参院予算委員会総括質疑が10月31日に開会され、立憲民主党会派からは蓮舫、徳永エリ、杉尾秀哉、横沢高徳各参院議員の4人が質疑に立ちました。

■蓮舫議員 政策の財源と歳出改革について議論

少子化対策の財源
 蓮舫議員は、政府が歳出改革や社会保険負担軽減等により年約3.5兆円の財源を確保するとしていることについて質問。昨年、社会保障費の自然増を1500億円分抑えたことについて、加藤こども政策担当大臣は内訳を答えられず、「詳細は所管に確認いただきたい」と答弁。担当大臣として当事者意識が低いことを指摘し、「薬価の引き下げ」「75歳以上の医療費窓口負担増」「雇用調整助成金等の特例見直し」などによる捻出は「ようやく1500億円。相当な痛み」だと述べ、「歳出改革で3.5兆円生むのは本当にできるのか」と厳しく指摘しました。

官民ファンドと基金の見直し
 現在14ある官民ファンド(国の政策に基づく政府と民間が共同で出資する政府系ファンド)の現状について、鈴木財務大臣は、2023年3月末時点で、政府出資が約1.9兆円、民間出資が約0.9兆円、合計約2.8兆円を出資、官民ファンド全体で累積損益は約7598億円で、誘発された民間投融資額は約13.5兆円と説明。蓮舫議員は、「全体として黒字だから良いとの評価は危うい」と指摘。「黒字のうち8割はたった1つの官民ファンド((INCJ)の儲けであり、残り13のうち9は赤字、そのうち4つは3年間で700億円の赤字だ」と述べ、個別に見直すべきだと総理をただしました。

 岸田総理は「定期的に検証する取り組みを続けている」と述べましたが、蓮舫議員は(1)官民ファンドの一つであるクールジャパン機構が計画の下方修正を繰り返していたこと(2)同機構が吉本興業、NTTとともに出資したラフ&ピースマザーが、本来の目的であるアジアへの教育コンテンツの配信を一度も行わずに株式を売却したこと(3)同機構によるアジア広域でのライブホール展開事業(Zepp)は、日本のエンターテイメントを発信できる拠点としてアジア各都市に整備をすることを目的をしていたものの、日本人アーティストは1割から2割しか出演していないこと――などを挙げ、改めて見直しを迫りました。

 また基金について、将来の支出見込みより基金残高が高い場合、国庫返納の対象となりますが、新型コロナウイルス感染症基金は、事業費は昨年から半減するものの、基金管理法人と再委託先の事務経費が倍増しており、国庫返納「逃れ」ではないかと指摘しました。

 190ある基金事業のうち、国庫返納の対象事業数は27で、金額としては16.6兆円のうち1046億円であるとして、全事業を洗い直せば数兆円規模で返納させることができるのではないかと蓮舫議員は述べ、「これこそが歳出改革」だとして岸田総理に精査するよう求めました。

■杉尾秀哉議員 「9月の改造後岸田内閣2人目の辞任で任命権者の責任を追及」

 杉尾議員は、柿沢法務副大臣の辞任が受理されたこと、辞職願を正式に受理する前に国会の要請に応じず予算委員会に出席しなかったことについて「私の質問権が失われた。院の権威が失われた。辞表を受理する前に国会で説明させるべきではなかったか」と問題視しました。岸田総理の答弁は「任免権者としての責任を感じている」「内閣として責任を果たす。本人も政治家として責任を果たしていく」と一般論に終始しました。杉尾議員は「山田文科大臣政務官に続き二人目の辞任。どこが適材適所か」と岸田総理を批判しました。

 報道されている海上自衛隊のセクハラ事案について、杉尾議員は木原防衛大臣に「本事案を認知しているのか。加害者との面会の強要をどう認識しているのか」と質問しました。木原防衛大臣は、「海上自衛隊で起きたことは事実。本件は被害者が拒否したにもかかわらず加害者から直接謝罪をさせた。被害者の心情に寄り添わず行ったことは言語道断。法令に基づき処分していく」と答えました。杉尾議員は「自衛隊内部では、こういったことが実際に相当数ある。これでは女性自衛官の成り手がいなくなる。国防上きわめて深刻な問題」と指摘しました。岸田総理は「ハラスメントを一切許容しないと改めて強く感じている」と述べました。

■徳永エリ議員 「総理の『沖縄に寄り添う』は偽り」

 徳永議員は、イスラエル・パレスチナ情勢をめぐり、「人道支援」の観点から、現地で活動を続けるNPO法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)への支援を求めました。また、岸田総理が自民党総裁選の公約で掲げていた「国際人権問題担当」の首相補佐官ポストを無くしたことを問題視。自民党の杉田水脈衆院議員によるネット上の投稿が、法務省に「人権侵犯」と認定されたにもかかわらず、認定後も「私は差別をしていない」などとネット上に投稿していることについて、岸田総理総裁の認識をただしました。さらに、辺野古新基地建設に関する国による「代執行訴訟」について、「沖縄県の自己決定権を毀損(きそん)し、地方自治を根底から揺るがす大問題」と指摘し、「総理の言う『沖縄に寄り添う』は偽りだ」と非難しました。

■横沢高徳議員 「生活、生活、生活」の視点から質問

 横沢議員は冒頭、「生活、生活、生活」の視点から質問すると切り出し、「異次元の金融緩和による円安」が国民生活を苦しめていると指摘。財務省設置法が第3条で「通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図る」と規定していることを踏まえ、「(円安は)食料やエネルギー、原材料を輸入に頼るわが国にとって家計、夢や目標をもって海外にチャレンジしようとしている若者、スポーツ選手」などのために「円安を何とかしてほしい、そのために政府は役割を果たすべき」と岸田総理に迫りました。

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