泉健太代表は12月21日、国会内で記者会見を開き、(1)今後の地方遊説(2)自民党派閥政治資金パーティー裏金問題(3)野党連携によるミッション明確化内閣設立――などについて発言しました。
今後の地方遊説については、「明日は青森県で漁協関係者と意見交換、街頭演説。23日は滋賀県で対話集会などを行う」と話し、年末にかけても国民の声をしっかり受け止め、活動していく考えを述べました。
自民党派閥政治資金パーティー裏金問題については、「さらに広がりを見せている状況だ」と指摘した上で、「小泉龍司法務大臣、自見英子万博大臣が派閥を離脱することになったが、長く裏金を作り続けてきた派閥に所属し続けてきたことは間違いない事実だ。そういう人物が大臣を務めていることはいかがなものか」と、強い懸念を表明しました。さらに、われわれ野党は、「閉会中審査の実施、政治倫理審査会の開催、小泉法務大臣の辞任を求めている」と強調しました。
野党連携によるミッション明確化内閣設立については、「自民党には改革は無理。政権を任せることはできないことは明白だ」と強く述べた上で、新しい政権の共通項目になるであろう「政治資金規正法の改正、文書通信費についての改革、トリガー条項の発動、教育の無償化」などを挙げ、「まずはやるべきことを必ずやる、ミッションを明確にした内閣、政権を作るべき」との考えを示しました。
泉健太代表記者会見
2023年12月21日(木)10時30分~11時05分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/lygRG-yfDLU
■冒頭発言
■質疑
- 収入不記載問題・裏金疑惑について(1)
- 「政策明確型政権」の呼びかけについて(1)
- 収入不記載問題・裏金疑惑について(2)
- 世論調査の結果について
- 辺野古代執行訴訟 高裁判決について(1)
- 「政策明確型政権」の呼びかけについて(2)
- 「辺野古代執行訴訟(2)」「朝鮮学校の無償化除外」について
- 教育無償化について
- 収入不記載問題・裏金疑惑について(3)
- 「政策明確型政権」の呼びかけについて(3)
■冒頭発言
○年内最後の会見に当たって
【代表】
おはようございます。
ことし最後ですかね。記者会見はことし最後ということになります。ことし1年、皆さんにも大変お世話になりました。
ただ、私自身は、きょう、だいぶ北海道・東北・北陸は雪が予想されるようですが、今夜から青森に行って、あしたは青森で漁業関係の方々と意見交換をして、そしてまた、街頭演説も行います。また、23日には滋賀ですね、こちらのほうにも行って対話集会を行うということを考えております。
また、さまざま、そのほかにも年末も活動しようかなと考えているところであります。
○収入不記載問題・裏金疑惑について
【代表】
まず、今のこの自民党の裏金問題は更に広がりを見せているという状況だと思います。
この岸田内閣で小泉大臣と自見大臣が派閥を離脱するということになりましたが、長く裏金をつくり続けてきた派閥に所属し続けてきたことは間違いない事実であって、何かこう過去の歴史を抹消するような、消すような振る舞い方ということで、これに国民がだまされるわけはないと思っております。
改めて、特にやはり法務大臣ですね。この法務大臣、検察を所掌する法務大臣に、長く二階派に所属して、裏金が指摘される派閥の中で飯を食ってきた、そういう人物が法務大臣を務めているというのはいかがなものかと思います。派閥で飯を食い、派閥でパーティーに参加をしていたのではないでしょうか。そういう人物が、離脱をすればそれでよいということにはならないということだと考えております。
引き続き検察の捜査については我々も注視しておりますし、自民党の議員、自ら語るべしということは変わりません。まだまだ自民党議員、頬かむりをしています。松野前官房長官、どこに行ったんだと。萩生田政調会長、どこに行ったんだと。全然自分で語っていないではないかと。1000万円以上と言われているわけですから、これについて、いつまでも「精査」「精査」と言っているのはおかしいと思います。しっかり語らせねばならない。
