岡田克也幹事長は1月30日、国会内で記者会見を開き、(1)補欠選挙の公認内定者(2)自民党の政治とカネ問題――等について発言しました。
(1)常任幹事会で補欠選挙の公認内定者として、亀井亜紀子さん(衆院島根1区補欠選挙)、山田勝彦衆院議員(衆院長崎3区補欠選挙)の2名を紹介したことに触れ、岡田幹事長は「週末に亀井さんを訪ね、集会を開催する。何としても、2つの選挙区で勝利したい。山田さんはバッチを外して選挙に臨む。負けられない。党として、補選にしっかり対応していきたい」と述べました。
(2)岡田幹事長は、岸田総理の施政方針演説が震災対応、経済、政治刷新本部の順番だったことを指摘し、「驚いた」と述べ、「順番が違う。総理自ら、政治の信頼を取り戻すことが前提というなら、2番目が政治刷新なのではないか。しかも政治刷新本部という党会議の名称が総理の施政方針演説に項目として出てきて、内容も中間とりまとめをなぞっただけだった。本気でやる気があるのか」と疑問を呈しました。
昨日行われた衆参の「政治とカネ」の集中審議について、「キックバックを受け、届出がなかった人を未だに党として把握していないことは、きわめて問題」と指摘し、「2月5日から予算委員会が始まるが、それまでにしっかり示してもらわないと実態がわからない。このままでは審議は難しい」と発言しました。
岡田克也幹事長記者会見
2024年1月30日(火)17時15分~17時39分
発行/立憲民主党役員室
★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/ewR7Ngy6va0
■冒頭発言
■質疑
■冒頭発言
○第93回常任幹事会を開催
【幹事長】
まず、常任幹事会の報告からいたします。
きょうは、代表のほうから「次の内閣」の構成について報告があり、その後、私のほうから、今度の日曜日の定期大会の次第、それから最終的な文書についてご承認をいただきました。さきの両院議員総会でさまざま出た意見を反映した手直しをさせていただいたところであります。
それから、先般まとめた「本気の政治改革実現に向けて」を改めてご報告したところであります。
あとは、先ほど亀井(亜紀子)さん、山田(勝彦)さんが決意表明をされましたが、お二人について、改めて候補者としてご紹介をさせていただいたということであります。
この補選、まだ少し時間はありますが、非常に重要だと思っております。私もこの金曜日から土曜日にかけて亀井さんの元を訪れる予定にしております。連合やさまざまな関係者との意見調整もし、集会も開催させていただきたいと思っているところです。何としてでも、今決まっているこの二つの選挙区、勝利したいと考えております。山田さんのほうは、バッジをいわば最終的には外して選挙に臨むということであり、まだ相手は長崎は決まっておりませんが、負けられない選挙だと思っております。
そのほか、補選になる可能性のある選挙区もございます。しっかりと党として対応していきたいと考えているところです。
常幹は以上であります。
○通常国会開会 首相の施政方針演説について
【幹事長】
国会が始まりました。きのうの衆参の政治と金をめぐる集中審議、そして、きょうの施政方針演説です。
施政方針演説を聞いての私の感想は、ちょっと驚きました。総理の施政方針演説ですが、順番が違うのではないかと思いました。最初に震災対応が出てきたことはうなずけますが、次は経済、そして3番目が刷新本部、こういう組立てになっておりました。総理自ら政治の信頼を取り戻すことが具体的な政策を進める上の前提だというふうにおっしゃるのであれば、やはり刷新本部というか政治改革が次に来るべきではなかったかと思います。かつ、この政治改革のところが、表題も、刷新本部という自民党の中の会議の名前が本会議の総理演説の中に項目として出てくる。そうではないでしょうと。中身も、刷新本部の決まったことをなぞっただけであります。本当にやる気があるのかという感じがいたしました。
