2024年度当初予算の基本的質疑3日目となる2月7日午後、衆院予算委員会で坂本祐之輔、湯原俊二両議員が質疑に立ちました。
■坂本祐之輔議員
坂本議員は、盛山正仁文部科学大臣が前回の衆院選の際、旧統一教会の関連団体からの推薦状を受け取り選挙支援を受けていたとの報道について改めて確認。その上で、岸田総理に大臣更迭を求めました。
岸田総理は、「新たな接点が判明した場合には、その都度追加的に説明責任を果たし、未来に向けて関係を断つ」との自民党の方針を説明し、大臣についても「過去の関係のいかんに関わらず、現在は当該団体との関係を一切有していないことを前提として任命を行っている」と述べ、過去の関係ではなく現在の関係がどうであるかを強調しました。
坂本議員は、他に元オリンピック選手の橋本聖子議員、堀井学議員の裏金問題を取り上げ、「オリンピアンの名を汚すことになった」と述べ、総理の認識をただしました。
また、マイナ保険証について、能登半島地震で明らかになった問題点、国家公務員の利用率も4.36%と低迷していること、マイナンバーの総点検を地方自治体に依頼し、各自治体の負担が増えていることなどを挙げ、従来の健康保険証を廃止することなく存続させるべきだと主張しました。
学校給食費の無償化について、岸田総理が一部の自治体や学校で無償化が実施されていない状況もあるため公平性等の観点から実態を把握した上で課題を整理すると述べ、実態調査を行い今年6月に結果を公表するとの答弁に、坂本議員は小学校で99%、中学校で91.5%で給食が実施されていることを挙げ、弁当を持って行っているところでは給食が実施されるまで給食費相当額を支給すべきだと主張しました。
坂本議員は、市長を務めていた経験から「そこで生活を営む市民の皆さまの、悲しみや喜び、憤りや憂いや思いを政策にしっかりと実現すること」が重要だと説き、岸田総理に国民一人ひとりの大切な声を活かして実現に向け努力していただきたいと述べ質問を終えました。
■湯原俊二議員
【過疎対策】
湯原議員は、過疎化が急激に進む地方の現状について、「自民党はこの10数年、地方創生と言い続けてきたが、果たして地方は良くなったのか。『円安物価高』『若者の都市部への流出』『農家の疲弊』『経営が圧迫される中小零細企業』『移動インフラの減少』など、地方は多くの課題を抱えている」と述べた上で、「三位一体改革を行った小泉政権以降の新自由主義的な国づくりで東京への一極集中が加速し、過疎化が進み地方がいっそう疲弊している。さらに国民の暮らしも厳しくなってきている」と現状への認識をただしました。
岸田総理は、「一定の成果は上がっていると思うが、過疎地域においては人口減少、少子高齢化が一段と進んでいる。担い手や移動手段の確保、集落の維持活性化などの必要性が大きくなっている」との認識を示しました。
湯原議員は、「原因の一つとして、自民党政権が進めてきた、新自由主義的な日本の国づくりが、結果として拍車をかけているのではないか」と指摘しました。
「今のままでは地方の衰退に歯止めをかけることは出来ない」と述べた湯原議員は、私見だと前置きをしたうえで、「過疎対策として、税制や診療報酬、建ぺい率などを全国一律にするのではなく、過疎地域や地方にインセンティブを与えるなど、大胆に国づくりを変えていくべきだ」と述べました。
【世襲議員の弊害】
湯原議員は、「自民党の衆院議員259人のうち、世襲議員は91人。現職閣僚は半数が世襲議員。橋本政権から25年ぐらい、自民党から出た総理大臣はほとんどが世襲だ。選挙区は地方でも、東京生まれ、東京育ちの世襲議員では、地方のことが肌感覚で分からないのではないか」と指摘しました。その上で、多様な人材を政治の世界に、資金面での候補者間の公平を期すために、立憲民主党が国会に提出した、「政治資金世襲禁止法案」に賛同するよう総理に求めました。
岸田総理は、「政治資金は親族に引き継がれるものではない。誰を代表にするかなど、個々の政治団体で判断するべきもの。この問題について議論すべきと考える。議員立法であるので、国会で議論いただくものだ」と答えました。
湯原議員は、「最終的には有権者が決めることだが、選挙区は地方だが、(世襲議員は)ある意味地方に冷たいのではないかと。世襲議員の弊害を克服するためにさまざまな政策展開が必要だ」と訴えました。
【シティズンシップ教育】
湯原議員は、日本の若者の、国や社会を変えられるという「社会への参加意識」の低下は、先々日本は危うくするとして、「日本の若者のモチベーションが上がるようなシティズンシップ教育、主権者教育をしていくべき」と答弁を求めました。
盛山文科大臣は、「主権者教育は必要と考える。各学校における取り組みを支援するための経費を計上している。主権者教育の取り組みを推進していく」と答えました。