地元の有権者も、ぜひ、各そうした裏金が指摘されている議員に対して、真実を語れという声を高めていただきたいと思いますし、各地方紙なども、ぜひ当該政治家には取材依頼をしていただきたいと思います。千葉だって松野前官房長官がおります。そういうところで、やはり千葉の地方紙などが独自の取材をしていただくべきではないかと思っております。
改めて、きのう我々、国対委員長、野国(野党国対委員長会談)で集まって、閉会中審査、これは当然だと思います。そして、法務大臣の辞任。また、政治倫理審査会の開催。この三つを求めていますから、与党は審議拒否をするなということですね。閉会中審査、これは今、国民の皆様も賛同していただけると思います。年末年始であっても閉会中審査を行う。政治と金の問題においてですね。これは与党がもし拒否をするということであれば、与党による審議拒否です。こうしたことを許してはならないと思います。
○政権交代に向けて
【代表】
そして今、私は不信任案でも、岸田内閣にはもう正当性がない、岸田内閣はもう禅譲すべきだという話もいたしました。憲政の常道に従って禅譲すべきだという話もしましたが、改めて、野党各党、こういうときこそ力を合わせ、そして、国民の期待に応えるべきだと考えています。
立憲民主党も今、野党第1党でありますが、一方では単独では議席は少な過ぎるわけでありまして、自民党には政権を任せられない、自民党には改革は無理だということは明白ですから、改めて、私たち立憲民主党とすれば、野党各党も、今の自民党政権を倒すだけではなく、自分たちが必ずこの政策をやる、そういうミッションを明確にした政権をつくろうではないかと。私はそのことをこれからも訴えていきたいと考えています。
少なくとも、政治資金規正法の改正。これについては特に今、維新や国民、この両党に対しても私もこれは問いかけていきたいと思いますし、この法改正について何かしらの協議体をつくっていくということについてもぜひ訴えていきたいと思います。そして、この政治資金規正法の改正というのは新しい政権の共通項目になろうと。実現する政策の共通項目になるのではないかと考えています。
それに加えて言えば、(旧)文書通信費、これを全面的に公開していく改革。本来であれば通常国会でやれたはずが、自民党の反対によって、あれだけ与野党で協議をしたにもかかわらず、約束をしたにもかかわらず、ほごにされているわけですから、この文書通信費の全面公開についても、新しいミッションを明確にした政権で実現する。そういう共通項目になろうと思います。
もっと言えば、企業・団体献金の廃止も、この際、その共通項目になると考えています。
そして、国民民主党が苦労していますが、トリガー(条項の凍結解除)。本当に自民党・公明党に何度も振り回されて、先送りされて今に至って、そして、協議をしていたはずの萩生田政調会長がいなくなるということで言っても、その間に与党税制改正大綱の中でいつの間にかトリガーの記述が消される。もうさんざんっぱらひどい扱いを受けている状況の中で、おそらく国民民主党も、こんな与党に本当にトリガーをやる気があるのかという思いを強くしていると思いますから、その意味では、玉木さん、新政権でやりましょう、新しい政権で必ず実現しよう。私はそういうことを訴えていきたいと思いますし、賛同いただけるのではないかと。ですから、少なくとも、今の3党、自民・公明・国民民主の協議がどうなるかはそれはわかりませんが、我々立憲民主党が野党の皆さんと政権をつくるときには、これは必ずやる。そういう政策の一つに挙げてよいと考えております。
