後の連合とですね、思っています。

○ALPS処理水の海洋放出について(2)

【フリーランス】
 閉会中審査で処理水のことをやると思うが、この処理水の放出はもう前々から大体決まっていたが、何でもうちょっと早く安住国対などは動かなかったのか。

【代表】
 いや、そんなことないと思いますよ。我々は国会の中でも、時々というか、その折々で質問をしたりだとか、政府に対して考え方というのは伝えてきています。

【フリーランス】
 これの問題を取材していると、そこに参加している人たちから立憲はどうしようもないねという言葉が聞こえてくるが、立憲民主党福島県連の金子さんとか玄葉さんはどのような行動をしているということが代表の耳に入っているか。

【代表】
 先ほどこれも話をしましたが、やはり地元ですので、地元の漁業者の方々との対話。そして、漁業者だけではなく、農作物を作っておられる他の一次産業の方々もそうですし、また、福島の被災地の復興に取り組んでいる方々や、地元に改めてふるさとに戻って生活を今後考えている方々。そういった方々と本当に日々対話を続けていると認識しています。

【フリーランス】
 いろいろと聞こえてくるのは、原発ゼロの会の阿部知子さんとか近藤昭一さんの、要するに汚染水を流すな運動だけだが、これについてはどう思うか。

【代表】
 だから、ぜひ、やはり党として何を訴えているか。そして、さまざまな皆さんのまさに取材ですね。それをぜひ強化をしていただけたらと思います。

○立川市長選について

【フリーランス】
 もう一つだが、日曜日から立川の市長選が行われる。立憲民主党からも出る。自民党からも出る。国民民主党は都民ファーストと組んで1人が出る。陸前高田では岩手県知事選で立憲共産党が成立したわけだが、小池晃さんは喜んでいたが、共産党は誰を支持するかということを言っていないが、共産党が立憲民主党推薦の酒井さんのところに来た場合は、どのように対処するか。

【代表】
 結構、堀田さん、個別の自治体の選挙のことについて聞かれることがあると思うのですが、それは党代表のところに全てそういうものが堀田さんの聞いたタイミングで情報として上がってきているものではありませんので、個別のことはやはり個別の県連なりに聞いてもらえたらと思います。

【フリーランス】
 泉さんはこれを応援に行くか。

【代表】
 いや、なので、そういうことも含めて、まず県連から党本部に上がってこないと基本的にはその応援に行くとか行かないという話ではないので、各都道府県連に。

○ガソリン価格の高騰対策について(1)

【西日本新聞】
 トリガー条項(凍結)解除のことについて教えていただきたい。政府や自民党はトリガー条項を解除するということに対して、日々変動するガソリン価格に対する柔軟な対応だとか市場への混乱が生じるということを理由に、慎重な姿勢だと思う。税収減や法改正の必要性というデメリットも指摘されているが、立憲民主党としてトリガー条項の(凍結)解除を求める理由というか、そのメリット・デメリットの部分、トリガー条項がなぜ補助金継続よりも優れているのか、ここら辺をどういうふうにお考えか教えていただきたい。

【代表】
 元売補助は、元売に出した補助額が全て価格に反映されるかどうかは不透明です。ですから、何円あらかじめ値下げにつながるのか、これはわからないということです。一方で、トリガーは、もう明確に25円下がりますと。これはもう全然国民の予見可能性・予測性は違う。国民にとってはものすごくわかりやすい話ですね。そういうところが大きな違いになります。

【西日本新聞】
 もう一つ、財源についても伺いたい。自民党幹部からは既に予備費の活用を求める声が上がっていたり、既存の予算の余りでの対応というのも検討されていると伺っている。こうなると国会での審議が不要な手続になる可能性が高いと思うが、冒頭に泉代表は国会で議論できる状況が必要とおっしゃっているが、政府・与党にどのように国会での議論を働きかけていくのか教えていただきたい。

【代表】
 もう国対を通じて、国会で議論すべきだということの働きかけは既に始まっています。ですから、これからもそれは働きかけ続けていきたいと思います。
 従来、コロナの前までは、予備費というのは5000億円でしたし、主にその予備費を使うのは災害対策・災害対応ということだったので、それは確かに国会の議論を要さずとも、とにかくもうすぐ出すべきということで、ある程度一定の合意がなされていたと思うのですが、コロナ以降の予備費というのは様相ががらっと変わってしまっていますよね。数兆円規模になっているということ。そして、その予算を災害対策ではないものに使っていくということになるならば、これはやはり本来予算として議論すべきことであって、それを政府の自由裁量にするというのは財政民主主義の観点から大きく外れてしまうと、そういう考え方です。

