長妻昭政務調査会長は11月2日、国会内で会見を開き(1)CID(性同一性障害)特例法改正案の法案登録(2)岸田総理の減税(3)日銀の金融政策の運用見直し(4)診療、介護報酬改定――等について発言しました。

 (1)長妻政調会長から政調三役会でCID特例法改正案の議員立法登録を了解したので本日のNCに報告すると説明がありました。同改正案は、現行法の戸籍上の性別変更には5つの要件があるが、そのうちの子なし要件、生殖不能要件、外観要件について順次削除するという内容。「長きにわたり党SOGIに関するPTで専門家を呼んで議論を重ね、その成果として政府に先がけて法案を出す」「最高裁で判断が出たが、政府与党内では賛否両論あり段取りすら整っていない」と指摘し、「議論をリードするためにも改正案を準備する」と述べました。

 (2)昨日、9月末時点の税収は前年比2兆円減と発表されたことに関連して、長妻政調会長は「岸田総理は増収の果実を国民に還元すると言っているが、さっそく税収が減る」「選挙対策と疑われかねない減税政策」「いわゆるハザマ問題への対応が未定なので、その財源は除くとなると中途半端」等、政府の政策の問題点を指摘しました。

 これに関連して、長妻政調会長は、2020年に実施された全国民への10万円給付について、補正予算成立後2.5カ月で9割強、1.5カ月で約半分に配り終えたことを指摘し、「全員に4万円を給付すれば、年内に支給が可能」「支援はスピード」と訴えました。

 岸田総理に対して、「いろいろなことを気にして、こっちをやってみよう。叩かれるとまた方向転換」を繰り返しており、「何をやりたいのか。どこに軸足を置いているのか分からない」「これだけはやりたいというのを示してほしい」と求めました。

 (3)日銀がこれまでの運用を改めて、長期金利の上限を「1%をめど」に見直したことに関して、長妻政調会長は「主体的にではなく、押し込められて緩めざるをえなくなった。日銀の長期金利コントロール困難宣言と内外に発信されたのではないか」と懸念を指摘し、「補正予算の審議でしっかりその点も踏まえて議論していきたい」と述べました。

 (4)年末の診療報酬、介護報酬の同時改訂に関連して、武見厚労大臣が医療関係から巨額の金を受け取っていることを指摘し、「偏りが日本の医療の最大の問題。武見大臣がたくさん金をもらっている団体に重点配分といった偏りがないように目を光らせていきたい」とけん制しました。