そして、先ほど教育無償化の政党の記者会見もあったと聞いていますが、まさにこの教育無償化、これは新しい政権の共通項目になると、やはり私はそう考えています。立憲民主党がこれまで教育の無償化を何度も言ってきましたが、自民党においては遅々として進まずということです。まだまだ貸与型奨学金で借金を抱えて社会へ出る学生たちがたくさんいますから、こんな状況を一刻も早く変えねばならないと思っています。給食費の無償化も、まだまだ取り組めている自治体はごく少数、国全体で取り組むに至っていない。こんな自民党政権ではやっていられないということですから、新しい、ミッションを明確にした政権、この中で私はこの教育の無償化を必ず実現する。これは国民の皆様の賛同を得られると思います。
もちろん、外交やエネルギー政策や経済政策、それぞれいっぱいあります。やらなければならないことはたくさんありますが、全てをやると言っていたら、これはものすごく時間もかかるし、政策のすり合わせも大変になってくるわけです。そういうことを全てを国民が求めているのではなくて、今の政権の中の政策で、経済政策などでも継続するものは継続ということにして、まずはやるべきことを必ずやる。こういう政権をつくるべきではないかと考えております。
どの野党各党にとっても悪い話ではないと、私はそう思っていますし、もっと大きな改革をするのだから自分はそういったものにくみせず独立独歩で行きますと言っていたら、いつまでも自民党政権、自民党に選挙で勝てないという状況が続くだけですから、ある意味、自民党政権の延命を許してしまうということにもなっていくと思います。私はそれは国民が望むことではないと思っていますので、自民党政権の延命を許さない、裏金政権の延命を許さない、派閥政治の延命を許さない、そういうことで、政治改革をする政権、政治改革政権をつくるんだということで各党の皆さんにも我々呼びかけをしていきたいと考えております。
■質疑
○収入不記載問題・裏金疑惑について(1)
【NHK】
派閥の政治資金パーティーをめぐり、岸田総理大臣はあす党人事を行うことにしている。国対委員長には浜田前防衛大臣、政調会長には渡海元文科大臣を据え、安倍派に代わっていずれも無派閥のベテランで体制立て直しを図りたい考えだが、こちらについて受け止めをお願いしたい。
【代表】
私は現時点で、自民党に政治改革を訴える資格はない、自民党に政治資金規正法の改正を訴える資格はないと思っています。
その中で、新政調会長がどのような案を持ち出してこようとしているのか。ここを注視しています。その意味で、また抜け道が残るような案を出してくるならば、仮に無派閥の人事であったにしても、結局派閥の影響を色濃く受けた政策しか出してこない、そんなことになってしまうのではないかと、まず考えています。
そして、今度は国対ですが、今、野党各党として既に要望項目を明確にしています。閉会中審査、法務大臣の辞任、そして政治倫理審査会の開催です。この特に一つ目と三つ目、閉会中審査と政治倫理審査会の開催。新しい自民党の国対委員長が、本気で政治改革に取り組む、そういう国対委員長なのか。それとも、結局与党の都合で国会を運営する国対委員長なのか。ここも分かれ目になるのではないかと考えています。
【NHK】
続いて、小泉法務大臣についてだが、岸田総理大臣は続投を判断しているわけだが、きのうの野国でも更迭を求めるということで一致した。代表としてのお考えはいかがか。
【代表】
当然更迭を求めます。ですから、総理が更迭をしないという判断であれば、私は既に言っていますが、強制捜査内閣の名前を背負わざるを得ないでしょうね、岸田内閣は。
結局のところ、強制捜査を受けた派閥にずっとお世話になったまま内閣に入り、そして、内閣に入った後に、つい最近派閥を辞めただけですから。長年二階派の恩恵を受けてきた人間ではないですか。
○「政策明確型政権」の呼びかけについて(1)
【NHK】
別件で、もう一点。ミッション型内閣についてだが、こうした代表の考えに維新や国民はどういう反応を示されているか。
【代表】
それはぜひ各党に聞いてみてください。
【NHK】
お話を各党とされたりとか、そういう段階には。
【代表】
正式にというのはまだないです。
【共同通信】
ミッション内閣の話について関連だが、共通項目として代表が例示されているものは維新や国民の掲げているものかと思うが、もちろんほかの野党についてもこれを呼びかけていくという理解でよろしいか。