きのうの集中審議を見ても、まずは事実をしっかりと明らかにすること。もう既に事案が発生して2カ月近くたっているにもかかわらず、いまだに党として、キックバックを受け、そして届出がない人について、きちっと把握ができていないというのは、私は極めて問題だと思います。2月5日に予算委員会が始まりますが、それまでにしっかりそれを示してもらわないと、実態がわからないのに審議しろというのも非常に難しいことだと思っております。
集中審議のやり取りを見ても、「検討します」「検討します」の連続で、具体的な話はほとんどなかったわけであります。それは刷新本部の中間報告の中にもあまり具体的なものがなかった。党の中でこういうことをするというのはありましたが、制度改革についてはまだ書いてありませんので、それで言えなかったのかなというふうにも思いますが、政策活動費の問題など全くゼロ回答に近い状態で、私も予算委員会でこれを取り上げたいと思っていますが、政治と金の問題を洗いざらい見直していこうという、そういう決意はみじんも感じられなかったと思います。
■質疑
○裏金問題 政治改革の議論について(1)
【NHK】
冒頭の中で、政治と金の問題に関連して、実態がわからないのに審議と言われてもなかなか難しいという表現をされたと思うが、審議というのは、予算の審議も難しいとお考えか。その辺のところを改めて伺いたい。
【幹事長】
しっかりしたものが示されなければ、簡単に「わかりました」と当然のように審議に入っていくことはお約束できないということです。
ただ、私は、さすがに、これだけ時間がたっているので、2月5日には一定のものは出てくると思っていますが、それが出てこないということになると、それはやる気がないと。結局ばらばらと個人がそれぞれ記者会見を開くなり、あるいはホームページなどで報告する、そういうことがずっと続いていくということにもなりかねません。やはり党としてきちっと把握をして公表してもらいたいと考えています。
【NHK】
関連して。御党でも改革の考え方をまとめたが、その前提として、まずは全容の解明だとおっしゃっている。改革に向けて、そのお考えに変わりはないか。与野党の協議とか、その前提として、やはりその全容解明が前提だというお考えには変わりないか。
【幹事長】
全容を解明しなければ、何をどう変えるかというのは出てこないはずです。
しかも、まだ、自民党の刷新本部の中間報告を見ても、具体的に何をどうするかということは書かれていないのです。野党は一応、公明党さんも含めて、ここをこういうふうにすべきだということは出しています。自民党はそれはない。ないのに協議するなんてあり得ないと思っています。
まずは、全容解明。そして具体案を、自民党の具体案をつくる。それが大前提だと思います。
【共同通信】
今の質問に関連して。自民党が改革案を出す前に、野党として、まずは野党の間で何かしら案を取りまとめるという、そういうお考えはいかがか。
【幹事長】
そういう場面が来るかもしれませんが、しかし、まだ自民党も出てきていないのに、我々が先に先にというのもいかがかと思うのですね。
何がどうなったのか、やはりきちんと説明してもらう。そして、予算委員会でそれをしっかり議論するということが必要だと思います。そういうことを全部飛ばして、野党で取りまとめてこの案というのは、それは予算委員会である程度こなした上での話だと思います。
【共同通信】
きのう維新が改革案を示し、これで主要野党出そろったと思うが、企業・団体献金や、あるいはパーティーの開催、政策活動費等々、幾つか項目はあると思うが、各党の案を見て、どことは連携できそうだとか、そういった各党の案を見られてのご感想というかご見解があればお願いしたい。
【幹事長】
どことも連携したいと思いますので、そういう勤務評定のようなことはいたしません。
ただ、もう既に完全に一致しているのは、政策活動費などは公明党さんも含めて一致しているのではないかと思うのですね。それをやめるということではなく使い道を明らかにするという言い方をされているところもありますが、よくよく聞いてみると、そんなに違わないとも思いますので、かなり共通しているところはある。でも、一致していないところもあります。それは、いろいろ委員会の中で議論をしていく中で、お互いのどういうふうに歩み寄るかということも出てくるのだろうと思っています。
【共同通信】
その歩み寄りのハードルというのは、そこまで高いものではないというご認識か。
