岡田幹事長は1月9日、国会内で定例の記者会見を開き、(1)能登半島地震(2)自民党裏金疑惑で池田議員逮捕(3)島根1区の補選――等について発言しました。

 冒頭、岡田幹事長は、「正月早々、重大な事件が連続している。しっかり対応していきたい」と述べました。

■能登半島地震について「亡くなられた方々に哀悼の意を表し、被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げる」と述べました。
 党としては、「現場にいる党所属の近藤和也衆院議員と頻繁に連絡をとりながら対応している。募金活動を始めたので、1月中に党本部で集約したい。党災害対策本部を開き、順次状況をヒアリングし、政府の後押しをしていきたい。代表はタイミングをみて現地入りを予定している。我々は、東日本大震災の知見がある。現地に入って、よく実態を把握し、皆さんの声に耳を傾けたい」と述べました。

■池田佳隆衆院議員が逮捕されたことについて、岡田幹事長は「逮捕当日、自民党は除名を決めた。今までと扱いが違う。今後も逮捕されたら即除名なのか」と問いました。
 さらに、自民党が政治刷新本部を設置したことについて、岡田幹事長は「自民党の政治刷新としか理解できない。政治とカネの問題をしっかり議論できるのか。総理の話を聞いていると認識が甘い」と指摘しました。そして、立憲民主党として、政治改革本部を拡充して、「政治改革実行本部」(本部長:岡田幹事長)をたちあげたことに触れ、「抜本的に政治資金規正法をしっかり改正すべき」と訴えました。

■島根1区の補選について、岡田幹事長は「亡くなった細田前衆院議長は安倍派の元会長、旧統一教会との関係などが指摘されてきた」と述べ、「立憲民主党は亀井亜紀子さんに補選に出ていただくことが、本日中に決まる」ことを明らかにしました。


岡田克也幹事長記者会見

2024年1月9日(火)15時00分~15時26分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/72uBuxQiLR8


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○新年に当たって

【幹事長】
 まず、明けましておめでとうございます。正月早々重大な事件が連続して起きていますが、しっかり対応していきたいと思います。ことしもよろしくお願い申し上げます。

○能登半島地震の被害と対応について

【幹事長】
 まず、能登半島地震について。180名を超える方々が亡くなり、現在でも120名を超える方々が安否不明となっております。亡くなられた方々に対して哀悼の意を表すとともに、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。
 党としても1月3日に対策本部を開催し、政府のほうから現状を、意見を聴取するとともに、現場に近藤和也衆議院議員がおりますので、頻繁に連絡を取りながら現状把握に努めているところです。この3連休は現地に入らないという総理からの申出もありましたので、それを尊重させていただきましたが、タイミングを見て代表に現地に入っていただいて近藤議員と共に歩いてもらいたいと思います。災害対策本部、あすも開く予定でありますが、順次情報収集をしながら、党として何ができるかということをしっかりと把握しながら政府の後押しをしていきたいと考えているところです。
 募金活動も始まりました。1月中に党本部で集約したいと考えております。
 我々には東日本大震災の経験・知見もあります。あれから時間もだいぶたって、政府の中で情報が共有できていない部分もあると思いますので、意見交換をしながら、しっかり政府の十分でないところは指摘をしながら後押しをしていきたいと考えているところであります。
 私も、東日本大震災のときも同じように、あのときは与党でしたが、幹事長で、一定期間は(現地に)入らないということにいたしました。いろいろとその対応に現地が追われてしまうということで、野党の皆さんにも一定期間なるべく入らないでということをお願いしたことを思い出すわけであります。ただ、ある程度の時期が終わった後は毎週被災地に入りまして、避難しておられる皆さんのところを中心に現地を把握させていただきました。あのときは与党の幹事長で、その上はもう総理大臣ですから私は毎週のように行きましたが、代表がしっかり回られると思います。私もなるべく現地には入って、よく実態を把握し、そして皆さんの声に耳を傾けたいと考えているところであります。