【時事通信】
 今の点に関連して確認したいが、泉代表としては、あくまで経済対策については予備費ではなく臨時国会を開いて補正予算として提出すべきという、そういうお考えか。

【代表】
 これはガソリンの補助の切れるタイミングなどもありますから、さまざまなことをちょっと想定しなければいけないなと思っています。ですから、閉会中審査の中ということも当然あり得るのかなと思っていますので、その辺は国対と話し合って、我々としては幅広に対応する準備はしなければいけないし、ともかく国会での議論、これは絶対に行わなければならないと考えています。

○岩手県知事選について

【時事通信】
 別件で伺いたいが、先週日曜日に岡田幹事長は岩手県知事選で共産党の小池書記局長と並んで街頭演説をされたが、これについての受け止めを一言伺いたいのと、今後、国政選挙などで代表ご自身も含めて幹部が共産党の方と並んで演説を行ったり、そういった可能性は排除されないのか、見解を伺いたい。

【代表】
 たぶん、私も細かくは知りませんが、それはたまたま一緒になるときがあったみたいな話なんですよね。ですから、達増さんの選挙というところにいろいろな政治家が応援に行っている、そこで誰と誰が会うというところまで私たちも全てチェックをしているものではないということです。特段何も感想はないです。

○ALPS処理水の海洋放出について(3)

【FACTA】
 科学的にはトリチウム残留水と言うべきであって、立憲民主党がつくった原子力規制委員会に基づく排出基準のリッター当たり1500ベクレル、今回それを30分の1、約50ベクレルを30年にわたって少しずつ排出すると。私は、これは世界の排出基準に照らすと実はかなり、どこの国も文句は言えない、科学的なレベルにおいてはパーフェクトに近いというか、大いに東電は努力していると。10年かけて。そこは立憲は、東電けしからんという議論から始まるのか、それとも、やはりこの風評被害対策というのは政府がもっと前面でやるべきなんだとお考えになっているのか。政府がけしからんというのと、結局、東電がけしからんという議論をしている限りはこれは絶対に出せない。事故原因者だから。だから、そこのところは立憲はどういうふうに。要するに科学的には大丈夫だと言うのだったら、東電についてはよくやっているというか、それなりに努力していると認めるのかどうか。共産党と立憲の違いはそこではないかと僕は思っているが、東電についてどうお考えになるか伺いたい。

【代表】
 まず、東電についてどう考えるかというときに、あの福島の事故の際のさまざまなオペレーション。要は、そもそも地震災害・津波災害というものを、そのリスクにどこまで備えていたのかということまで含めて考えれば、当時、電源喪失を招いてしまったことや、あるいは、本来もっと事前に災害対策に取り組むべきだったのではないかとか、いろいろなことがありますから、それは東電の対応がよかったとはやはり言えないです。
 もちろん、それぞれ働いている職員が、その後の事故後の処理水の対応に努力をしてきたし、原発からの放射性物質の漏出をいかに防ぐかということに腐心をしてきた。最大限の努力や腐心をしてきたというのは、それは間違いないと思います。ただ、本当にそれをもってしても大きな扱いにくいものを抱えてしまっているという現状がありますので、我々として、先ほども話をしましたが、この処理水の管理ですとか放出ということについて言えば、タンクにどんどんたまっていく、敷地はあとどれくらい広げられるのか等々も含めて、もっと予測可能であったはずだと思っていますから、この数カ月間頑張っているというふうに多くの国民は思っているのではないですかね。その意味では、政府・東電が2年も3年も前からいかにこうした今の環境に備えて努力をしてきたのかということで言うと、その努力もやはり十分であるとは言えなかったというふうに総括をしています。

○「マイナカード問題」「ALPS処理水の海洋放出(4)」等について

【フリーランス】
 マイナ保険証の件だが、私も共通番号ということで住基ネットの時代から研究している方々と近いので知り過ぎているつらさというのがあるが、マイナポータルで全ての情報が結局はひもづけされるわけだが、実は暗証番号のハッキングも非常にポピュラーにできることであり、プロバイダーも今まで政府からの協力要請があれば開示してきた。それから、20メートル離れたところから画面そのもののハッキングもできてしまう。そういうところで、先ほどお伺いしていた話も非常にお粗末なのだが、政府のほうで狭い範囲で例えばこちらの町とか村を使って実験的なテスト試行とか、そういったものを民間業者であればするのではないかと思うが、そういった努力が足りないのではないかと思うが、いかがお考えか。

