立憲民主党は12月26日、「自民党派閥裏金調査チーム」(座長・山井和則衆院議員)による第7回目のヒアリングを国会内で実施し、郷原信郎弁護士・元東京地検特捜部検事や関係省庁から政治資金規正法や法務大臣の指揮権権発動について話を聞きました。

 山井座長は冒頭のあいさつで、1954年4月21日に政権与党の都合で当時の犬養法務大臣が佐藤栄作自由党幹事長の逮捕を延期するよう史上唯一の指揮権を発動した話を紹介。指揮権発動後に当時の佐藤検事総長が「今後、検察陣が捜査を続けるのに相当困難を来すと考えられる」と談話を残し、捜査が中断したことに触れました。山井座長は、岸田内閣で指揮権発動の権限を持っている小泉法務大臣が、強制捜査を受けた二階派の出身であることから、「厳正・公正な捜査に対して国民が疑念を持つのは当然だ」と述べ、野党がまとまって小泉法務大臣が大臣職を辞任するべきだと要望していることを話しました。

郷原信郎弁護士・元東京地検特捜部検事

 郷原弁護士は、政治資金規正法には大穴があり、大穴を防ぐことで裏金を防ぐことができると述べました。具体的な方法として、国会議員政治資金収支総括報告書の作成提出を義務付けし、特定の団体・政党支部への紐づけが明確にされない「ヤミ献金」を受領した場合も、総括報告書への記載を義務付けることや、会計帳簿・明細書のデジタルデータの法的保存義務化、政治家個人への政治活動に関する寄付の禁止を規定しているが「政党から個人」への寄付を適用除外している政治資金規正法第21条の2第2項を削除すること等を提案しました。

 また、小泉法務大臣については、「裏金問題で何らかの形で捜査の対象になる可能性があるとされている小泉法務大臣が厳正な判断をされたといくら説明してもおそらく国民は納得しない。指揮権発動が必要な場合であっても、今の小泉法務大臣には適切な対応は外形的に期待できない」と指摘しました。そのうえで、過去リクルート事件やゼネコン汚職事件の際には民間から法務大臣が任命されたことを例にあげ、「検察と政治とが大バトルをやってるという状況であるし、いろいろな外的な要因も深刻化しているような状況であるから、やはり民間法務大臣というのが、特に重要な状況になっているのではないか」と意見を述べました。