○政治と金 池田衆院議員の逮捕について

【幹事長】
 池田衆議院議員が逮捕されました。
 自民党は逮捕当日に除名を決めて、ちょっと私は意外な感じがいたしました。今までとは扱いが違うと。これから逮捕者が出れば同じようにどんどん除名をしていくのか、それとも池田議員特有の事情があって除名したのか、よく承知をしておりませんが、除名したからといって党の責任あるいは派閥の責任がなくなるわけではありません。
 それから、自民党はそもそも(池田議員が)比例の議席にとどまっていることを許すのかという問題もあります。明確にすべきだと考えております。池田議員自身も、逮捕という事態を踏まえて、自ら身の処し方をしっかりと決める、決定すべきだと思っております。
 自民党の政治刷新本部、ここで言う政治刷新というのは自民党の政治刷新だというふうにしか理解できないわけですが、では、政治と金の問題とか派閥の問題をしっかり議論できるのか、非常に注視をしているところであります。
 ただ、総理の話を聞いてきて違和感を感じたのは、政治資金規正法の改正についても与野党で議論する話だと言いながら、具体的に言われたのは(パーティー券購入者の公開基準)引下げについての検討くらいで、非常に認識が甘いなと思います。抜本的に政治資金規正法の内容を再検討する、派閥のパーティーそのものを認めるのか認めないのかということも含めてしっかり議論しなければならないと思います。
 それから、年末に私が申し上げた政策活動費とか旧文書交通通信費などについても、政治と金をめぐる不透明な扱いが言われているわけです。そういうことも含めてしっかり議論し、答えを出していくことが重要だと思います。政治刷新本部でそういった問題もしっかり議題として取り上げるということを明言してもらいたいと考えております。
 なお、(昨)年末に政治改革(推進)本部を拡充して組織をつくるということを申し上げましたが、今の政治改革(推進)本部を改めて政治改革実行本部を立ち上げ、私が本部長に就任するということについて、きょうの執行役員会でご了解をいただいたところです。具体的な議論すべきテーマとか構成につきましては、来週には第1回の役員会を開いて、できれば本部を開きたいと考えているところであります。これはまた決まりましたらご連絡したいと思います。

○衆院島根1区補選に向けた取組について

【幹事長】
 島根1区の補選について。亀井亜紀子さんについて、我々は当然彼女に補選に出ていただくということを考えておりますが、現在持ち回りの常任幹事会を行っております。きょう中に決まると考えております。
 亡くなった細田議長、安倍派の会長でもありました。それから、旧統一教会との関係もありました。そういうことが論点になる、重要な補選だと考えております。党としても全力でバックアップしていきたいと考えているところであります。
 具体的には、彼女自身が地元で記者会見を近々開かれると思いますので、そこで決意が示されることだと思っております。


■質疑

○能登半島地震について(1)

【朝日新聞】
 まず、震災の関係で一問お願いしたい。今のところ政府の震災対応に対してどのような評価をされているかということと、きょう予備費の支出なり来年度予算の予備費を積み増すことなどを政府も決めているようだが、こうした予算に関しても評価があればお願いしたい。

【幹事長】
 政府の対応が迅速であったとは言い難いと思います。例えば自衛隊について、1000人、(翌日に)もう1000人というような形で、1日で変わりました。いろいろな理由があったのだとは思いますが、東日本大震災のときには、我々はすぐに5万人、3日後には10万人ということで決定をさせていただきました。もちろん震災の規模が違いますので同様には論じられないと思いますが、1日で変わるような、そういう人数というのは非常に適切な対応だったとは言い難いと思います。
 それから、今、予備費の話が出ております。特に来年度の予備費を増額するというような話が出ておりますが、これは非常に理解し難いことです。補正で対応するというのが本来であって、何でもかんでも予備費で積み上げて、つかみ金で好きなように使えるというようなことは、これは憲法上も非常に問題があると思います。
 もちろん補正予算がどういうタイミングで組めるかという問題は当然あって、東日本大震災のときにもやはりある程度時間はかかってしまいました。したがって、例えば5月、6月、補正成立というようなときに、では、4月とか5月の初めをどうつなぐのかと。そこは既存の予備費で足りるのだろうと思います。もし足らなければ、それはまた議論すればいいことだと思いますが、基本的には補正予算を組んでしっかり対応していくというのが本来だと思っております。

○政治と金 政治改革の議論について(1)

【朝日新聞】
 もう一点。政治改革に関して、先ほど言及あった自民党の政治刷新本部に関してだが、幹事長がおっしゃったように、今のところまだ生ぬるい内容しか出てこないのではないかと見ていらっしゃるということだと思う。派閥のあり方に関しても、何となく今までの総理の発言を聞いていると派閥を残すことが前提なのかなというふうに聞こえるが、今のところ、他党のことではあるが、自民党の派閥のあり方についてはどのような改革が必要だと、世論はどういうことを求めているのかと、その辺を伺いたい。