【幹事長】
野党間の話ね。
【共同通信】
はい、野党間です。
【幹事長】
かなり高いハードルはあります。でも、共通するものだけは共闘してもいいし、あるいは全体をまとめてもいいのですが、野党がお互い協力すべきだとは思いますが、無理に一つにまとめようとすると結果的には分断されてしまう可能性もありますので、そこは丁寧にやっていく必要があると思います。
○首相の施政方針演説について
【朝日新聞】
施政方針演説に一旦戻るが、先ほどの順番がおかしいというご指摘、そのとおりだと思うが、きょう総理としても「経済」「経済」と改めて強調はされていたが、率直に言って、どうしてそんなに、政治改革よりも経済とか憲法とかいろいろな政策のことも打ち出していたが、そうした総理の姿勢について、改めて、どうしてそういうことになっているのか、幹事長としての評価をお願いしたい。
【幹事長】
経済が重要であることは事実だと思います。大きな転換点を迎えているということは、総理が言われることと私の考えていることでそう大きな差はありません。ただ、総理としては、やはりその経済に懸けていると。今、この低迷する内閣支持率が浮上するとしたら、やはり経済が好転し出すと。5月、6月以降ですね。そういったところにかなり期待感を持っているということではないかと思います。
ただ、それはそれで大事なことですが、やはり国民の信頼を取り戻すのは、まずは政治と金の問題についてきちんと説明し、そして、どう変えるかということが明らかになって、合意ができるということだと思います。
○裏金問題 政治改革の議論について(2)
【朝日新聞】
もう一つ、政策活動費に関してだが、おっしゃるようにきのうの予算委員会を見ていると総理はとても政策活動費の見直しに消極的に見えたが、中でも、政治活動の自由と国民の知る権利とのバランスなんだということを総理は繰り返しおっしゃっていた。この政治活動の自由と政策活動費のあり方について、改めてどのようにお考えになるか。
【幹事長】
私も非常に違和感を持って聞きました。来週予算委員会で質疑に立てば、ここのところも議論したいと思っております。
政治資金規正法は、お金の使い方を収支報告という形で示すことで不断に国民がチェックできるという、そういう法律なのですね。では、国民に不断に示すことができない政治活動とは何なのだろうかと。そういう政治活動があるという前提に立って総理は政治活動の自由と知る権利とのバランスの問題だというふうにおっしゃっているのですね。
私は、知る権利とのバランスの問題ではなく、そもそも政治というのはそういうものなのだと。国民の不断のチェックを受けるということが大前提で、法律もそういう考え方で組み立てられていると。それを今更、政治活動の自由と知る権利のバランスだなどと言い出すのは、全く理解できないと思って聞いていました、きのうは。
【西日本新聞】
政治改革の野党案の一本化の件で伺いたい。きのう日本維新の会が提言案を発表した会見の中で、馬場代表・藤田幹事長共に立憲民主党のことを批判されていた。要は、改革案を提示したが自分たちで先行してやらないと。この先行してやることの是非をすごく維新は強調しておっしゃっていたが、そうした発言に対する受け止めと、そうしたハードルを越えて、先ほどからおっしゃっていたような野党案の一本化に向けて、どういうふうに説得というか話合いをしていくおつもりなのか教えていただきたい。
【幹事長】
先の話ですから、おいおいだと思います。
自分が先行して法律ができるまでもやらないと話合いに応じないというのは、急に出てきた話だと思うのですね。例えば(旧)文通費の話などは、そこは各党の考え方があるという前提で、一緒になって法案を出しているわけです。それを今回、違う論理を持ち出してきているというのは、どういうことなのかなと。
違いを際立たせたいということかもしれませんが、大局を見れば、やはり野党はしっかり協力して、そして、改革を実現していく。それが王道だと思いますので、私はきのうの発言はあまり気にしていませんが、おいおい、よく話をしていきたいなと思っています。
【日本経済新聞】
