長妻昭政務調査会長は12月7日、国会内で記者会見を開き、(1)名古屋高裁が生活保護支給額の引き下げ取り消し賠償命令(2)旧統一教会問題(3)介護職員の離職超過(4)大阪万博に関する予備的調査要請書提出(5)政治資金パーティー問題(6)菅直人党最高顧問の引退――等について発言しました。
■名古屋高裁が生活保護費の引き下げ取り消し賠償命令
国が生活保護支給額を2013年から大幅に引き下げたことをめぐり、受給者が提訴し、名古屋高裁が引き下げを取り消し、賠償を命じたことについて言及しました。長妻政調会長は、当時、厚生労働省による生活保護支給額の独自指標を用いた引き下げの計算方式に問題があるとして、国会で強く追及したこともあり、「非常に明確な判決が出た」と評価しました。そのうえで「生存権に関わる大事なこと」「私どもとしてはこの計算方法の不備を認め、謝罪したうえで制度を元に戻していくことを強く求めていく」と力を込めました。
■旧統一教会問題
岸田総理が旧統一教会友好団体のトップと名刺交換したと思われる写真が7日、朝日新聞1面に掲載されたことについて、長妻政調会長は今回の財産保全法の法案提出者として「教会にいろいろな証拠を握られて、それをカードとして出されることに、自民党の中で怯えがあったのではと、今から考えると思ってしまう」と疑問視しました。教団被害救済の法案が成立したことについては、被害者救済が第一であり、法案成立で終わりではないとし、「財産がどんどん移されることが察知されれば付帯条項にあるように、根本的な包括的財産保全もスピーディーに実行していくよう要請していきたい」と強調しました。
■介護職員の離職超過
昨年、介護職から離職する人が働き始める人を上回る「離職超過」が初めて起きていたことが厚生労働省の調査で明らかになったことについて、長妻政調会長は介護難民・介護崩壊が目前に迫っているとし、強い危機感を示しました。一方で、民主党政権時代に行った、介護報酬と切り分けた形で介護職員の給料を上げるやり方があるとし、政府に対し、早急にやっていただきたいと述べました。
■大阪万博に関する予備的調査要請書提出
立憲民主党が、大阪万博のインフラを含めた全体の費用を提出するよう求めた「2025年日本国際博覧会に関する予備的調査要請書」を、6日に国会へ提出したことを報告しました。内容については、「少しでも関わるものは注釈をつけてもらっても結構なので、全部入れるということで来年の通常国会が始まるまでに提出してほしいとしたもの」と説明しました。
■政治資金パーティ―問題
自民党派閥の政治資金パーティーをめぐり、パーティーの自粛が報道されていることについて、「当たり前の話。それが大きいニュースになるのは非常に違和感がある」と問題視しました。そのうえで、「まずは全ての膿を出し切り、全容を徹底的に明らかにすることが先決だ」と指摘しました。一方で、立憲民主党は企業団体によるパーティー券の購入禁止が含まれた「企業団体献金を全面禁止する法律案」を、昨年6月に国会へ提出し、現在までに継続審議となっているとし、「徹底して企業団体献金・パーティー券の購入に関する改革をする必要がある」と述べました。
■菅直人党最高顧問の引退
菅直人党最高顧問が引退を表明し、東京18区の総支部長が松下玲子氏(前武蔵野市長)に決定したことを受けて、「非常に感慨深い」と述べました。当時、長妻政調会長が前職の記者として菅最高顧問を取材した際、政治家は二世しかなれないものだと思っていた長妻会長に対し、「地盤・看板・鞄がない方が良い政治家になる」と言われたことに驚き、それを機に政治へ興味持つようになり、自身が政治家を目指すきっかけとなったと語りました。