衆院憲法審査会が11月30日に開かれ、憲法改正国民投票法の改正を巡る諸問題が審議され、立憲民主党から階猛、奥野総一郎、中谷一馬の3議員が発言しました。

 階議員は、本年5月に実施された憲法改正に関する世論調査において、7項目からの複数回答で「1位が憲法改正のための国民投票の在り方で46%、2位がデジタル時代における人権保障の在り方で44%、3位が敵基地攻撃能力の保有で43%、緊急事態時の国会議員の任期延長は18%で下から2番目」だったと紹介しました。上位2つの国民投票の在り方、デジタル時代の人権保障に関して、立憲民主党はワーキングチームを設置し検討してきたと報告しました。

 特にデジタル時代における人権保障の在り方については、「生成AIの急激な発達、普及や戦闘地域でのフェイク情報の拡散により、先ほどの世論調査の時点よりも更に国民の関心は高まっているのではないか」と指摘しました。さらに「本人に無断でその人物像が形成、利用され、個人の人格的自律が脅かされる」など憲法問題が現に生じたり、将来生じたりする可能性があると懸念を示しました。

 奥野議員は、2021年5月に成立した国民投票法改正の修正案提出者の立場から、同法附則4条の趣旨を説明しました。そのポイントは「国民投票運動等のための広告放送やインターネット有料広告の制限、運動資金規制、インターネットの適正利用の確保を図るための方策その他の国民投票の公平及び公正を確保するための事項について検討を加え、必要な法制上の措置その他の措置を講ずるもの」であると説き、「国民投票法改正の検討を急ぐべき」と力を込めました。

 中谷議員は、急速に普及している生成AIやデジタル技術の進展が国民投票運動などに悪用されることのないよう、インターネット規制をどのように行うべきか、議論を重ねてきたと述べました。有料ネット広告における広告主の表示、有料ネット広告に関する情報の保存と閲覧、SNSの偽情報、誤情報の広報協議会への通報と応答、広報協議会によるインターネット広報へのアクセスの容易化など4項目について検討していると説明しました。