全国20の指定都市が抱える行財政の課題について、指定都市市議会議員と国会議員が懇談する「指定都市行財政問題懇談会」が11月14日午後、国会内で開催されました。立憲民主党に所属する16指定都市の市議会議員と、泉健太代表をはじめ党幹部や指定都市選出の衆参国会議員26人が参加しました。

 指定都市を代表して、桜井はるな相模原市議が泉健太代表に要望書を手交した後、あいさつし「指定都市では、原材料価格の上昇や円安の影響に伴う物価高騰等の社会経済情勢の変化への対応のほか、脱炭素社会の実現、少子・高齢化対策など、さまざまな行政課題へ対応する必要があるため、財政需要が著しく増加」しており、「多くの緊急かつ重要な施策を積極的に推進するためには、国・都道府県・市町村の役割分担や事務権限を明確にした上で、適切な財源が措置される必要がある」と述べました。その上で、「真に地方が自主的かつ安定的な財政運営が行えるよう、地方税財源の拡充強化を推進し、新たな時代にふさわしい大都市税財政制度を確立していくことが肝要」であり、「大都市財政の実態を十分にご賢察いただき、今後の大都市税財政制度の拡充について、格段のご配慮をお願いしたい」と力を込めました。

 出席した国会議員を代表して、泉健太代表から「統一地方自治体選挙を勝ち抜いた皆さまに仲間としてエールを送り、ともに地方自治の発展に取り組みたい。思いつきの所得減税で自治体の現場が振り回され混乱している。おかしいものはおかしいと言っていきたい。大都市のインフラ投資や更新の負担も課題だ。ふるさと納税で財源が流出する自治体もある。国会や国に伝えたいことがたくさんあると思う。政治に緊張感を持たせるため、立憲民主党を大きくしよう」とのあいさつがありました。

 相模原市の岩本晃財政局長から、指定都市の「大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望」の説明があった後、意見交換を行いました。指定都市議員からは、(1)労務単価等が増加している除排雪費への支援強化、(2)難病医療費支援への交付税措置の拡充、(3)学校教室や体育館へのエアコン設置の推進、(4)全国一律のこども医療費の負担軽減に向けた制度創設及び財源確保、(5)「地域子供の未来応援交付金」の恒久化・拡充、(6)医療費ケア児への支援の充実、(7)「定額働かせ放題」の給特法の改正、(8)給食費の無償化の推進、(9)不登校支援の専任教員への加配、(10)緊急防災・減災事業債の延長、(11)義務教育費国庫負担制度の堅持・拡充、(12)子どもの出自を知る権利の保障等を盛り込んだ内密出産制度の法整備、(13)ナノテラス整備後の利活用への配慮、(14)特別市の法制化の実現、(15)アジア競技大会及びアジアパラ競技大会への国の財政支援、(16)基地交付金の充実、(17)地方交付税率の引き上げと臨時財政対策債の廃止、(18)バス、地下鉄、モノレールなど地域公共交通維持のための支援強化、(19)自治体をかたった特殊詐欺の重罰化、(20)水素社会の早期実現に向けた支援――など多岐にわたるテーマが出されました。

 最後に泉代表から「皆さまの要望をしっかり受け止め、前向きに取り組んでいきたい」との発言がありました。

 衆院からは、泉健太代表のほか、青柳陽一郎、井坂信彦、稲富修二、枝野幸男、大西健介、岡本あき子、城井崇、源馬謙太郎、後藤祐一、近藤昭一、田嶋要、西村智奈美、道下大樹、吉田統彦、笠浩史の各議員が、参院からは、打越さく良、岸真紀子、熊谷裕人、古賀之士、小西洋之、高木真理、野田国義、福山哲郎、水野素子、森本真治の各議員が出席しました。

20231114大都市財政の実態に即応する財源の拡充についての要望(令和6年度).pdf

20231114立憲民主党指定都市各市の要望事項.pdf