立憲民主党は11月30日、「悪質ホストクラブ被害対策推進法案」を衆議院へ提出しました。

 「悪質ホストクラブ問題」とは、一部のホストクラブ等で、客に売春させた売上げ等から債権を回収することを前提に、客の支払い能力を超えた飲食サービスの料金債務を負担させ、料金債務について「売掛」(ツケ)を行うものです。通常、売掛は、相手の支払い能力を信用して行われますが、悪質ホストクラブによる売掛は、性搾取の手段として行われます。また、「売掛金」発生・回収の過程では、消費者契約法に基づき取り消せる契約や、売春防止法違反・職業安定法違反等の違法行為が介在することがあります。しかし、これまで、問題の所在が社会に知られておらず、適切な対策がなされない状況が続いてきました。

 本法案は、悪質ホストクラブ等の被害が拡大している実態にかんがみ、現行法で可能な対策を徹底推進させるための基本理念・国等の責務・基本的施策等を定めて、被害拡大に歯止めをかけるものです。基本的施策には、新たな社会問題である悪質ホストクラブ問題の実態を調査することや、相談体制の整備、被害者の社会復帰の支援、教育・啓発の推進、連携協力体制の整備を国等が行うことを定めています。

 

 法案提出後の会見には、被害者、被害者家族の方らが同席され、「自分は被害だと気付くことができたが、被害だと気付けず死を選んでしまう人がいる。この法律ができれば、被害に気付き相談支援につなげられる。若者の未来のために必要だ」と本法案成立への期待を語りました。

 法案提出者は吉田はるみ(筆頭提出者)、長妻昭、山井和則、柚木道義、青柳陽一郎、稲富修二、吉田統彦、坂本祐之輔、鎌田さゆり、早稲田ゆき、中谷一馬、堤かなめ、鈴木庸介、山岸一生、おおつき紅葉各衆院議員です。また、塩村あやか、杉尾秀哉、水野素子各参院議員も出席しました。

20231130要綱 悪質ホストクラブ被害対策推進法案.pdf

20231130条文 悪質ホストクラブ被害対策推進法案.pdf