立憲民主党は12月12日、党税制調査会で取りまとめた「2024(令和6)年度税制改正についての提言」を鈴木俊一財務大臣に申し入れました。申し入れには、党税制調査会の小川淳也会長、末松義規副会長、奥野総一郎副会長、落合貴之副会長、稲富修二事務局長、道下大樹事務局長代理が参加し、提言を手交した後、鈴木財務大臣と意見交換を行いました。

 現在、日本の経済・社会は、新型コロナウイルス感染症の影響から立ち直りつつあるものの、急速に進む円安と物価高騰の影響を受け、家計・事業者は依然として厳しい状況に置かれています。また、高所得者と低所得者の経済格差、将来不安の増大、働き方やライフスタイルの多様化への対応、エネルギー自給率の低さがもたらす脆弱性、気候危機の進行など、積年の課題も山積しています。

 本提言は、こうした現下の情勢と積年の課題に向き合い、活力ある経済・社会を実現するため、適時適切な税制上の措置を講じる必要があるとの基本認識の下に取りまとめたもので、以下10本柱、約50項目で構成されています。

1.物価高騰で厳しい状況にある家計・事業者等への支援
2.物価を上回る賃金上昇の実現に向けた支援
3.税制の所得再分配機能・財源調達機能の強化
4.暮らしの安心を支え、幅広い消費を喚起するための税制
5.働き方やライフスタイルに中立な税制
6.カーボンニュートラルの実現に向けた税制
7.多発化・深刻化する災害等に対応する税制
8.真の地方分権改革実現に向けた地方税財源の安定的な確保等
9. 多国籍企業による租税回避の防止
10.納税環境の整備

 参加議員からは、提言のうち特に(1)インボイス制度の廃止、(2)「給付付き税額控除」(消費税還付制度)の導入、(3) 就労調整が起こることのないような税制の実現、(4)所得税・消費税の確定申告期限の延長――などについて要望しました。

 申し入れ後、記者団の取材に応じた小川税調会長は「鈴木財務大臣からは、考え方は合致するところもあるので、個別具体の手法については異なるところがあるかもしれないが、是非参考にしたいというお言葉をいただいた」と意見交換の内容を報告しました。