【代表】
維新や国民が掲げているのではなく、立憲民主党が掲げていて、かつ、他の政党も掲げているということです。他の政党も賛同できるところは多いと思いますけれどもね。
【共同通信】
あわせて、そのほか、外交・安保や経済政策については、この短期間で合意する必要はないのではないかというご認識かと思うが。
【代表】
合意する必要はないというよりも、ある程度の継続性を持つのは当たり前だという、そういう考え方です。ですから、何か急激に、変えるべきものは変えますが、変える必要のないものというか、まずは先にやるべき政策をとにかく国民の期待に応えて必ず実施する、必ず実現するという、優先順位ですね。ですから、その間も外交も続くし当然経済も続くわけですが、例えば政権を取ったから急に金融政策ががらっと変わるとか急に外交政策の方向性ががらっと変わるとか、そういうことはするつもりはないということです。市場との対話も当然大事だし、そして、外交も継続性が大事ですから。
それ以上に、今は国民の皆様からすれば、汚い政治は変えなければいけない。自民党ではできない。そして、教育の無償化も言ってきたけれどもやってこなかった。ですから、こういう項目を今掲げていますが、もちろんそのほかにも出てくる可能性はあると思いますが、それは一致すれば出てくると思います。
○収入不記載問題・裏金疑惑について(2)
【TBS】
先ほどの自民党の人事について関連して伺いたい。こうした人事を行うことにしているが、無派閥の方を新しく2名据えるという方針だが、こちらについての評価を、改めて代表の考えをお願いしたい。
【代表】
先ほどもお話ししたのですが、結局のところ、無派閥であってもなくても、派閥の影響を受けた振る舞いをするのかどうかですよ。政調会長でいえば、派閥におもんぱかって、また抜け道の法案を出してくるような政調会長なのか。国対委員長であれば、派閥におもんぱかって、結局、野党が今求める、国民が求める閉会中審査ですとか政倫審の開催に前向きなのか後ろ向きなのか。ここが問われます。
○世論調査の結果について
【読売新聞】
週末の各社の世論調査で、内閣支持率だったり自民党の政党支持率が低下している一方で、一部調査を除いて立憲民主党の支持率もそこまで伸びていないという状況がある。この現状について代表自身はどのように受け止め、党勢拡大のためにどのように取り組まれるお考えか。
【代表】
党勢拡大というのは常に党として取り組んでいることですが、何か敵失で、そこに乗じてというものではないと思っています。
もう一つは、どうあったって、支持率が上がったから今持っている議席の数が増えるわけではないので、やはり今持っている議席の数ですとか、ある程度この党の勢力というもので、普段訴えている人の数、我々支持拡大に取り組んでいる人の数というのはありますから、そう簡単に支持が集まるというものではそもそもないと思っています。
ただ、先ほど「一部調査を除いて」という言い方をしましたが、逆に言えば一部調査を除いて上がっている調査結果もあるので、その意味では、国民の皆様にやはり今こそ期待に応えるということが大事であって、自民党を攻撃するということ以上に、国民の皆様の期待に応えるために、改めて私たちが掲げている政策を強くお伝えしていく。そして、立憲民主党が政権を担うことができる勢力であるということをやはり改めて伝えていきたいです。
【読売新聞】
自民党が政権に復帰して以降、いろいろ、先日の統一教会をめぐる問題だったり、ちょっと古いが「桜を見る会」とか森友・加計とか、いろいろなスキャンダル、疑惑があるが、その度に自民党は議席を確保してという状況が続いているかと思う。今回の政治と金はかなり大きな問題かと思うが、こうした過去の教訓を生かして、代表自身はどのように取り組まれていきたいとお考えか。
【代表】
「教訓」というのは、何のことですか。
【読売新聞】
