泉健太代表は1月31日、衆院本会議で、岸田総理の施政方針演説に対する代表質問を行いました。

■能登半島地震
 泉代表は、岸田総理が施政方針演説で能登半島地震の対策で「異例の措置でもためらわず」「予算の制約により躊躇しない」と述べたことを取り上げ、「ぜひやりましょう。立憲民主党は復興支援に協力し政策を提案します」と述べ、党首会談の開催を呼びかけました。
 また、被災者生活再建支援金の最高額を現在の300万円から600万円に引き上げる法案を、立憲民主党を含む3党で提出していることに触れ、政府に支援金の引き上げを求めました。震災関連の予算執行については「迅速であるべき」としつつ、透明性の確保も不可欠だと述べ、震災関連の予備費支出を遅滞なく国会に報告するように求めました。また今後の能登半島地震関連予算を補正予算で行うのかをただしました。岸田総理は、「現時点で補正予算の提出は想定していない」と答えました。

■自民党の裏金問題
 自民党派閥裏金問題が発覚する以前から、多くの不祥事で自民党議員が逮捕されてきたことを取り上げ、「異次元の裏金、異次元の不祥事ではないか」と問いただしました。全派閥を対象とする不記載の実態に関する調査結果をいつ提出するのか質問し、強制捜査が行われた二階派、安倍派の幹部を務めてきた二階俊博議員、塩谷立議員、萩生田光一議員、松野博一議員、高木毅議員、西村康稔議員、下村博文議員、の政治倫理審査会への出席を求めました。立憲民主党は、政治家本人の処罰強化、全ての収支報告書のデジタル化、政治資金パーティー及び企業団体献金の全面禁止と個人献金の促進――等を提案していることを紹介。「お金が力を握る政治から、政策で競う政治に変えよう。国会から、裏金を一掃しようではありませんか。立憲民主党の提案にご理解をいただき、この国会を『裏金議員一掃、政治改革国会』にしようではありませんか」と力強く呼びかけました。



■賃上げ
 泉代表は、「中小、小規模事業者の賃上げ」に力を注ぐべきだと提案。そのうえで、岸田総理が当初は、「物価上昇を上回る賃上げ」と言っていたにも関わらず、最近は「物価上昇を上回る可処分所得の伸び」「物価に負けない所得」等と発言を変えていることを指摘しました。泉代表は、「今年6月の大型所得減税が加われば、可処分所得が一時的にでも物価上昇を上回るのは当然で誰でも達成できる」と述べ、改めて「賃上げ」のみで「物価上昇を上回る」必要があると問いました。岸田総理は、「賃上げと所得減税等を組み合わせることで、まずは今年の夏に可処分所得の伸びが物価上昇を上回る状態を官民で確実に作り上げる」と賃上げだけで物価上昇を上回らせるわけではないことを明らかにしました。

■子ども予算・教育無償化
 児童手当について、立憲民主党が第1子から高校卒業年次まで月1万5千円を支給すべきと提案していることを紹介。夫婦が第3子の出産までたどり着くのは稀であることから、第1子から児童手当の額を増やしてはどうかと提案しました。

■マイナ保険証
 マイナ保険証について、昨年12月の利用率は4.29%であることを指摘し、多くの国民が利便性を感じるどころか「不安を感じている」ため、今年12月の保険証廃止の見直しを求めました。

■ジェンダー平等
 選択的夫婦別制度の導入、同性婚を法的に認めることを求めました。

■外交・安全保障
 防衛装備移転三原則の運用指針の改正は、戦闘地域への殺傷兵器の輸出をすべて禁止したと受け止めて良いのか、日本産水産物の輸入停止問題等のある中国との課題解決に向け、日本での日中首脳会談の開催についての考え、また防衛増税は撤回しないのか、増税の開始時期はいつなのか等を質問しました。

 最後に泉代表は、古い価値観や不祥事体質を変えられない自民党政権に代わり、国民のための「ミッション(共通政策)」を掲げ、選挙に勝ち、その政策を実現する「ミッション型内閣」を提唱し、「自民党政権で遅々として進まなかった『教育の無償化』『第一子からの児童手当増額』なども必ず実現します」と強調しました。

代表質問原稿 泉健太代表 20240131.pdf