【幹事長】
 もちろんこれは自民党の中の話ではありますが、政治改革大綱が1989年にできたときには、将来、派閥はなくすと。その第一歩としてこういうことをしますということだったのですね。役職者が派閥から外れるということになりました。今回は、その派閥をなくすということについて党の中で議論すらせずに、残ることが前提で総理がお話しになっているというのは、私は極めて遺憾だと思います。
 当然、党の中にもいろいろな議論があるはずです。無所属議員もたくさんいます。まず、政治刷新本部ですか、それを開いて、派閥をどうするかというのは大きな論点だと思いますので、廃止も含めて、まずフラットに議論すべきだと。それをあらかじめ総理が封じてしまっているのは、私は極めておかしな話だと思っています。

【朝日新聞】
 立憲民主党内にも政策のグループというか、そういうものがあるが、それと自民党の派閥というものは別のものとして考えていらっしゃるのか。

【幹事長】
 パーティーを開いて、独自にお金を持ち、そして人事も、派閥が意見を言って、そういう中で決まってくると。岸田総理がまさしくそういう人事をやられたわけですが、そういうものとは根本的に違うものだと考えております。

○衆院島根1区補選に向けた取組について

【山陰中央新報】
 島根1区の補選について伺いたい。元々島根1区というのは自民党が非常に強い地盤であり、その中でこれまで一度も勝利したことのない亀井氏をまた擁立するということで、勝算はあるというふうにお考えか。また、野党統一候補としたいかどうかということについても改めて考えをお願いしたい。

【幹事長】
 亀井亜紀子さんは参議院議員として選挙区で勝って当選されています。かつての話でありますが。衆議院に転じてからはやはり細田さんの壁が厚かったということですが、今回それが変わるということであります。
 私は、島根県民の皆さんが今までの自民党政治をどう考えるのかと。それから、細田前議長の時代に、先ほど申し上げたような議長としてのさまざまな、議長としてというか衆議院議員としてのさまざまな振る舞いについて、どう判断されるのかということもあります。
 亀井さんは、私も島根、松江で街頭演説を一緒に、青空座談会を一緒にさせていただきましたが、そのやり取りを聞いていても、非常にしっかりとした受け答えをされていたし、地元に根を張って活動しておられると思っています。十分にチャンスがあると思っています。

【山陰中央新報】
 野党統一候補としたいかどうかについてもお願いしたい。

【幹事長】
 それは島根県連及び候補者本人のご意向というものを十分に聞いた上で考えていきたいと思います。
 我々としては公認でということは考えておりますが、それ以外、他党との関係をどうするかということについてはこれからです。

○政治と金 政治改革の議論について(2)

【共同通信】
 政治改革本部を改組するということだが、議論の要点、ポイントについて、昨年の会見で4点おっしゃったかと思う。この間、政策活動費の全面公開を与党からも求める声など、いろいろな声が上がっているが、改めてどのような議論をしていきたいかと、政治資金規正法改正案についてはどのように考えていらっしゃるか伺いたい。

【幹事長】
 政策活動費は山口さんも言及されて、与党の中から出てきた声です。非常に力強く思っております。
 誰が考えてもおかしなお金の使い方。我が党もありましたのでそこは言えませんが、しかし、金額が全く違う規模ですね。何十億ものお金が幹事長に党から行って、その先は全く不透明だというのは、それはあり得ない話だと思っております。
 公明党の力もいただきながら、しっかりこれは変えるチャンスだと思っております。旧文通費と、この政策活動費、この二つは何が何でもしっかりと結果を出したいと考えております。世論の後押しがあれば可能な話だと思っています。
 政治資金規正法については、この前申し上げましたように、罰則の強化、それから透明性の確保ということがあります。
 我が党としてはもちろん、企業・団体献金、それからパーティー(券の企業・団体による購入)については禁止という法案を既に出しております。それを前提にした上で、罰則を強化する。特に政治家本人がなかなか罪に問われないというようなことは前から言われておりました。しかし、政治家本人であれば収支報告書に責任を持つのは当たり前のことで、責任が取れないというような現状を変える必要があると思います。それから、時間が5年前のことまで遡れないとかいうのも、私は非常に異様なことだと思っております。
 透明性の点については、(公開)基準を、20万を下げるという話。それから、インターネットで、地方で発表しているものと、私なんかは総務省で発表しているのですが、それを一覧して全部見られるというような仕組み。これも実は法案を私たち既に出しているのですが。そして、もっと行けば、お金の流れがちゃんとわかると。アメリカみたいに。どこからどういうお金が流れていて、例えば政治家個人を取ったって、今回の安倍さんのやつを見ても、資金管理団体と政党支部以外に政治団体が幾つかあるということだったわけですね。私自身は政治団体は持たない、資金管理団体に一本化するということでずっとやってきておりますが、もし政治団体をいろいろ持つ必要があるというならば、それも統合して見られる、流れがわかるようにするというようなことも含めて、しっかり検討していきたいと思っています。