【代表】
 そうですね、それは実はインボイスでもそうだと思います。どれくらいの事務量、業務量、また環境をつくることが必要なのかということを、実証実験というか、あらかじめモデルとしてやるべきだったと思います。

【フリーランス】
 先ほどから出ているALPS処理水の件だが、これは受け売りになってしまうが、以前よく取材させていただいていたれいわの山本太郎代表のほうで、やはり議員になった動機であったので頑張っていらっしゃるが、この中で、中国だけが反対しているのではなくフィリピンや太平洋諸島諸国からの反対の声も非常に強いと。それから、100以上の海洋研究機関が集う全米海洋研究所協会、NAMLも反対声明を発表していると。こういったことについて全く大きなメディアからは報道がないので、なかなか代表のようなお忙しい方の耳には入りにくいかとは思うが。また、山本代表の質疑の中では、政府の出されている基準値をどうクリアしたかという、その内容の考え方に非常に欺瞞があるという細かい説明などもあり、それが立憲の部会というか、立憲の中でそういった議論というのは取り入れられていたのかなと。こちらの質疑が5月とか6月だったが、こういう話題は出ていたか。

【代表】
 ごめんなさい、各個別の部会の議論というのは個別の部会のほうに聞いてもらいたいと思います。

【フリーランス】
 秋に解散といううわさを、以前、代表ご自身が地方で発信されていた記憶があるが、これもまた今回も野党が仕事にならないようにというか、野党へのかく乱だというふうには思われないか。一部、維新とか国民の方々などは、憲法改正を成し遂げてから次は解散をすべきなんて言っている方々もいらっしゃるが。

【代表】
 まあ、いろいろな考え方で政府は、野党に混乱を与え、与党に有利なように運ぶ。そういうことをやっていると思います。

○ガソリン価格の高騰対策について(2)

【テレビ朝日】
 ガソリン高騰について伺いたい。先ほど補正予算について質問があったときに、さまざまなことを検討していくという話があったと思うが、9月末に補助が切れることで、先ほどの答えを聞いていると、政府が検討している予備費の活用だと迅速に10月以降も対応できるということだと思うが、国会の議論があればそれを容認する可能性もあるというふうにも聞こえたが、そこについて伺いたい。

【代表】
 国民の利益というか、国民の経済、国民の生活を応援するのが目的ですから、補助なり、この高騰対策が切れてしまう状態をやはりなくしていかなければいけないというのはあると思います。その中で何ができるのかということは、さまざま考えていかなければいけないと思います。

○次期衆院総選挙に向けた取組について(3)

【NHK】
 確認だが、自民党・公明党の選挙協力に対して、野党側がどのようにまとまっていくかという戦い方について述べられていたが、これは東京でも一本化を含む候補者調整に取り組んでいくという意味か。

【代表】
 「東京でも」というのは。我々、私は全国の話はしますが、別にどの地域でというのはないです。

【NHK】
 東京での選挙協力の解消を、もう一度自民党と公明党が構築するという動きの中でのお答えだったので、具体的には全国と同様に一本化を含む候補者調整をすると。

【代表】
 立憲民主党としてはどの地域も変わりません。

【NHK】
 野党側がまとまっていくということは、一本化を含む候補者調整をしていくということか。東京で自民党と公明党が選挙協力を復活させる動きがあり、それに対してどのように立憲民主党が戦うかという文脈の中で、野党側がどのようにまとまっていくかだというようなお答えがあったと思うが、これは立憲民主党としての全国での戦い方に照らすと、東京でも一本化を含む候補者調整をするということでよろしかったか。

【代表】
 はい。

○豪雨災害の激甚災害指定について

【TBS】
 先ほど政府が閣議決定で、令和5年の災害、7月までのところを激甚災害にすると決定したみたいだが、こちらについてご所感をいただければと思う。

【代表】
 これは当然のことですね。福岡に視察に行ったときもそうでしたし、早期の激甚災害指定を求めて現地のほうはおりました。県からも要望を我々も受けていましたから、当たり前のことだと思います。