結果的に、こういう疑惑が過ぎ去ってしまったら、選挙で与党議席が過半数になってしまったり、なかなか国民の関心をつなぎ止めることができていなかったというようなこともあるかと思うが、今回の政治と金の問題について、改めてどのように取り組まれていきたいかという意気込みを伺いたい。
【代表】
自民党の戦い方には特徴が幾つかあると思うのですね。例えば、選挙の直前に頭を替える。そうすると、過去の負の遺産、政策的な遺産も含めて、あるいはスキャンダルも含めて、一掃感が出るわけですよね。そして、まっさらになった形で選挙を戦って勝利を収めるというパターンになっていますから、「国民の皆さん、だまされないでください」ということをやはり我々は言い続けなければいけないなと思います。
政策についても、やはり本来であれば政権政党というのはその数年間やってきたことで国民の審判を受けなければいけないのですが、自民党というのは、やってきたことを隠して、例えばGDP600兆円とか異次元の何々とかというふうに目先のキャッチフレーズで目をくらませて、猫だまし的勝利を得ようという戦略を持って毎度の選挙を戦ってきているので、それに加えて、有権者の関心はあまり高めないようにしようという意図すらあるのではないかと思いますが、そういうことである種のなりふり構わない選挙巧者ではあると思います。
そこに対して、ぜひ国民の皆様には、そういったものにはだまされないで、ぜひ政権がこれまでやってきたことをしっかり検証して見て投票行動に入っていただきたい。そのことを改めて伝えていきたいです。
○辺野古代執行訴訟 高裁判決について(1)
【NHK】
辺野古の問題で、地盤の改良工事をめぐる裁判で、沖縄県に対して裁判所は国の工事を承認するよう命じた。これで国は沖縄県が期限を過ぎても承認しない場合は代執行に踏み切る方針で、防衛省としては改良工事の着手に向けた準備を着実に進めることにしているが、こうした判断、国の動きをどのように見ていらっしゃるか教えていただきたい。
【代表】
沖縄の声が通じなかったという意味では、残念な判決でありました。
改めて、とはいえ裁判長は、国としても県民の心情に寄り添った政策実現が求められていると。そして、国と県とが相互理解に向けて対話を重ねることを通じて抜本的解決の図られることが強く望まれると付言をしたわけですね。本当にそのとおりだと思います。国が強硬に工事を推し進めるという姿勢で、県民の意思表示に対して背を向け続けている姿勢、これはやはり改めるべきだと思います。
裁判長、沖縄戦の犠牲ですとか、あるいは、沖縄に米軍基地が建設された歴史も踏まえて、県民の心情も十分理解できると。国としても県民の心情に寄り添った政策実現が求められていると、そういうように発言していますので、国としてぜひそれを受け止めてもらいたいと思っています。
○「政策明確型政権」の呼びかけについて(2)
【NHK】
別件で、前原さんの新党の関係で会見が行われているが、野党が力を合わせて政権交代を担える大きな固まりをつくっていかなくてはいけないと前原さんは言及された。代表としてもミッション型内閣として野党連携を強めたい中で、前原さんの発言や、前原さんの党との連携について、どのように考えていらっしゃるか教えていただきたい。
【代表】
まず、ミッション型というふうに、私も今この会見場に来るまでにどう皆さんにお伝えしようかなと思いましたが、伝わりにくいかもしれないなと思いながらですね、政策明確型内閣でもいいと思うのですが、政策明確型内閣という意味で、(教育無償化を実現する会が)党名に掲げている項目は、立憲民主党もさきの参議院選挙のときに3本柱の一つに入れていたものだし、(立憲民主党は)そもそもチルドレンファーストを言ってきた本家本元の政党ですから、その意味では、教育の無償化は、これは本当に、別にどの政党に配慮して掲げるとかではなく、本気で教育の無償化をやらないと国が衰退しますよ。本当にそう思っています。
