立憲民主党は12月14日、「自民党派閥裏金調査チーム」(座長・山井和則衆院議員)の第1回ヒアリングを国会内で開き、政治アナリストの伊藤惇夫さんや関係省庁から話を聞きました。

 安住淳国会対策委員長は冒頭のあいさつで、「この問題(自民党派閥の裏金問題)は古くて新しい、派閥が存在し続ける自民党でずっと続いてきた話。誰がいくらという話は捜査にお任せし、私たちは自民党の体質、本質を追及していくと同時に、政治とカネの問題をどうクリアにしていくかについて、次の通常国会に向けて準備をする」とチーム発足の趣旨を説明。「国民の怒りは頂点に達している。昨日、岸田総理はいろいろ話をされたが政治改革や派閥の解体については一切言及がなかった。熱意をいくら話しても具体的なことがなく、そういう段階ではないと言いたい」と述べました。

 伊藤さんは、政治の裏金問題について「1988年のリクルート事件以来の組織的なスキャンダル」との認識を示し、当時自民党スタッフとして政治改革の議論に関わった立場から、なぜ今こうした状況に陥っているのか、その背景などについて話をしました。当時は改革を求める声が自民党の中から上がり、政治改革が進んだと振り返り、一方で、政治資金規正の強化の必要性は共有していたが「自由な政治活動を阻害する」との反論があるなか、結果的に政治資金規正法が抜け穴だらけだったと反省を込めて指摘。政治金規正法を強化したことで企業・団体献金以外の手法を考える必要に迫られたと、パーティーで収入を得ることにより熱を入れるようになった経緯にも触れました。

 また、今回自民党の若手から一切声が上がっていないことを問題視し、その要因の1つ小選挙区制度の下で党の執行部が公認権を握っていることを挙げました。

 その上で、「制度的な問題だけでなく、さまざまな視点から政治とカネの問題点をすべて洗い出すこと。そこからがスタートで、法的、制度的な問題が浮き彫りになってくる。今の自民党に期待できないのであればそれを代わってやるのは野党の皆さん。本当の意味での政治改革を進めるのであれば、今の段階では政治とカネの問題。この部分で国民の皆さんから見て改革が進んだ思えるものを実現することが第一歩だ」と求めました。

 総務省からは、収支報告書の不記載や収支報告書の訂正等について政治資金規正法を基に説明を聴取。総務省は、収支報告書の訂正については、公表されているものは可能だとして、報告書であれば3年以内、要旨については期限を定めていなため訂正は可能だと答えました。「修正により違法性がなくなることはあるか」との問いには、「個別の事件には答えられない」と回答。「派閥の政治団体で、代表者が国会議員ではなく事務方が会計責任者と共に兼ねている場合、収支報告書の不記載について、派閥の会長である国会議員が罪に問われることはあるのか」との問いには、「政治資金規正法上には明文の規定がない。刑法総論として共同正犯と認められるかどうかである」との見解を示しました。

自民党派閥裏金調査チーム.pdf