参院本会議で11月20日、政府提出の2023年度補正予算案に関する鈴木俊一財務大臣の財政演説が行われ、熊谷裕人議員が代表質問を行いました。

 熊谷議員は冒頭、すでに辞任した岸田内閣の政務三役のみならず、三宅伸吾防衛政務官のセクハラ疑惑、自民党の派閥のパーティー収入の不記載疑惑、東京オリンピック・パラリンピック誘致の際の官房機密費の流用疑惑など「不祥事の連鎖」が続いているとして、「政治全体に対する国民の信頼が大きく損なわれている」と述べました。

 また、岸田総理が来年6月に実施するとしている「定額減税」について、問題点を指摘。全国知事会が、所得減税による地方交付税の減収分を国において補填することを要望するなど、「地方の不安は高まっている」と強調。総理が「減税」にこだわったために、制度が「複雑化」する見通しであり、地方自治体の人件費や事務費など「実務上のコストが多大となる」と指摘し、地方の負担を国が補填するよう明確な答弁を求めました。これに対し岸田総理は、「(地方自治体への影響について)留意しつつ、年末に向けて関係省庁において十分協議し、適切に対応してまいります」と述べるにとどめました。

 さらに熊谷議員は、総理の言う「還元」は、「減税を実施するための理屈に過ぎず、実際のところは単に借金をしてばらまきをするだけ」と強調。国民は「いずれ増税だと不安に感じている」と述べ、「一時的な減税がなされても、多くは消費ではなく貯蓄に回る」と指摘しました。
 
 その上で熊谷議員は、本補正予算案は基金の積み増しや来年度予算案で概算要求された事業が多く、財政法29条が規定する「緊要性」に欠けると指摘。物価高で多くの国民が苦しむ一方、特別職の国家公務員の給与を引き上げる岸田内閣は、国民からの「信任は決して得られない」と断じました。