立憲民主党は12月21日、「自民党派閥裏金調査チーム」(座長・山井和則衆院議員)による第5回目のヒアリングを国会内で実施し、「政治とカネ」をめぐる問題を告発し続ける上脇博之・神戸学院大学教授や関係省庁から話を聞きました。

 長妻昭政務調査会長は冒頭のあいさつで、松野博一前官房長官らが東京地検特捜部により任意で事情聴取を要請されたと報じられたことについて、岸田総理が「火の玉になる」と述べていることも踏まえ、「(総理は)知っている情報を国民に説明する義務がある」と強調。「第三者」が関わっていたリクルート事件や東京佐川急便事件とは違い、「自民党の中で完結している問題」だと指摘しました。

 また、強制捜査を受けた二階派出身の小泉龍司法務大臣について、「三長官報告」(法務大臣、検事総長、高検検事長に対し報告する制度)に準じて、法務大臣に「二会派の捜査情報が流れていたかどうか」を閉会中審査でただす必要があると述べました。その上で、「事情聴取される可能性がある人物が法務大臣」であることは、「捜査上も国民の疑念も非常に大きくなる」として、即刻辞任すべきと強調しました。

 さらに、リクルート事件後に自民党が策定した「政治改革大綱」で、総裁や閣僚は「在任中派閥を離脱する」としていたにも関わらず、岸田総理総裁が「派閥のトップ」にいたことは、「政治改革の理念を逸脱している」と厳しく指摘しました。

上脇博之・神戸学院大学教授

 講義の合間をぬってオンラインで参加した上脇教授は、福岡県や広島県などの選挙管理委員会はインターネット上に政治資金収支報告書を公表しておらず、企業によるパーティー券の購入は確認できないことを踏まえると、判明している不記載額は「氷山の一角」である可能性が大きいとの認識を示しました。

 また、「裏金」について、「キックバックによる裏金」と「キックバックによらない裏金」があり、後者については「中抜き、持ち逃げ」だと指摘しました。

 その上で、「いまだに自民党も5派閥も記者会見していない」として、法的責任だけではなく、政治的責任の観点からも「主権者である国民」への説明責任を果たすべきだと強調しました。