昨日の集中審議で立憲は安倍派や二階派幹部の証人喚問を求められた。改めてになるが、虚偽の説明をすれば偽証罪にも問われる証人喚問の必要性について伺いたい。
【幹事長】
きょう野党の国対委員長間で確認した、それが全てだというふうにお考えください。きょう確認したのは、まず、自民党所属の全議員を対象に、収支報告書の不記載について自己申告に基づく調査を行い、作成した不記載議員リストを5日朝までに提出してくださいと。それから、まずは以下の議員の政治倫理審査会への出席を求めるということで、二階さん、塩谷さん、萩生田さん、松野さん、高木さん、西村さん、下村さんと。まずは自主的に政倫審に出てきてください、そこで語ってくださいということを我々は求めております。
それがかなわないときに、例えば予算委員会の参考人であるとか、あるいは、さらには証人という、順次そういうことになっていくと思いますが、まずは政倫審というのが私たちの考え方です。
○2024年度定期大会について
【テレビ東京】
先ほど党大会についての話が出たと思うが、今回の党大会の位置づけと、差し支えなければ、その議案の概要を教えていただきたい。
【幹事長】
党大会のときに明らかになるものなので、今、中身をいろいろお話しするつもりはありません。
ただ、基本的には、昨年度どういうことをやりました、今年度こういうことをやる予定です、予算はこうなっていますということを党員の皆さんにお話しして、そして党大会において承認を求めるというのが基本です。
代表は、しかし当然、その党大会において代表の決意をしっかり述べられるはずであります。それを今この場でちょっと申し上げるのはいかがかと思います。
○裏金問題 政治改革の議論について(3)
【テレビ東京】
もう一点お聞きしたいが、その中で、立憲の党内で、先ほども維新の話が出たと思うが、政治資金に関するルールを党内ルールで何か見直すといった、そういったお考えなどはあるか。
【幹事長】
我々は法律が通ったときにイコールフッティングでやりましょうと。小選挙区において自民党と戦っているのは圧倒的に立憲民主党なのですね。もちろん大阪初め関西はちょっと違いますが。ですから、そこでイコールフッティングではないということになると、もうそれは選挙戦の結果に直結しますから、そういう意味では、私たちは自民党とイコールフッティングだというふうに申し上げているわけです。
○党役員人事について
【フリーランス】
「次の内閣」で外務大臣と安全保障大臣が今回分かれて、渡辺周さん。渡辺周さんは常任幹事会議長も兼ねるという新しい人事があったが、まず1点目は、渡辺周さんを配置した意図について教えていただきたい。
【幹事長】
渡辺さんは安全保障についての専門家でもあります。見識を持った方です。
今までは外務と安保は一人で玄葉さんがやってこられました。一体感を持ってやったほうがいいという判断もあったと思います。
今回は、大臣もそれぞれいらっしゃいますから、それに対応するものとして別々にしたということです。
【フリーランス】
常任幹事会議長に徳永エリさんに代わって据えられたのは、時代を見てということなのか。
【幹事長】
渡辺さんは今までも党首の下で党首をサポートする役割を果たしてこられた方です。今回、執行役員に入ってもらって、かつ、常幹議長というのは執行役員ということになっていますので、常幹議長を兼ねていただくということになりました。
【フリーランス】
次は幹事部局の役員体制のほうで、新たに3名の方がおいでになったということで下線が引いてあるが、こちらについてはどのようなことで新しい方々を入れられたか。副幹事長に落合貴之さんとか、伊藤俊輔さんとか、稲富財務局長兼務。
【幹事長】
青年局長は、今までの青山さん、もう年齢に引っかかったのです。45歳。それで、伊藤さん、今まで青年局事務局長をやっていただいていましたので伊藤さんにお願いしたと。
それから、落合さんは今まで財務局長として辣腕を振るってもらったのですが、今回、政治改革実行本部の事務局長もやっていただいています。倫選特の筆頭もやってもらっていて、政治改革、これから中心になって頑張っていただこうと思っています。
それと財務局長を兼ねるのは物理的に非常に難しいだろうと思って、稲富さんに財務局長をお願いしたということです。
(以上)