【談話】旧統一教会の財産散逸防止に関する特例法の衆議院通過にあたって

立憲民主党 旧統一教会被害対策本部長 西村智奈美
立憲民主党 政務調査会長 長妻 昭

 2023年12月5日衆議院において、自由民主党・公明党・国民民主党提出の「特定不法行為等に係る被害者の迅速かつ円滑な救済に資するための日本司法支援センターの業務の特例並びに宗教法人による財産の処分及び管理の特例に関する法律案(被害者救済法)」が通過した。立憲民主党は一部修正のうえ賛成した。立憲民主党・日本維新の会提出「解散命令の請求等に係る宗教法人の財産の保全に関する特別措置法案(旧統一教会財産保全法)」は賛成少数で否決された。

 立憲民主党では、昨年7月の安倍元総理の銃撃事件以降、旧統一教会被害対策本部及び国対ヒアリングにて、約70回、延べ100名の方々からいわゆるマインドコントロールによる被害の訴えや支援の必要性をお聞きしてきた。旧統一教会による被害の拡大及び深刻化は、多くの議員の密接な関係と、30年以上にもわたる行政府・立法府の不作為によるものである。だからこそ政治として責任を持ち、被害救済を実現しなくてはならない。

 昨年、悪質高額寄付等への対策として不当寄附勧誘防止法の成立の後、解散命令請求が現実味を増す中、被害者の皆さんが必要だと訴えてきたのは「財産保全」についてであった。旧統一教会は、数百億円にも及ぶ海外への送金を毎年のように行ってきたという報道があり、また政府の解散命令請求では、これまで数十年にわたり、約1550人の被害者と約204億円もの賠償金、解決金が生じたと報告されている。こうしたことから、救済前に財産が失われてしまう恐れは、現実的な強い懸念でもある。

 財産が散逸し被害救済できないことはなんとしても避けねばならない。立維案の否決は残念ではあるが、自公国案の成立後、施行状況等の結果、3年を待たずに財産保全の在り方を含め検討するとの答弁を得られたことから、真に求められている財産保全に関する法的措置を講ずることを前提に、賛成した。

 自公国案に賛成したことで終わりにするのではなく、被害者の方々に寄り添い、継続的な情報収集、必要な法整備の実現に向け、引き続き取り組んでいく。

以上