国民の皆様にとっても、これをいち早く届けることで、日本の変化を感じていただきたい、政府の変化を感じていただきたいと思っていますから、その意味で、我々の呼びかけにもし応じていただけるのであれば、それは一歩前進かなと思うし、よく維新さんとの関係についてその新党が言われることがあるとしたら、ぜひそういった意味で、やはり大きな自民党に代わる政策明確型内閣をつくろうということは、その新党からも呼びかけていただいたりしてもいいのではないかなと思います。
【NHK】
いずれにしても、立憲民主党が訴えている政策が元々あってのことだと思うが、野党が結集するということも重要だということで、そうした政権構想を訴えるということか。
【代表】
もちろん立憲民主党単独で国民の皆様の信託をいただいて政権を取れれば、我々としてはそれはもちろんありがたいことですが、現時点でまだ候補者170名ですから、全員当選したとしても、残念ですが、大きく議席を伸ばすことにはなっても、政権交代にまでまだたどり着かないのですね。
でも、やはり国民の皆様は、もう自民党に任せられないよという声が大多数ですから、派閥政治はもう変えてほしいという声も大多数ですから、そういう意味では、異次元の少子化対策や教育政策も力が入っていないことも含めて、我々としてはやはり国民の期待に応えるために団結して政策を明確にした内閣をつくろうということです。
○「辺野古代執行訴訟(2)」「朝鮮学校の無償化除外」について
【フリーランス】
今質問の出た辺野古の軟弱地盤の国の代執行を認めた判決について伺いたい。きのう、その判決に対して反対し玉城デニー知事の姿勢を支持する抗議行動が首相官邸前であった。250人ぐらい集まったが、小西洋之参議員も参加され、この判決に至るまでの経過の中で、沖縄防衛局が第三者の技術検討委員会を設置したが、そのうちの学者の2人が建設の受注会社から寄附金を受けていた等の問題を国会でも取り上げたというような報告もされていた。この間の防衛費の倍増も、敵基地攻撃の保有も、辺野古基地建設も、推進してきたのはそれこそ安倍首相であり、それを引き継いだ安倍派であり、そして今の岸田政権だということで、やはり自民党の利権政治のようなものを野党で潰さないといけない、崩さないといけないんだという話を非常に強調されていた。玉城デニー知事の発言も判決後にあったわけだが、そういうものを踏まえて、安保関連3文書もちょうど1年たつということもあり、何か声明を出すとか、この辺の取組について、どういうふうに具体的に取り組んでいくお考えがあるか伺いたい。
【代表】
党には沖縄協議会というのもありまして、沖縄県連と党本部の国会議員で構成する協議会があります。そういったところで対応をこれからさまざま考えていきたいと思います。
【フリーランス】
もう一点だが、今、教育無償化の問題が出たが、民主党政権時代に、高校無償化の中で朝鮮学校も含むという形で当時進めていたが、2010年に朝鮮学校については凍結するということで、いまだにそれが進んでいる。そのときは高校無償化という問題だったが、文科省前でもずっと抗議行動が続いていて、先日もちょうど500回目の行動があった。この間、やはり人権問題に対する意識も相当日本社会の中でいろいろ取り上げられる機会が増えてきたと思うが、朝鮮学校の問題を人権問題としてもう一回きちっと取り上げるということは教育無償化の問題の中で考えていらっしゃるか。
【代表】
個別の議員で取り上げているケースがあるというところまでは聞いていますが、私はまだそれ以上のことは聞いておりません。
【フリーランス】
今後そういう声が上がれば、教育無償化の中で再度検討するお考えはあるか。
【代表】
それは各部会ごとにさまざま、今までもなかったわけではたぶんないと思うので、何かしらの意見交換はやられているのではないかと認識しています。
○教育無償化について
【朝日新聞】
前原さんの件で少し伺いたい。改めて、端的に、この前原新党、教育無償化を実現する会が、今後、国民民主党・日本維新の会と連携する上でどのような役割を果たしていくのか。その辺りの期待を伺いたい。
【代表】
いや、今、何かその新党に役割を期待しているということは特段ないです。
