立憲民主党は22日、つながる本部と令和6年能登半島地震対策本部が合同で会議を開き、震災発生直後から現地で支援活動を続けている災害支援団体からヒアリングを行いました。会議には、 (1) 認定NPO法人日本レスキュー協会(2)全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(通称JVOAD(ジェーボアード)) (3)NPO法人NPO埼玉ネット(市民キャビネット災害支援部会の中核団体)(4)一般社団法人 情報支援レスキュー隊(略称:IT DART(アイティ・ダート))(5)一般社団法人BIG UP(びかっぷ)石巻――の5つの災害支援団体が参加し、被災地の現状や課題について報告しました。コーディネーターは、NPO埼玉ネット事務局長のとよしま亮介さんが務めました(写真下)。

 冒頭、泉健太代表は、各団体の取り組みに感謝の意を表明。「各地の災害ボランティアセンターに拠点を構築できたときに、できるだけ災害ボランティアの皆さんの人件費などを国が負担することはできないか、支援の強化策を考えていきたい。国会が開会したら被災者生活再建支援法の増額も提案していく。交通費をかけずに支援に行けるようにするなど、さまざまな支援策を作っていきたい」と力を込めました。

 災害救助犬団体で、訓練施設なども保有し災害時に積極的な活動をしている「認定NPO法人日本レスキュー協会」は、飼い主によるペットの適正飼養を継続するための支援、公助である避難所の仕様がペットを飼養している市民も適切に行えるようにするための支援を行っていると話し、ペット飼養世帯に対する調査の概要を報告。「避難所に同伴避難」「家にペットを置いて飼い主が避難所」「飼い主とペットが車中泊」「在宅避難」の4つのケースについてそれぞれの課題を挙げました。被災されたペット連れ避難者の多くが「不便でも寒くても離れることは考えられない。一緒にいたい」との声を上げていると紹介。「ペット用の物資が足りない」「ペット連れだと避難所に入れない」など、ペット飼養世帯は当然受けられる支援が受けられない状況が起こっていると指摘しました。

 被災地域での活動調整・サポート、1.5次/2次避難所、広域避難への対応、課題解決に向けた検討等を行っているJVOAD(ジェーボアード)は、「一時避難所」「避難所外」「家屋保全」「仮設住宅」「子ども支援」といった分野別に行政や民間の動き(NPO等)、課題等について状況を報告。団体からの情報を収集し、団体同士の情報共有の場を設けたり、団体と行政の橋渡し役を務めていると話し、今回指定避難所だけでなく自主避難所も多数あることから、自治体職員が配置されていない場所もあり、これからさらに寒くなるなか災害関連死をいかに防ぐかが課題だと訴えました。

 今回、輸送隊を組織し羽咋市に中継基地を構築し3日に穴水町役場に支援物資を輸送した市民キャビネット災害支援部会・NPO埼玉ネットは、つながりが大事だと強調。トイレが酷い状況で衛生面に問題があると指摘しました。災害地への支援物資の輸送については、行政や他の団体とつながって活動していると話しました。

 災害ボラセンや支援拠点への情報資機材貸与や通信環境の構築支援、情報の整理・運用や発信の支援など、災害支援者を対象とした情報支援活動を行っている「一般社団法人 情報支援レスキュー隊」(略称:IT DART(アイティ・ダート))は、「遠くでできることは遠くでやる」と発言。課題として(1)共助と公助の壁を取り払う(2)活動資金の確保を容易に(3)ボランティアの人材育成――を挙げました。

 東日本大震災を機に設立され、瓦礫撤去や家財運搬や泥出しなどの緊急的災害支援活動を行う「一般社団法人BIG UP(びかっぷ)石巻」は、陸の孤島でどうボランティアセンターを立ち上げるかという課題や、どこに連れていかれるか分からないなかで1.5次避難する方、家父長的な考えもあってとどまる方がいるなか、メンタルケアの重要性に言及、民間が長期支援をどう支えていけるかが課題だと話しました。

*ヒアリングの様子はこちらからご覧いただけます。


 報告を受け議員からは「行政との連携はどうなっているのか」「1.5次避難がなかなか進まないと今後の健康面、命にかかわってくる。もう一歩進めるためには何が必要か。中学生の集団避難が始まったが小学生への学びの確保、心のケアはどうなっているか」「平時の災害ボランティア育成を進めるために必要なことは」といった質問が上がりました。

 つながる本部の本部長代理の辻元清美参院議員は、NPOの皆さんから提起のあった改善策や要望等について、「主には県に対してであるが、政府そのものも動かないといけない。今後とりまとめをして内閣府や、各委員会での質疑などを通じて政府に提言をしていきたい」と述べました。