【時事通信】
 自民党の政治刷新本部についてだが、最高顧問に菅前首相や麻生副総裁が起用される案や、事務総長に総理側近の木原誠二氏が充てられるようなことが報じられているが、この人選についてどう見られているか伺いたい。

【幹事長】
 人事の全容はよくわからないのですが、党五役が全部入るとかいう話も聞こえてきます。正式に決まったところでコメントするのが適切だというふうには思いますが、全党的にやるというのは一つの覚悟かもしれませんが、それで本当にきちんとした結論が出るのかということについては、やや疑問を感じざるを得ないと思っております。

【時事通信】
 もう一つ伺いたい。先ほど、逮捕された池田議員について、自ら身の処し方を決めるべきだという話があったが、議員辞職の必要についてどう考えるか。その辺を確認させていただきたい。

【幹事長】
 まず、これは自民党さんの問題なのですね。自民党の比例の議席です。だから、離党したら当然辞任すべきだと、自民党が明確に言うべきだと思います。単に除名したからもう関係ないということではないと思います。
 あとは、ご本人が基本的には判断すべき問題。私はふさわしくないと思いますが、議員としてですね、最終的にはそれはご本人がきちっと判断すべき問題だと思っています。

【読売新聞】
 政治と金の問題について、今後、立憲民主党でもこれから改組してやっていくということで、野党も、各党それぞれ話し合って議論をして、それぞれの改革案を今後法案という形で出してくると思う。これからだとは思うが、現状で野党の連携というか、共同で法案を出すなり、中身が出てこないと何とも言えないとは思うが、現状のお考えがあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 我が党は既に2本法案を出していますので、それがある意味では前提になるわけですが、これから野党間で話をして、共通の認識に達すれば、やはりこれは非常に重要な問題なので、野党間で力を合わせて、場合によっては公明党も、かなりしっかりと主張されていますから、一緒になって束になってやることで自民党を追い込んでいくことができると思っています。できるだけそうしたいとは思います。

○「能登半島地震(2)」等について

【フリーランス】
 けさの官房長官の会見の中で、ドローンの飛行が禁止された理由について質問があった。主語をおっしゃらずに官房長官は懸念の意見が出たので止めていたというふうにお答えになったが、これについて立憲民主党の中ではどのような意見が出ているのか伺いたい。

【幹事長】
 特にそのことが役員レベルで議論されたということはありません。

【フリーランス】
 (けさの官房長官の会見の中で)やはり自衛隊の初動の悪さについて具体的にかなり詰めた質問をなさっていたが、これについて岡田幹事長はどのようにご覧になっていたか。

【幹事長】
 私は官房長官の会見を見ておりませんので、それに対するコメントはできないのですが、自衛隊がというより、自衛隊に対して出動命令を当然かけなければいけませんので、それが最初1000人というのは、地震の規模がよくはっきりしていなかったとはいえ、かなり広い地域ですので、やはり1000名ではなかったのだろうなというふうには思います。先ほど言いましたように、私たちは東日本のときに、まず5万、3日後に10万と、私の記憶に間違いがなければですね、そういうふうに対応したわけです。

【フリーランス】
 ことし立憲民主党、より機動的で国民のためになる党だぞと、そういった組織づくりをしていくに当たって幹事長がお考えのことがあれば教えていただきたい。

【幹事長】
 まず、この災害対応が非常に重要です。これについては、私たちも県連もあれば、近藤議員もいます。もちろん地元の事情は考えなければいけませんので、むやみに人を入れるということは慎重に考えたいと思いますが、タイミングを見て、しっかり現地に入って、そして、そこで被災された皆さんの声をいただいて、それを政府に伝えていく、あるいは国会審議の中で取り上げていくということが大事だと思っております。
 あわせて、裏金の問題に端を発する政治と金の問題ですね。これについて、しっかり結果を出すということが重要だと思っております。
 その先にあるのはやはり経済で、物価を上回る賃上げということが実現できるために、政治のできることは限られていますが、代表も言われていた例えば中小企業に賃上げがきちんとできるようにするための対応とか、そういったことについて、しっかり政府を後押ししていきたいと思っています。

【フリーランス】
 最後に、大みそかに3回爆発音がしたという原発のニュースがたちどころに消され、その後、公式なニュースになっていないことを気にかけている国民は大変多くいるが、これについてはいかがか。

【幹事長】
 ちょっと私には正確な知識がありませんのでコメントできません。

(以上)