一方で、政策として教育無償化を実現するということを一番頭に掲げているということにおいては、そこは共通するものがあろうと。そう考えているということですし、もちろん、この野党の中で自民党に代わる政権をつくるべきだと、しかも、それを早期にということが新党が掲げる方向性であるならば、それはさまざまな政党にそういった主張をしていただければよいのではないかと思います。
【朝日新聞】
この臨時国会冒頭の代表質問の発言を洗っていたが、そこで「賃上げ、賃上げ、賃上げ」というふうに(泉代表は)おっしゃっていた。それに対して、教育という言葉はその代表質問の中に出てこなかった。立憲民主党、もちろんかつての奨学金の件で教育のことを訴えていらっしゃったとは思うが、割とこれまで優先順位的には賃上げというのを結構言っていたと思うが、ここに来て急に教育無償化のほうにシフトしてきたというのは、これはなぜ優先順位が変わったのか。見ていると、やはりこの前原さんの動きに合わせたような、そういう印象も受けかねないと思うが、その辺りはいかがか。
【代表】
たぶん非常に玄人的・政治的な頭になられているのではないですかね、それは。おそらく一般の方々はそんなふうには見ていないと思いますよ。
何でもそうですよね。Xの投稿でも、一つ投稿すると、あの問題を書いていないではないかとか、これはやらないんですかと言う人がいるのですが、一定の時間内に発言をする中で、全部の問題を扱うことはやはりできないし、最初に扱ったからそれが優先順位の一番でそこから順番になっているわけでもないです。
常に、先ほど言ったように立憲民主党は教育の無償化を訴え続けています。優先順位が下がったなんてことは一切ないです。これまでも各委員会でもそういう質問もしてきています。政策も出しています。そこを間違って捉えていただかないようにしてもらえたらと思います。
○収入不記載問題・裏金疑惑について(3)
【朝日新聞】
最後に、政治と金の制度改革について、先ほど協議体というふうに冒頭でおっしゃったと思う。国対間では連携をしていくと確認はしたが、これは今後どういうようなスケジュール感、めどで、どういう呼びかけをしていくのか。その辺りの具体的なお話は。
【代表】
いや、まだそこを具体的に考えているという状況ではないです。
○「政策明確型政権」の呼びかけについて(3)
【時事通信】
先ほど言及いただいたミッションを明確にした政権をつくろうという件だが、共通項目にも言及いただいたが、これは維新や国民以外にも、共産やれいわなども含めた全野党に基本的に協力を呼びかける考えという理解でよろしいか。
【代表】
私たち、例えば各政党に挨拶回りをしました。そして、そのときにも立憲民主党の考え方を伝えて、それぞれ各政党にはそれをお伝えしてきたということですから、各政党にお伝えするということはこれからも当然あります。
そこで一つ一つ協定を結ぶとか合意文をつくるとか、そういう話を今現時点で何か取組として考えているものがあるかということでいえば、今、何かそこまで考えているものではないです。
いろいろな政党に我々の考え方を伝えるというのは常日頃からやっていきたいと考えています。
【時事通信】
そうした政権を目指しているという、その方針自体を、改めて協力していけるかどうかというふうに呼びかけるということになるか。
【代表】
協力というのも、いろいろな協力の仕方もあろうと思うし、我々からお伝えしたら「そうですね、頑張りましょう」というエールを送ってくださる政党もあるかもしれません。ですから、何か一つの形というのを、今、我々として頭に描いているものではないです。
【時事通信】
では、基本的に全野党にそういった考えは。
【代表】
そうですね。それこそ与党のほうからだって、もう自民党、いい加減にしたいと。もうこんな政党では、派閥、裏金、いつまでたってもなくならないと。かつて平成元年に政治改革大綱というのを自民党がつくっていたけれども全然守れていないわけですから、そういうことで、もう自民党にはいられないという人物がいて、クリーンな政治をつくりたいという人がいれば、そういう人だって対象にはなりますよね。